ヘタレ投資家ヘタレイヤンの読書録

個人投資家目線の読書録

2023-09-01から1ヶ月間の記事一覧

街とその不確かな壁

村上春樹 新潮社 2023.4.10読書日:2023.8.30 17歳のときに当時の恋人から幻想の街の存在を教えられた私は、大人になってその街で訪ね図書館で<夢読み>となるが、一方、街に入るときに引き離された私の影は現実の世界に戻り、自分が影だったことも忘れて…

鋼鉄紅女

シーラン・ジェイジャオ 訳・中原尚哉 早川書房 2023.5.25読書日:2023.8.25 (ネタバレあり。注意) 謎の異星人、渾沌(フンドゥン)からの攻撃を受けてから2000年後、地球人の国、華夏(ホワシア)は渾沌の亡骸を材料に戦闘機械・霊蛹機(れいようき)…

奇書の世界史 歴史を動かす“ヤバい書物”の物語

三崎律日 KADOKAWA 2019.8.23読書日:2023.8.23 ニコニコ動画で配信した「世界の奇書をゆっくり解説」をまとめた、世界の奇書に関する本。 副題の通り、歴史を動かした本から、これも奇書?というような本も含まれている。たとえばコペルニクスの「…

名著の予知能力

秋満吉彦 幻冬舎新書 2023.5.30読書日:2023.8.21 NHK Eテレの「100分de名著」のプロデューサーが、名著には現代に通じる視点があり、生きていくための参考になると主張するとともに、企画を進めていくためのコツのあれこれを述べた本。 「100分…

官僚制のユートピア テクノロジー、構造的愚かさ、リベラリズムの鉄則

デヴィッド・グレーバー 訳・酒井隆史 以文社 2017.12.10読書日:2023.8.17 たとえ規制緩和してもますます規制が増え、官僚が増える結果になるという「リベラリズムの鉄則」があり、いまや全面的官僚化の世界になってしまったが、このような官僚制を議論する…

逆張りの発想は不安の頂点に出現する

なぜか世の中では、不安の頂点で、逆の発想の話が出てくることがよくある。最近、へーと思ったのは次のような話。 (1)気候変動は制御可能な領域になってきたという話 日本を含め世界各地で、際限のない山火事、超大型の台風やハリケーン、過去に経験のな…

ルワンダでタイ料理屋をひらく

唐渡千紗 株式会社左右社 2021.3.28読書日:2023.8.9 自分には何の取り柄もないと思っていたシングルマザーがルワンダでタイ料理屋を開くことに決めて、悪戦苦闘する本。 「自転車に乗れるようになったら乗ろう、ではいつまでたっても自転車に乗れない」とい…

禁城 死の沈黙の武漢で、本当に起きたこと

ムロン・シュエツン 編・クライブ・ハミルトン 訳・森孝夫 飛鳥新社 2023.3.31読書日:2023.8.7 世界で最初にコロナのロックダウンを経験した武漢市民の体験談。 コロナでは世界中がロックダウンしたのだから、武漢の市民が体験した医療体制が崩壊し、マスク…

押井守の人生のツボ 2.0

押井守 構成・文/渡辺麻紀 株式会社東京ニュース通信社 2023.3.31読書日:2023.8.4 映画監督の押井守が、どうせ他人事だから、という立場で他人の人生相談にのる本。 まあ、いつものように、渡辺麻紀と押井守がだべっているだけの本なのですが(笑)。 お二…

天路の旅人

沢木耕太郎 新潮社 2022.10.25読書日:2023.8.3 第2次世界大戦末期に密偵として内モンゴルに潜入し、そのまま戦争が終わってもチベットやインドを放浪し、帰国後は「秘境西域八年の潜行」という本を出版した以外は、死ぬまで岩手県で美容関係の卸の仕事を坦…

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