2022-01-01から1年間の記事一覧
「どうすれば日本人の賃金は上がるのか」で野口悠紀雄は日本人の賃金が上がらず、しかも最近の円安がその賃金の下落を加速しているとして嘆いているが、やっぱりわしは円安に賛成である。円安に賛成なことはここに書いた。 www.hetareyan.com バブル崩壊以降…
野口悠紀雄 日経BP 2022.9.8読書日:2022.11.17 日銀や政府のやっている通貨緩和政策は日本の安売りであり、賃金を上げるには一人あたりの創出する付加価値を上げる以外はないと主張する本。 野口悠紀雄はこれまでも日銀と政府の通貨緩和政策を非難してき…
ジェフリー・ミラー タッカー・マックス 監訳・橘玲 訳・寺田早紀 河合隼雄 SBクリエイティブ 読書日:2022.11.13 進化心理学者のミラーとモテ男のマックスが協力して、モテるためには進化心理学の知見に従うのが最強と主張する本。 原題は「MATE:What Wo…
リュック・ベッソン 訳・大林薫 辰巳出版 2022.6.25読書日:2022.11.15 フランスの映画監督リュック・ベッソンが孤独な少年時代を過ごしたあと、グラン・ブルーを発表して、ようやく何者かになるまでの自伝。 わしは社会人になりたての90年代、年末には地…
野村泰紀 講談社ブルーバックス 2022.4.20読書日:2022.11.6 カリフォルニア大学バークレー校教授の野村泰紀が、ビッグバンからマルチバース宇宙までを解説する本。 わしは現代宇宙論についての本をときどき読むことにしている。量子力学に加えて、わけがわ…
平野克己 朝日新聞出版社 2022.7.30読書日:2022.10.31 アフリカの人口増加率は1950年代から2%以上であり、世界のどの地域よりも高く、未曾有の人口膨張を続けており、21世紀の後半には人口の半分がアフリカ人になってしまい、人類はアフリカ化する…
ピーター・ポマランツェフ 訳・池田年穂 慶應義塾大学出版会 2018.4.25読書日:2022.11.5 2006年から2010年までロシアのテレビ局に勤めてドキュメンタリーを制作した著者が経験したロシアでのプロパガンダの実際を述べた本。 著者のピーターはロシア…
ジェイソン・シュライアー 訳・西野竜太郎 グローバリゼーションデザイン研究所 2022.6.20読書日:2022.10.30 アメリカのゲーム業界では、制作スタジオの誕生と破産が日常茶飯事で、ほとんどのゲーム制作者は2、3年に一度レオオフを経験しており、その不安…
押井守 東京ニュース通信社 2022.4.20読書日:2022.10.25 押井守が映画以外の70年間のサブカルチャーエンタメ遍歴を語る本。 押井守に映画を語らせるとむちゃくちゃ面白いのは分かっているが、それ以外のサブカルチャーにも耽溺しているから、こっちもむち…
福島香織 徳間書店 2022.6.30読書日:2022.10.23 習近平はなんら功績のない凡庸なリーダーで、その政策は失策ばかりであり、第22回党大会で3期目のトップの党書記になれないかもしれない、と主張する本。 これを読み始めたのは、ちょうど中国共産党の党大…
林真理子 講談社 2022.2.14読書日:2022.10.22 芸術家・田原桂一と梨園の妻であった博子の、出会ってしまった二人が激しい愛を貫いた実話。 うーん。どのへんが奇跡なのか読んでもよく分からなかった。 みなさんも人妻が夫以外の男を好きになって、夫と離婚…
小田嶋隆 ミシマ社 2022.8.30読書日:2022.10.20 2022年6月24日に亡くなったコラムニスト小田嶋隆の遺稿コラム集。 小田嶋隆が亡くなる直前、ミシマ社社長の三島邦弘さんに遺稿集を頼んだのだそうだ。その結果できたこの本は、日経ビジネスオンライン…
森達也 現代書館 2022.3読書日:2022.10.19 (ネタバレあり。注意) ドキュメンタリー映像作家が天皇をテーマにドキュメンタリーを企画するものの、当然天皇とは接触できずうまくいかないが、ある超自然的な現象で天皇、皇后と繋がりができて、一緒に皇居の…
マシュー・ボンゴルツ・ヘトリング 訳・上京恵 原書房 2022.3.1読書日:2022.10.15 リバタリアンたちが自分たちの理想郷を作ろうと、ニューハンプシャー州のグラフトンという町に移り住んだ顛末を描く本。 リバタリアンと言えば作家アイン・ランドである。ア…
伊藤潤一 ダイヤモンド社 2022.3.15読書日:2022.10.7 東大を卒業して20年以上ヘッジファンドのマネージャーをしていた著者が、東大の学生に頼まれてマネーについて教える金融研究会を開くとたちまち人気となった内容を書いたもので、人生の本質について考…
篠田謙一 中公新書 2022.2.25読書日:2022.10.6 発掘された人類(ホモ属)の骨のDNA解析からホモサピエンス(ヒト)の誕生、他のホモ属との交雑、出アフリカ後の移動の様子が分かるようになり、最新の情報について解説した本。 この本を読んでいるときに…
グレゴリー・J・クバー 訳・水谷淳 ダイヤモンド社 2022.5.31読書日:2022.10.3 ネコが空中でなんの支点もなしに回転できる理由を多くの科学者が解き明かそうと奮闘した数百年の歴史を振り返る本。 いちおう本を開く前に、自分でネコが空中で回転できること…
スティーブン・ピンカー 訳・橘明美 草思社 2022.7.15読書日:2022.10.2 アメリカ大統領がフェイクニュースを拡散するような民主主義の危機の時代に、人がどれだけ合理的になれるかを述べた本。 皆で合議すれば合理的な判断ができるという信念が民主主義の基…
マルレーヌ・ラリュエル 訳・浜由樹子 東京堂出版 2022.3.10読書日:2022.10.1 プーチン政権のロシアはファシズムでないと主張する本。 政治家に、ファシスト!、とレッテル貼りして非難する場合があるが、わしはこれは単なる悪口で、本当にファシストかどう…
アシュリー・ミアーズ 訳・松本裕 みすず書房 2022.1.17読書日:2022.9.28 超富裕層が集まるパーティーの世界がどんな構造になっているのか、社会学者が参与観察により明らかにした本。 訓練を受けた社会学者が実際にその世界に潜り込み、観察した結果を報告…
篠原匡 朝日新聞出版 2022.6.30読書日:2022.9.24 座間市では少しでも座間と関係ある人ならば相談されるとそれを断らず、外部のNPOとのネットワークを活用して支援するだけでなく、さらにいま相談がなくても支援が必要な人をあらかじめ探るアウトリーチを…
ニーアル・ファーガソン 訳・柴田裕之 東洋経済新報社 20220.6.2読書日:20220.9.23 人類が経験した大惨事のほとんどがパンデミックであり、大惨事はべき乗分布のロングテールに存在するので予測は不可能であり、我々ができるせめてもの目標は大惨事が起きて…
永野彰一 クロスメディア・パブリッシング 2022.2.1読書日:2022.9.19 普通の人には気が付かない独自の視点で投資を実践する著者が、その独自性をもっとも発揮している山投資について説明した本。 これはむちゃくちゃ面白かった。発想が普通とぜんぜん違う。…
水野和夫 東洋経済新潮社 2022.2.10読書日:2022.9.16 資本主義は蒐集のシステムであるが、金利がゼロ以下になったことでこの蒐集のシステムは崩壊しており、これ以上の生産、供給が必要なくなったことを示しているから、これから100年ほどをかけて次のシ…
井上章一 朝日新聞出版 2022.5.30読書日:2022.9.10 明治になって洋装が普及したものの下着はふんどしのままであり、戦後も1960年ぐらいまではふんどしが残っており、ふんどしはどうしてこんなに長く残ったのかを考察する本。 女性の下着のズロースが普…
村中直人 紀伊國屋書店 2022.2.17読書日:2022.9.9 叱らずにはいられないというのは依存症の一種で、病気であるから、<叱る>を手放さなければいけないと主張する本。 わしは人を叱るということが理解できない。めったに叱ることはないし、そもそも叱って何…
橘玲 PHP文庫 2022.4.1 (2019年に発売された本の文庫化)読書日:2022.9.8 日本社会の実体は前近代的な身分制社会で、イエ単位の戸籍制度、正社員と非正規社員の身分差別、ジェンダー差別などがあるが、今後はこのような差別的な身分制度は解体され…
チャールズ・C・マン 訳・布施由紀子 紀伊國屋書店 2022.3.24読書日:2022.9.6 科学技術を活用して危機を突破しようと主張する魔術師側の科学者と、地球の資源は有限だから人類の活動を抑制することが大切と主張する預言者側の科学者との闘いを描く本。 「お…
押井守 立東舎 2022.7.15読書日:2022.8.31 押井守が続編という縛りの中で映画について話す本。 押井守は独自の映画論を持っていて、それは自分の個人的な欲望を満たしつつ監督としてサバイバルする、という視点から得られたものなので、なかなか含蓄が深い…
水木しげる 筑摩書房 1977.10.25読書日:2022.8.30 漫画家水木しげるが境港での少年時代を振り返った自伝。 最近、NKHで水木しげる関連の番組が多く出ていて(日曜美術館やブラタモリなど。偶然? それともなにか意図があるのか?)、そういえばこの本を…