ヘタレ投資家ヘタレイヤンの読書録

個人投資家目線の読書録

中国

宇宙の果ての本屋 現代中華SF傑作選

立原透耶[編] 新紀元社 2023.12.13読書日:2024.1.19 (ネタバレあり。注意) 中華SFのマニア向けのアンソロジー15編。 やっぱり今1番面白いSFは中国かもしれない。読んでいて感心した。21世紀に入って大きく発展した中国の、科学に対する楽観的…

鋼鉄紅女

シーラン・ジェイジャオ 訳・中原尚哉 早川書房 2023.5.25読書日:2023.8.25 (ネタバレあり。注意) 謎の異星人、渾沌(フンドゥン)からの攻撃を受けてから2000年後、地球人の国、華夏(ホワシア)は渾沌の亡骸を材料に戦闘機械・霊蛹機(れいようき)…

禁城 死の沈黙の武漢で、本当に起きたこと

ムロン・シュエツン 編・クライブ・ハミルトン 訳・森孝夫 飛鳥新社 2023.3.31読書日:2023.8.7 世界で最初にコロナのロックダウンを経験した武漢市民の体験談。 コロナでは世界中がロックダウンしたのだから、武漢の市民が体験した医療体制が崩壊し、マスク…

天路の旅人

沢木耕太郎 新潮社 2022.10.25読書日:2023.8.3 第2次世界大戦末期に密偵として内モンゴルに潜入し、そのまま戦争が終わってもチベットやインドを放浪し、帰国後は「秘境西域八年の潜行」という本を出版した以外は、死ぬまで岩手県で美容関係の卸の仕事を坦…

中国の嫌がらせと岸田政権

福島原子力発電所の処理水の放出に対して中国が反発し、水産物を全面的に禁輸した。それに加えて中国から日本の原子力と関係のない施設に対して、6000件以上の嫌がらせ電話が届くようになった。 これに対して、わしが思ったことをここに記しておこうと思…

私が陥った中国バブルの罠 レッド・ルーレット 中国の富・権力・腐敗・報復の内幕

デズモンド・シャム 訳・神月謙一 草思社 2022.9.5読書日:2023.3.17 2000年代に中国で総理だった温家宝の一族に接近し、その伝手を利用して新富豪になったデズモンド・シャムとその元妻ホイットニー・デュアンだったが、習近平の腐敗一層キャンペーンの…

人口大逆転 高齢化、インフレの再来、不平等の縮小

チャールズ・グッドハート マノジ・プラダン 訳・澁谷浩 日本経済新聞社 2022.5.19読書日:2023.1.31 今後は世界の労働年齢人口が減少するというこれまでと逆転する局面になり、労働力不足から供給が減ってインフレが起こる一方、労働力が貴重になり労働者の…

習近平最後の戦い ゼロコロナ、錯綜する経済ーー失策続きの権力者

福島香織 徳間書店 2022.6.30読書日:2022.10.23 習近平はなんら功績のない凡庸なリーダーで、その政策は失策ばかりであり、第22回党大会で3期目のトップの党書記になれないかもしれない、と主張する本。 これを読み始めたのは、ちょうど中国共産党の党大…

中国経済の謎 なぜバブルは弾けないのか?

トーマス・オーリック 訳・藤原朝子 ダイヤモンド社 2022.3.29読書日:2022.7.5 何度も崩壊すると言われながら中国経済が崩壊しなかったのは、中国共産党が過去の世界経済を反面教師とした柔軟で独創的とも言える対応をしたことだったとし、一方、今後もその…

中国キングソフトがWPS Officeで書いた私的文書を無断検閲

今日(2022.7.16)、なんとなくスマホでニュースを見ていたら、とんでもないニュースが飛び込んできて目を疑いました。 表題の通り、中国キングソフトが出してるなんちゃってMS Officeという位置づけのWPS Officeですが、なんとNGワードが含まれているとアク…

「ジャック・アタリの未来予測」で描かれたウクライナ危機

2017年出版の「2030年 ジャック・アタリの未来予測 不確実な世の中をサバイブせよ」では2030年までに起こり得るさまざまなリスクを列挙しています。 このなかには、例えば未知のウイルスによるパンデミックのリスクについても記載されており、コ…

SWIFTからの追放は中国に効果があるのか?

ロシアのウクライナへの侵攻は、予想以上に西側諸国の結束が高く、ついにロシアの銀行をSWIFTから締め出すことに成功しました。しかし、これがどのくらいの効果があるのでしょうか。そして何より気になる、中国に台湾への侵攻を思い止まらせる効果があるので…

想定外 アフターコロナは戦争の時代?

世界に非常に大きな影響を与えたコロナが、やっと”終わりの始まり”の様相を呈してきて、次はどんな時代だろうとみなが思っていたとき、ロシアのウクライナ侵攻で、にわかに戦争がクローズアップされています。 これに対して、アメリカ、ヨーロッパは反発して…

日本人が知らない軍事学の常識

兵頭二十八 草思社 2012.3.26読書日:2022.1.10 押井守が愛読している人らしいので、とりあえず良さげなものを選んでみた。2012年の出版と10年前であり情報は古いが、しかしそこに書かれていることが正しかったかどうかを判断するにはちょうどいいかも…

裏切りと陰謀の中国共産党建党100年秘史 習近平 父を破滅させた鄧小平への復讐

遠藤誉 ビジネス社 2021.4.1読書日:2021.12.22 遠藤誉が、鄧小平がいかに陰謀にまみれた政治家であり、多数のライバルを陥れてその成果を横取りしたかを記し、習近平の父親、習仲勲(しゅうちゅうくん)もその犠牲になり、習近平はいまトップとなって鄧小平…

オードリー・タン デジタルとAIの未来を語る

オードリー・タン プレジデント社 2020.11.29読書日:2021.5.9 まだ30代という若さで台湾のデジタル担当政務委員に就任し、台湾のコロナ・パンデミックを抑え込んだ立役者であるオードリー・タンが、プレジデント社のインタビューに応え、民主主義とAIの…

超訳 易経 陰 −坤為地(こんいち)ほかー

竹村亞希子 新泉社 2020.10.2読書日:2021.5.1 易経は社会や個人や組織などが変化していくものごとの循環を表しており、いまが易経の循環のどこに当たたるかを考えることでそのときの対処法がわかると主張し、易経を現在の社会に照らし合わせて解説した本。 …

げんきな日本論

橋爪大三郎 大澤真幸 講談社現代新書 2016.11.1読書日:2021.4.1 二人の社会学者が日本の歴史を振り返って、日本の社会構造がどのように構成されてきたのかを議論する本。 じつは横浜市立図書館の図書カードを持っているのですが、なんと横浜市立図書館は2…

ランド 世界を支配した研究所

アレックス・アベラ 訳・牧野洋 文藝春秋 2008年10月29日読書日:2009年04月19日 出てくる人物や書かれているそれぞれのアイテムにそれほどの驚きはない。それはすでによく知られていることだから。しかし、このよく知られているこれらのことが全てあるひと…

2030年 ジャック・アタリの未来予測 不確実な世の中をサバイブせよ!

ジャック・アタリ 訳・林昌宏 プレジデント社 2017.8.15読書日:2021.1.6 フランスのジャック・アタリが、このまま何もしないと2030年までに起きることを予測し、読者に立ち上がることを求める本。 ジャック・アタリの本は実は初めて読んだ。日本に住ん…

中村元選集 決定版 第2巻 東洋人の思惟方法 / シナ人の思惟方法

中村元 春秋社 1988.12.8読書日:2021.1.4 中村元が述べる東洋人の思惟方法については、第3巻の日本人の思惟方法について、すでに読んでいる。このとき、あまりに納得性が高かったので、シナ人の思惟方法についても今回読んでみようと思った次第。 ただ、日…

コロナ大戦争でついに自滅する習近平

福島香織 徳間書店 2020.5.31読書日:2020.10.25 中国関連のスタージャーナリストである福島香織がコロナ・パンデミックはコロナ大戦争といっていい状況であり、習近平はグラスノスチを行わざるを得ず、これにより中国共産党は自滅する、と主張する本。 なに…

石光真清の手記

石光 真清, 石光 真人 中央公論社 1988読書日:2010年01月25日 あるサイトで石光真清のことを知り、図書館で手記を取り寄せたら、その分厚さに卒倒した。何しろ、1200ページぐらいあるのだ。文庫版で4分冊のものもあるので、そちらにすればよかったか。…

自由の命運 国家、社会、そして狭い回廊

ダロン・アセモグル、ジェイムズ・A・ロビンソン 訳・櫻井祐子 早川書房 2020.1.25読書日:2020.6.20 人が自由であるためには、国家と社会がお互いに牽制し合ってバランスを取った状態でなければならず、そのバランスを取った状態に入ることも、持続させる…

新型コロナウイルスの影響をどう見るか(4)

新型コロナウイルスは日本ではまだ蔓延中であるが、世界的には収束の方向が見えてきて、経済活動の再開を模索する動きである。 そういうわけで、AC(アフターコロナ)の世界がどうなるかということが議論されるようになってきた。ACの世界はBC(ビフォ…

荒潮

陳楸帆(チェン・チウファン、スタンリー・チェン) 中原尚哉・訳 早川書房 2020.1.20読書日:2020.2.26 (ネタばれあり。注意) 前にも言ったが、そもそも小説はあまり読まないし、ましてやSFはほとんど読まない。だが最近、中国のSFにはまりつつあるよ…

中国の大プロパガンダ 恐るべき「大外宣」の実態

何清漣(かせいれん) 訳・福島香織 芙蓉社 2019.10.30読書日:2020.2.22 中国が金にものを言わせて、マスコミを通じて外国に対して大がかりな宣伝活動を繰り広げている実態を告発した本。台湾で出版されたものを、中国関係のスター記者である福島香織が翻訳…

人生の勝算

前田裕二 幻冬舎 2019.5読書日:2019.11.8 SHOWROOMというライブアプリの会社を立ち上げた若き経営者が、自分の壮絶な人生を振り返りつつ、自分の思いを語る本。 前田裕二さんの恋人は石原さとみなんだそうだ。あら、そうなの?(笑)。彼女はいい役者さんだ…

ファーウェイは生き残れるのか

アメリカ政府がアメリカ製品の輸出規制のリストにファーウェイを加えた、というニュースが2019年5月15日に伝えられた。 わしからみて、ファーウェイって、中国の企業のなかでは共産党にあまり頼らず頑張ってきた(というか冷遇されてきた)企業というイメー…

「中国製造2025」の衝撃 習近平はいま何を目論んでいるのか

遠藤誉 PHP研究所 2018年12月22日読書日:2019年5月23日 遠藤誉の本は中国関連本の中でも独特な地位を築いていると思う。それは彼女が自分の頭の中で考えながら、試行錯誤で情報を集めているからだ。足でも稼ぐし、ネットなどの公開情報の収集にしても、そこ…

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