ヘタレ投資家ヘタレイヤンの読書録

個人投資家目線の読書録

経済学

日本の労働生産性向上率はG7で最高? グレート・ナラティブに書いてあった興味深いこと

グレート・ナラティブのなかに興味深いことが書いてあった。 人口減少と成長率0の絶望的なケースのはずの日本で、生産性が伸びているというのだ(p43)。それによると、2007年以降のG7の中で、生産人口一人あたりのGDPはどの国よりも伸び率が大…

グレート・ナラティブ 「グレート・リセット」後の物語

クラウス・シュワブ ティエリ・マルレ 訳・北川蒼 日経ナショナルジオグラフィック 2022.7.4読書日:2022.8.13 ダボス会議で有名な世界経済フォーラムの創設者のクラウス・シュワブが、アフターコロナ後の世界で世界を動かすであろうナラティブを語った本。 …

中国経済の謎 なぜバブルは弾けないのか?

トーマス・オーリック 訳・藤原朝子 ダイヤモンド社 2022.3.29読書日:2022.7.5 何度も崩壊すると言われながら中国経済が崩壊しなかったのは、中国共産党が過去の世界経済を反面教師とした柔軟で独創的とも言える対応をしたことだったとし、一方、今後もその…

BAD BLOOD シリコンバレー最大の捏造スキャンダル全真相

ジョン・キャリールー 訳・関美和、櫻井祐子 集英社 2021.2.28読書日:2022.6.16 スティーブ・ジョブズを崇めるセラノス創業者、エリザベス・ホームズが、現実歪曲フィールドに関してだけはジョブズを越えたことを報告する本。 エリザベス・ホームズとその会…

長生き地獄 資産尽き、狂ったマネープランへの処方箋

森永卓郎 角川新書 2022.1.10読書日:2022.06.10 年金財政の破綻で将来は1ヶ月13万円の年金しかもらえないと主張し、その中で生活していくためにはトカイナカ生活(都会+田舎、都会の近くの田舎)がもっとも良いと主張する本。 森永卓郎さんは経済学者と…

ユダヤ人の独自性 「善と悪の経済学」を読んで感銘を受けたこと

トーマス・セドラチェクの「善と悪の経済学」を読んで感銘を受けたことに、ユダヤ人の独自性がある。 わしはもともとユダヤ人は独自性があると思っていたが、そこは宗教の一神教における神との関係に限定されると思っていた。つまり、次のようである。 ある…

善と悪の経済学 ギルガメッシュ叙事詩、アニマルスピリット、ウォール街占拠

トーマス・セドラチェク 訳・村井章子 東洋経済新報社 2015.6.11読書日:2022.5.13 経済学は倫理学から出発したのに、そのルーツを忘れて数学のみを語る学問になってしまっているが、倫理という魂をもう一度取り入れ、人の限りない欲望を抑えるような学問に…

物価とは何か

渡辺努 講談社 2021.1.11読書日:2022.4.22 物価は経済学の基礎概念にもかかわらず、その計測方法から、何が物価を動かすか、物価に対して何ができるのか、など今も未知な部分が多く、現在の経済学が到達している地点について解説してくれる本。 著者はかつ…

フリーポート(保税倉庫)という例外 「世界を貧困に導くウォール街を超える悪魔」で思い出したこと

「世界を貧困に導くウォール街を超える悪魔」を読んでわかったのは、結局のところ、例外の場所や制度を利用して、税金を納めることなしに利益を搾り取って行く金融産業の姿だった。 これを読んでわしが思い出したのが、フリーポート(保税倉庫)と呼ばれる、…

世界を貧困に導くウォール街を超える悪魔

ニコラス・ジャクソン 訳・平田光美、平田完一郎 ダイヤモンド社 2021.11.2読書日:2022.3.20 金融業が国の経済の中心になると、国民になんの利益ももたらさず、かえってその国の経済を衰退させ、国民を貧困に陥れると主張する本。 この本で書かれているのは…

THE LONELY CENTURY なぜ私たちは「孤独」なのか

ノリーナ・ハーツ 訳・藤原朝子 ダイヤモンド社 2021.7.13読書日:2022.3.1 人類史上例のない規模で「孤独」が広がっており、人々の健康に影響を与えるだけでなく、なにより民主主義の根幹を揺るがしており、コミュニティを生み出すインフラへの投資を行わな…

食品の裏側

安部司 東洋経済新報社 2005.11.10読書日:2022.2.23 添加物を販売する商社に勤めていた著者が、作った製品を自分の子供が食べているのを見て衝撃を受け、会社を辞めて、日本の食品業界で起きている真実を報告する本。 この本は2005年の発売なのに、まだ…

クソったれ資本主義が倒れたあとの、もう一つの社会

ヤニス・バルファキス 訳・江口泰子 講談社 2021.9.13読書日:2022.2.20 2008年のリーマン・ショックのあと、資本主義が倒れたあとのあり得たもう一つの世界を描く小説。 左派の人たちのおめでたさには呆れることが多いけど、どのへんで呆れるかというと…

SWIFTからの追放は中国に効果があるのか?

ロシアのウクライナへの侵攻は、予想以上に西側諸国の結束が高く、ついにロシアの銀行をSWIFTから締め出すことに成功しました。しかし、これがどのくらいの効果があるのでしょうか。そして何より気になる、中国に台湾への侵攻を思い止まらせる効果があるので…

健康もマネーも人生100年シフト! 勝間式ロジカル不老長寿

勝間和代 宝島社 2021.7.27読書日:2022.2.6 勝間和代が健康でゆとりある老後をロジカルに考えて実践している内容をまとめたもの。 このところの長寿関係の読書をしており、その延長で本書を選んでみた。長寿関連はとりあえずこれで終了かな。 ここ数年、勝…

日本の最強ナラティブはデフレ・ナラティブ ナラティブ経済学を読んで考えたこと

「ナラティブ経済学」を読んでいるうちに、いま日本で一番強い経済的なナラティブといえば、デフレのナラティブではないかという気がしてきました。 1990年代、バブルが崩壊したときに、多くの企業が苦境に立たされました。リストラが普通になり、就職氷…

ナラティブ経済学 経済予測のまったく新しい考え方

ロバート・J・シラー 訳・山形浩生 東洋経済新報社 2021.8.12読書日:2022.01.28 住宅価格指数を作り、住宅バブルを警告したことで有名なシラーが、人々が語り合うナラティブ(物語)を計測すれば、経済の現状を確認し未来の傾向を予測することができると主…

Humankind 希望の歴史 人類が善き未来をつくるための18章

ルトガー・ブレグマン 訳・野中香方子(きょうこ) 文藝春秋 2021.7.30読書日:2022.1.20 オランダの革新的なジャーナリズムプラットフォーム「デ・コレスポンデント」の創設者のひとりである歴史家、ジャーナリストのブレグマンが、人類は基本的に善である…

無理ゲー社会

橘玲 小学館新書 2021.8.3読書日:2021.12.26 リベラルが目指す社会はメリトクラシー(能力主義)の社会であり、能力がない人は収入も結婚もできず、悲惨なディストピアを生きなければならず、その根本の解決策はないと主張する本。 サンデルの「実力も運の…

つながり過ぎた世界の先に

マルクス・ガブリエル インタビュー・大野和基 訳・高田亜樹 PHP新書 2021.3.30読書日:2021.12.9 哲学者マルクス・ガブリエルがコロナ後に資本主義は倫理資本主義に向かうと主張する本。 資本主義は倫理を取り入れなければならないということをいろんな…

人新世の「資本論」

斎藤幸平 集英社新書 2020.9.22読書日:2021.12.02 地球規模の環境破壊、温暖化は資本主義の失敗であり、これを解決するにはコモンズの考えに根ざした新しいコミュニズムが必要と主張する本。 マルクスの資本論は第1巻が発刊されたあと、続巻がなかなか発刊…

監視資本主義 人類の未来を賭けた闘い

ショシャナ・ズボフ 訳・野中香方子(きょうこ) 東洋経済新報社 2021.7.8読書日:2021.11.28 現代の巨大IT企業(主にグーグル、フェイスブック)は人間の情報をすべて集めてそこから利益をとるだけでなく、精神すらもコントロールしようとする邪悪な存在…

資本主義だけ残った 世界を制するシステムの未来

ブランコ・ミラノヴィッチ 訳・西川美樹 解説・梶谷懐 みすず書房 2021.6.16読書日:2021.11.22 共産主義を含め、すべての経済システムは資本主義を目指していたと主張し、現在は米国を中心とした「リベラル能力資本主義」と中国を中心とした「政治的資本主…

日本経済学新論  渋沢栄一から下村治まで

中野剛志 ちくま新書 2020.5.10読書日:2021.9.16 ナショナリストの中野剛志が、日本の経済を引っ張った偉人たちは合理的な学問としての経済学ではなく、プラグマティズムと国の発展を考慮した経済ナショナリズムを展開したと主張し、それはいまの最先端の経…

混迷の国ベネズエラ潜入記

北澤豊雄 産業編集センター 2021.3.22読書日:2021.8.28 無能な左派政権により国家が破綻寸前と言われるベネズエラに潜入して、国民の生活は意外に普通であることを報告した本。 昔(19世紀ぐらいまで?)の冒険者というのは、未知の土地にでかけて、そこ…

アダプティブ・マーケット 適応的市場仮説 危機の時代の金融常識

アンドリュー・W・ロー 訳・望月衛、千葉敏生 東洋経済新報社 2020.6.11読書日:2021.6.21 これまでの経済学は物理学を模倣して「効率的市場仮説」で理論を組み立てていたが、実際の経済活動は生態学との親和性が高く、ダーウィンの適者生存の法則を模倣した…

ポール・ローマーと経済成長の謎

デヴィッド・ウォルシュ 訳・小坂恵理 日経BP 2020.1.27読書日:2021.6.10 経済成長というダイナミックな現象を経済学が理論的に取り入れる過程を通じて、経済学がどういう発想の人達で発展し、その学説の戦いがどんなふうに進行していくのかを垣間見せて…

オードリー・タン デジタルとAIの未来を語る

オードリー・タン プレジデント社 2020.11.29読書日:2021.5.9 まだ30代という若さで台湾のデジタル担当政務委員に就任し、台湾のコロナ・パンデミックを抑え込んだ立役者であるオードリー・タンが、プレジデント社のインタビューに応え、民主主義とAIの…

超訳 ケインズ「一般理論」

ジョン・メイナード・ケインズ 超訳・山形浩生 東洋経済新報社 2021.3.5読書日:2021.5.5 山形浩生がケインズの「一般理論」を大幅に圧縮、ポイントをまとめて読みやすくした本。 わしはだいたい新刊書ばかりを読む方で、あまり古典を読まないのだが、やはり…

日本人の勝算 人口減少✕高齢化✕資本主義

デービッド・アトキンソン 東洋経済新報社 2019.1.24読書日:2021.5.2 日本に在住30年の元金融マンで現在会社社長のアトキンソンが、日本が今後それなりの存在感のある国家を維持するには、経済の生産性をあげて経済成長するしかなく、そのためには最低賃…

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