ヘタレ投資家ヘタレイヤンの読書録

個人投資家目線の読書録

社会学

世界はなぜ地獄になるのか

橘玲 小学館 2023.8.6読書日:2026.1.5 キャンセルカルチャーは、リベラルの正義論が逆転したものであり、そのような極端なキャンセルカルチャーに巻き込まれないためには、地雷原に近づかないという方法しかないと主張する本。 キャンセルカルチャーとは、…

おひとりさま時代の死に方

井上治代 講談社 2025.8.5読書日:2025.12.30 無縁社会になり、死の際には家族や親戚には頼れない状況のなか、どうすれば無事に死後の処理ができるのかを述べた本。 わしは、つい数ヶ月前に、実家の墓じまいを行って、祖父母と両親の遺骨を永代供養の寺に預…

「偶然」はどのようにあなたをつくるのか すべてが影響し合う複雑なこの世界を生きることの意味

ブライアン・クラース 訳・柴田裕之 東洋経済新報社 2025.9.23読書日:2025.12.22 この世界はあまりにも複雑に絡んでおり、大切なことは気が付かないほんの小さなことだったり、全く関係ないと思われることだったりしているので、未来に何が起こるのかは予測…

なめらかな社会とその敵 PICSY・分人民主主義・構成的社会契約論

鈴木健 筑摩書房 2022.10.10(オリジナルは勁草書房、2013年)読書日:2025.10.19 複雑な世界を複雑なままに生きられる社会は可能なのか。300年後に可能となるかもしれない社会をラディカルに検討してみせた本。 資本主義の基本原理である私的所有や新しい投…

教養主義の没落 変わりゆくエリート学生文化

竹内洋 中央公論新社 2003.7.15読書日:2025.9.16 かつて難しい本を読み議論するようなエリートの教養主義文化を作り上げたのは地方の田舎の出身のエリートたちで、1960年代以降に田舎が近代化していく中で教養主義が消えていったと主張する本。 こちらの本…

ブルデュー 闘う知識人

加藤晴久 講談社 2015.10.1読書日:2025.3.26 フランスの社会学者ブルデューを紹介する本。 ブルデューなんて名前すら知らなかったが、とても有名な人らしい。なので、どんな仕事をした人なのかまずは知りたいところだけど、この本は不思議な構成をしていて…

日本映画の「働き方改革」 現場からの問題提起

深田晃司 平凡社 2024.10.17読書日:2025.1.13 日本映画は絶好調の興行収入を得ているのに、政策の現場では、最低賃金以下の報酬と長時間労働という最悪の労働環境であり、さらにはパワハラ、セクハラも常態化しており、フランスや韓国のように国の労働規制…

怠惰なんて存在しない 終わりなき生産性競争から抜け出すための幸福論

デヴォン・プライス 訳・佐々木寛子 ディスカヴァー・トゥエンティワン 2024.5.24読書日:2024.10.8 生産性をあげて仕事の成果を上げるということが自分の価値、という生産性競争から脱出しようと主張する本。 中身を読んで驚いた。まったく同じ内容の本を最…

その島のひとたちは、ひとの話をきかない 精神科医、「自殺希少地域」を行く

森川すいめい 青土社 2016.7.14読書日:2024.7.22 精神科医の著者が、自殺が少ない地域を旅して、共通する地域の特徴を述べた本。 日本は世界的に自殺が多い国で、心のケアをする精神科医の著者は当然ながら自殺をした知り合いがいる。そんなわけで、自殺が…

タテ社会と現代日本

中根千枝 講談社 2019.12.1読書日:2024.7.7 日本のタテ社会の構造を発見した中根千枝の入門書。 いちおう入門書的な扱いになっているけど、まあ、これで十分な内容が含まれているんじゃないかな。社会生態学者の中根千枝がタテ社会について発表したのは19…

なぜ働いていると本が読めなくなるのか

三宅香帆 集英社 2024.4.22読書日:2024.6.16 仕事を始めると本どころかあらゆる趣味をする時間的余裕がなくなってしまう、という著者が仕事に全身全霊を捧げることを止めるよう主張する本。 読んでいて困ってしまった。 著者はとても真面目な人らしく、就職…

世界は経営でできている

岩尾俊兵 講談社 2024.1.20読書日:2024.6.7 人生で起こることはすべて価値創造するという経営の思想で良くすることができると主張する本。 ここで取り上げられる人生の問題は、貧乏だったり、家庭のことだったり、恋愛だったり、勉強だったり、虚栄だったり…

常識として知っておきたい裏社会

懲役太郎、草下シンヤ 彩図社 2022.4.21読書日:2024.3.31 裏社会のことを語っている人気バーチャルYouTuberの懲役太郎と裏社会の本をいろいろ書いている草下シンヤが裏社会について語る対談形式の本。 ここでは反社会勢力として、ヤクザと半グレ、外国人マ…

私労働小説 ザ・シット・ジョブ

ブレイディみかこ 角川書店 2023.10.26読書日:2024.3.18 (ネタバレあり。注意) イギリスの労働者階級についていろいろ教えてくれるブレイディみかこが、自分の経験したシット・ジョブに基づいて書いた短編小説集。 全般的にとても面白かったです。こうい…

新しい封建制がやってくる グローバル中流階級への警告

ジョエル・コトキン 訳・寺下滝郎 解説・中野剛志 東洋経済新報社 2023.11.14読書日:2024.2.24 一握りの超富裕層が世界の富の大半を握り、グローバル社会のなかで中流層は没落してデジタル農奴となり、このような状態が世襲化して引き継がれる結果、社会的…

ほんとうの定年後 「小さな仕事」が日本社会を救う

坂本貴志 講談社 2022.8.20読書日:2024.1.28 定年後、収入は大幅に減るが同時に支出も減るため生活には困らず、月に数万〜10万円程度の追加収入があれば趣味をおおいに楽しむことができ、ストレスがほぼないため幸福な生活を送る人が大半だと報告する本。…

未来の年表 業界大変化 瀬戸際の日本で起きること

河合雅司 講談社 2022.12.20読書日:2023.12.26 日本では少子高齢化で人口が減るという状況なのに、それに対する備えができていないとし、実際に何が起きるのかをリアルに予想し、企業が進めるべき未来の戦略を提示した本。 2部構成になっていて、第1部で…

99パーセントのための社会契約 会社、国家、市民の未来

アレックス・ロス 訳・井田光江 早川書房 2023.4.20読書日:2023.12.25 社会契約とは、企業、政府、市民の三者で社会にバランスをもたらすための約束であるが、いまほとんどの国でそのバランスが崩れており、2020年代の選択が重要になっていると主張する…

社会を変えるには

小熊英二 講談社 2019.8.1読書日:2023.12.19 デモなどの社会運動が好みという社会科学者の小熊英二が、ギリシャ時代からの哲学を振り返り、運動をして本当に社会が変わるのか、ということを述べた本。 日本の学者ってものすごく頭が良いと思う。教養や学術…

イラク水滸伝

高野秀行 文藝春秋 2023.7.30読書日:2023.11.23 チグリス・ユーフラテス川の河口の湿地帯はメソポタミア文明が興った地域であるが、5千年の昔から現在に至るまで敗れた者や迫害された者が逃げ込む地域でもあり、辺境作家の高野秀行が中国の水滸伝になぞら…

なぜヒトだけが老いるのか

小林武彦 講談社 2023.6.20読書日:2023.11.2 動物は死ぬ瞬間まで老いない事が多いのに、ヒトだけが老いるのは、老いることで種としてメリットの方が多かったからだと主張する本。 動物は老いないんだそうだ。たいていの動物は死ぬ直前までばりばりの現役で…

電鉄は聖地をめざす 都市と鉄道の日本近代史

鈴木雄一郎 講談社 2019.6.1読書日:2023.10.31 私鉄の電鉄は都市と郊外とを結んで、郊外では住宅地を売り、住宅地の通勤、通学の客を運ぶことをビジネスモデルにしていると思われているが、鉄道を作った最初のビジネスモデルでは寺社を中心とした参詣と物見…

戦争とデータ ―死者はいかに数値となったか

五十嵐元道 中央公論社 2023.7.10読書日:2023.10.22 戦争中に死者の数を一つ一つ数えることは不可能で、とくにタグをつけている兵士たち以上に文民の犠牲者の数を数えるのは至難であるため、統計的に解析する方法が開発されて来た経緯を述べた本。 19世紀…

日本の死角

現代ビジネス編 講談社現代新書 2023.5.20読書日:2023.10.17 講談社のウェブマガジン「現代ビジネス」に掲載された論考16本をまとめた本。 どれもウェブマガジンに掲載されたもので、短いものだ。深く考えるには足りないけれど、新しい視点を得られて、気…

シンプルで合理的な人生設計

橘玲 ダイヤモンド社 2023.3.7読書日:2023.9.28 金融資本(資産)、人的資本(収入)、社会資本(評判、人間関係)の3つの資本を備えた人が幸福だと定義する橘玲が、人生設計を指南する本。 橘玲はこの手の本を20年ぐらい前から数年おきに出していて、感…

官僚制のユートピア テクノロジー、構造的愚かさ、リベラリズムの鉄則

デヴィッド・グレーバー 訳・酒井隆史 以文社 2017.12.10読書日:2023.8.17 たとえ規制緩和してもますます規制が増え、官僚が増える結果になるという「リベラリズムの鉄則」があり、いまや全面的官僚化の世界になってしまったが、このような官僚制を議論する…

非正規公務員のリアル 欺瞞の会計年度任用職員制度

上林陽治 日本評論社 2021.2.25読書日:2023.7.26 民間以上に悲惨な雇用実体である非正規公務員のリアルな状況を報告した本。 そもそも非正規公務員は民間の法律が適用されず、その結果、民間以上に悲惨な状況だと聞いていたが、この本を読む限り、想像して…

依存症と人類 われわれはアルコール・薬物と共存できるのか

カール・エリック・フィッシャー 監修・松本俊彦 訳・小田嶋由美子 みすず書房 2023.4.10読書日:2023.7.6 本人のアルコール依存症との戦いを交えて、アメリカの依存症対策の歴史を述べた本。 なんかアメリカの政策って極端すぎる気がする。アルコールについ…

人間がいなくなった後の自然

カル・フリン 訳・木高恵子 草思社 2023.5.4読書日:2023.7.2 いろいろな理由で人がいなくなった廃墟を訪ねて、自然が回復していく様子を記した本。 子供の頃、空き地があると、そこに植物がどんどん育っていくのをよく観察してしていた。最初はもちろん雑草…

母親になって後悔している

オルナ・ドーナト 訳・鹿田昌美 新潮社 2022.3.25読書日:2023.6.26 自分は母親になるべきではなかったし、別の人生を与えられたら子供は産みたくないと考えており、母親になったことを後悔している女性がいることを述べた本。 わしは母親になったことを後悔…

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