押井守 構成・文/渡辺麻紀 株式会社東京ニュース通信社 2023.3.31
読書日:2023.8.4
映画監督の押井守が、どうせ他人事だから、という立場で他人の人生相談にのる本。
まあ、いつものように、渡辺麻紀と押井守がだべっているだけの本なのですが(笑)。
お二人によれば、映画を浴びるように観てきたひとは、人生相談なんかしないそうです。映画自体が人生の予習のようなものだから、だそうです。押井さんは、社会のすべてのことを映画で学んできたのだそう。
それもハリウッド映画がいいんだそうだ。なぜなら、ハリウッド映画はアメリカという移民国家を統合するという使命を背負っていて、価値観(イデオロギー)を表明することが求められているからだそうだ。そこがお涙頂戴で成り立っている日本映画とは違うんだという。
というように、ハリウッド映画を観てきた押井守が言うのは、いつものことですが、
・友だちはいらない。
・家族でもお互いを理解する必要はなく、バラバラでいい。
・他人にかまけるよりも自分を大切にしろ。
・世間の普通は気にするな。
・人生には嘘が必要で、だから芸術がある。
・なにかのオタクになれば、人生はあっという間。
と言ったことを言っています。
押井守は映画監督ですから、映画監督になりたい、という相談が当然きます。その答えは、やめときなさい、です。なぜなら、映画監督という職業は存在しないから。映画監督というのは生き方なんだそうです。映画監督には、iPhoneで映画を撮影してYouTubeにアップすれば、誰でも映画監督を名乗ってもいい。でも、職業にはならない(=収入にはならない)。
まあ、そうでしょうね。富野由悠季もアニメ業界に入りたいという相談には、甘すぎる、と言ってますからねえ。
★★★★☆