失われた女の子 ナポリの物語4

エレナ・フェッランテ 飯田亮介・訳 早川書房 2019.12.19読書日:2020.1.21 (ネタバレあり。注意) 天才的なリラと努力家のレヌーのナポリの物語もついに最終巻の第4巻を迎えた。 この物語の発端を思い浮かべてみると、第1巻の最初で、リラが自分がこの世…

21Lessons 21世紀の人類のための21の思考

ユヴァル・ノア・ハラリ 柴田裕之・訳 河出書房 2019.11.30読書日:2020.1.14 サピエンス全史とホモ・デウスのハラリの最新作である。前者がホモ・サピエンスの過去を語り、ホモ・デウスが未来を語っていたのに対し、本作は今のサピエンスの状況に対するハラ…

MMT 現代貨幣理論入門

L・ランダル・レイ 鈴木正徳・訳 島倉原・監訳 中野剛・松尾匡・解説 東洋経済新報社 2019.9.12読書日:2020.1.13 MMTはこれまで知った経済理論の中で、もっともすっきりする経済理論で、わしのこれまでの疑問がほぼ解消されたという意味で、個人的には…

「死」とは何か イエール大学で23年連続の人気講義

シェリー・ケーガン 柴田裕之・訳 文響社 2018年10月5日読書日:2020年1月6日 (注意:今回読んだのは短縮版) 「死」がテーマの哲学の本なのだが、読んで驚いたのは、死については語るべきことがこんなに多いのか、ということである。まあ、哲学とは死につ…

未来国家ブータン

高野秀行 集英社 2014.2.20読書日:2020.1.2 ときどき高野秀行の本を読みたくなる。年末に体調を崩したときに、読みかけの他の本もあったのだが、高野秀行を読みたくなり、ダウンロードして読むことにした。 しかし、残念ながら、この本は期待したほど面白く…

イザベラ・バードの『日本奥地紀行』を読む

宮本 常一 平凡社2002読書日:2007年07月25日 民俗学者、宮本常一の「忘れられた日本人(岩波文庫)」を読んで、驚嘆した経験がある。日本人を見る確かな目がそこにはあった。 そんな宮本常一が、明治初期に東北、北海道を旅したイザベラ・バードの『日本奥…

ユニバース2.0 実験室で宇宙を創造する

ジーヤ・メラリ 訳・青木薫 解説・酒井伸之 文芸春秋 2019.7.25読書日:2019.12.23 実験室で宇宙を創造するにはどういう方法があるかについて、インフレーション理論、ひも理論などから言える最新の状況から解説してくれる本。著者は現在はジャーナリストだ…

水源―The Fountainhead

アイン・ランド, 藤森 かよこ 2004.7 ビジネス社 読書日:2005.11.8、(当時書いた感想が気に入らずに2019年12月に書き直したもの) ご存じリバタリアンの始祖アイン・ランドの主要著書のひとつ。1943年に発表され、アメリカ人にはとてもなじみの深い小…

チョンキンマンションのボスは知っている :アングラ経済の人類学

小林さやか 春秋社 2019.7.30読書日:2019.12.11 香港の安宿のボスの話ということで、てっきり中国人の話なのかと思ってたら、アフリカのタンザニア人の話なのだった。いま中国には大勢のアフリカ人が一旗上げるために来ているのだそうだ。その中にはずっと…

三体

劉慈欣、訳:大森望、光吉さくら、ワン・チャイ、監修:立原透耶、早川書房、2019.7.15読書日:2019.12.9 (ネタばれあり。注意) SFは年に1,2冊しか読まないと言ったばかりなのに、なめらかな世界とその敵、に続いて、今月2冊目のSFである。でも、…

なめらかな世界と、その敵

伴名練 早川書房 2019.8.20読書日:2019.11.30 小説を読むことがそもそも少ない上に、SFはたぶん年に1、2冊しか読まない。この本に関しては、新聞の書評で「現代SFの到達点のひとつ」みたいなことが書かれてあって、読んでみた次第。 わしはミステリー…

スノーボール  ウォーレン・バフェット伝

アリス シュローダー 日本経済新聞出版社 2009年11月19日読書日:2013年04月03日 オマハの賢人のたぶんもっとも詳しい伝記。 投資の興味があるとどうしてもバフェットという名前を聞かざるを得ないし、そして断片的に聞くバフェットの人生を聞くと好奇心に駆…

ザ・プッシュ ――ヨセミテ エル・キャピタンに懸けたクライマーの軌跡

トミー・コールドウェル 堀内瑛司・訳 白水社 2019.9.10読書日:2019.11.25 ヨセミテのエル・キャピタンという有名な岩壁のうち、最難関とされたドーン・ウォールをフリークライミングで初めて攻略したトミー・コールドウェルの自伝。とても、とても面白い。…

死ぬんじゃねーぞ!! いじめられている君はゼッタイ悪くない

中川翔子 文藝春秋 2019.8読書日:2019.11.18 中川翔子が過去に自分がされたいじめを全告白し、いま苦しんでいる子どもたちに死なないように訴える本。 中川翔子がこんなにいじめを受けているとは思わなかった。いじめられていると学校にいる1時間ごと1分ご…

両利きの経営 [二兎を追う]戦略が未来を切り拓く

チャールズ・A・オライリー マイケル・L・タッシュマン 渡部典子・訳 東洋経済新報社 2019.2.28読書日:2019.11.17 企業ビジネスモデルはすぐに廃れてしまうので、従来事業を深堀する深化と新機軸を見つける探索の両方を行わう必要がある、と主張する本。 テ…

奇妙な死刑囚

アンソニー・レイ・ヒントン 栗木さつき・訳 海と月社 2019.8.5読書日:2019.11.15 アメリカのアラバマ州で70年代に無実の罪で死刑判決を受けた黒人男性が、諦めずについに無実を勝ち取った話。 原題は The Sun Does Shineで普通すぎてインパクトがないせ…

銃・病原菌・鉄〈上・下〉―1万3000年にわたる人類史の謎

ジャレド ダイアモンド, Jared Diamond, 倉骨 彰 草思社 2000年読書日:2011年06月06日 言うまでもなく、ジャレド・ダイアモンドの代表作。インカがスペインに征服された事件が発生した原因を、大陸ごとの発達の違いにまでの根本原因にさかのぼって考察し、…

転職と副業のかけ算 生涯年収を最大化する生き方

moto 扶桑社 2019.8.9読書日:2019.11.10 motoさんは、収入を増やすことだけを目標にして転職を繰り返すとともに、その経験を情報として売ることで、240万円の年収からいまでは5000万円に増やすことに成功したんだそうです。この本もベストセ…

人生の勝算

前田裕二 幻冬舎 2019.5読書日:2019.11.8 SHOWROOMというライブアプリの会社を立ち上げた若き経営者が、自分の壮絶な人生を振り返りつつ、自分の思いを語る本。 前田裕二さんの恋人は石原さとみなんだそうだ。あら、そうなの?(笑)。彼女はいい役者さんだ…

革命とサブカル  -「あの時代」と「いま」をつなぐ議論の旅

安彦良和 言視舎 2018.10読書日:2019.11.10 ガンダムのキャラクターデザインで有名な安彦良和が学生運動崩れであることは、「原点」を読んで初めて知った。 安彦良和の仲間たち、弘前大学の学生運動のリーダーたちは、安田講堂にも参加したし、そればかりか…

反日種族主義 日韓危機の根源

李栄薫 文芸春秋 2019.11.20読書日:2019.11.16 韓国の反日運動が根拠のないことを、韓国の歴史学者自身が実証的に明らかにした本。韓国では10万部を越えるベストセラーになり、昨今の日韓激突から日本でも緊急出版されました。 「種族」という言葉を使うの…

無人の兵団 -AI、ロボット、自立型兵器と未来の戦争

ポール・シャーレ 伏見威蕃・訳 早川書房 2019.7.20読書日:2019.11.6 この本は1983年に起こった衝撃的な話から始まる。 まだソ連が存在し、米ソ冷戦が現実だったとき、ロシアの早期警戒システム・オコ(目)は米国が核ミサイル5発を発射したことを捉え…

捨て本

堀江貴文 徳間書店 2019.7.31読書日:2019.10.28 全ての物、人間関係その他のことに執着することはなく、全て捨てていいと主張する本。 いや、そのとおりだと思うんで、全く異論がありません。(苦笑) いま住んでいるマンションにモノがあふれていますが、…

原点 THE ORIGIN

安彦 良和, 斉藤 光政 岩波書店 2017年3月11日読書日:2017年09月11日 出版社が岩波だったことにびっくりでしょうか。(笑) 冗談はさておき、安彦良和がこれほどまでに全共闘の人間だったことにびっくり。ただデモに参加したっていうくらいじゃなくて、弘前…

全国民が読んだら歴史が変わる奇跡の経済教室 戦略編

中野 剛志/著 -- ベストセラーズ -- 2019.7読書日:2019.10.25 基礎知識編に続く戦略編だが、中身はこれからどうするかという話ではなくて、平成の経済政策はなぜ失敗したかを、しつこく語る内容だった。それはもう何度もあちこちで読んだので、今後どうす…

なぜ世界は存在しないのか

マルクス・ガブリエル 講談社 2018年1月11日読書日:2019.10.21 マルクス・ガブリエルの「なぜ世界は存在しないのか」を読んだ。いろんな意味で、非常に好ましい。経済学でMMTを知ってスッキリしたように、哲学でこの本を読んでかなりスッキリした。完全…

人生の諸問題五十路越え

小田嶋隆 岡康道 清野由美 日経BP 2019.7読書日:2019.10.15 日経ビジネスオンラインは、今は改装してほとんど雑誌の拡販に特化した内容になってしまいましたが、その前はなんでもありのサラリーマンが時間を潰すにはもってこいの企画がたくさんありました。…

野生化するイノベーション 日本経済「失われた20年」を超える

清水洋 新潮社 2019/8/21読書日 2019/10/11 イノベーションは飼いならすことができない、イノベーションを起こすときにも、起きたあとでも。 という内容を書いていて、たしかにそのとおりなのですが、きっと企業の開発の現場では誰もが身に沁みていることな…

死にがいを求めて生きてるの ーー雄介はどうすればよかったのか?

「死にがいを求めて生きてるの」を読んでると、人生に意味を与えようとする雄介も理解できる気もするが、何しろ、わしは昔、知り合いの女の子に「人生に意味はない」と力説して不興を買った人間なので、たぶん彼とは違うタイプの人間である。でも、雄介はち…

死にがいを求めて生きてるの

朝井リョウ 中央公論新社 2019.3.7読書日:2019.10.9 あんまり小説は読まないのだけれど、読んでみた。ネタバレありますので、ご注意。 死にがい、というのは「これができれば死んでもいい、命を捧げてもいい」と思えるようなことですから、結局、普通の生き…

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