政治
ムロン・シュエツン 編・クライブ・ハミルトン 訳・森孝夫 飛鳥新社 2023.3.31読書日:2023.8.7 世界で最初にコロナのロックダウンを経験した武漢市民の体験談。 コロナでは世界中がロックダウンしたのだから、武漢の市民が体験した医療体制が崩壊し、マスク…
バーバラ・F・ウォルター 東洋経済新報社 2023.4.6読書日:2023.7.15 独裁政治と民主主義の間には中間のアノクラシーという状態があり、アノクラシーの状態が一番危険で内戦に陥る可能性が高く、アメリカはいまアノクラシーに入ってしまった状態だと主張する…
カール・エリック・フィッシャー 監修・松本俊彦 訳・小田嶋由美子 みすず書房 2023.4.10読書日:2023.7.6 本人のアルコール依存症との戦いを交えて、アメリカの依存症対策の歴史を述べた本。 なんかアメリカの政策って極端すぎる気がする。アルコールについ…
秦正樹 中公新書 2022.10.25読書日:2023.5.2 陰謀論は外国だけではなく日本でも問題であり、何らかの信条を持っている人ほど陰謀論に陥りやすいことを、ネトウヨ出身の社会学者がデータにより明らかにした本。 陰謀論が恐るべき破壊力を持つということをま…
エリオット・ヒギンズ 訳・安原和見 筑摩書房読書日:2023.4.27 インターネットなどの公開された情報をもとに調査を行うオープンソース調査の手法を開拓したエリオット・ヒギンズが、ベリングキャットを設立し、パソコンとネットを武器にして国家などの巨大…
デズモンド・シャム 訳・神月謙一 草思社 2022.9.5読書日:2023.3.17 2000年代に中国で総理だった温家宝の一族に接近し、その伝手を利用して新富豪になったデズモンド・シャムとその元妻ホイットニー・デュアンだったが、習近平の腐敗一層キャンペーンの…
モニーク・ヴィラ 訳・山岡万里子 英治出版 2022.12.20読書日:2023.3.14 現代の奴隷は麻薬や負債で被害者を抵抗できなくして売春や労働を強制するもので、昔の奴隷と異なり使い捨てのローリスク・ハイリターンのビジネスであり、さらに身近で行われているの…
國分良成(第9代防衛大学校長) 中央公論社 2022.8.10読書日:2022.12.1 日本唯一の士官学校、防衛大学校第9代校長の國分が、大好きになった防衛大学校を語りつくす本。 中国の拡張主義や北朝鮮のミサイル、そしてウクライナ戦争以降、日本でも防衛というも…
ピーター・ポマランツェフ 訳・池田年穂 慶應義塾大学出版会 2018.4.25読書日:2022.11.5 2006年から2010年までロシアのテレビ局に勤めてドキュメンタリーを制作した著者が経験したロシアでのプロパガンダの実際を述べた本。 著者のピーターはロシア…
福島香織 徳間書店 2022.6.30読書日:2022.10.23 習近平はなんら功績のない凡庸なリーダーで、その政策は失策ばかりであり、第22回党大会で3期目のトップの党書記になれないかもしれない、と主張する本。 これを読み始めたのは、ちょうど中国共産党の党大…
篠原匡 朝日新聞出版 2022.6.30読書日:2022.9.24 座間市では少しでも座間と関係ある人ならば相談されるとそれを断らず、外部のNPOとのネットワークを活用して支援するだけでなく、さらにいま相談がなくても支援が必要な人をあらかじめ探るアウトリーチを…
堤未果 NHK出版新書 2021.8.30読書日:2022.8.19 日本の大切なデジタル情報資産が外国に無償で提供され、このままいけば国家主権さえも外国のものになってしまうと主張する本。 わしはテクノロジーOKの人間であるから、GAFAMが邪悪だという議論に…
ウィリアム・H・マクレイヴン 訳・伏見威蕃 早川書房 2021.10.25読書日:2022.6.20 (ネタバレあり。注意) アメリカ軍、特殊作戦部隊のトップに上りつめたマクレイヴンが、自分の人生に起きたトピックスを振り返る本。 マクレイヴンはネイビーシールズ出身…
渡辺努 講談社 2021.1.11読書日:2022.4.22 物価は経済学の基礎概念にもかかわらず、その計測方法から、何が物価を動かすか、物価に対して何ができるのか、など今も未知な部分が多く、現在の経済学が到達している地点について解説してくれる本。 著者はかつ…
「世界を貧困に導くウォール街を超える悪魔」を読んでわかったのは、結局のところ、例外の場所や制度を利用して、税金を納めることなしに利益を搾り取って行く金融産業の姿だった。 これを読んでわしが思い出したのが、フリーポート(保税倉庫)と呼ばれる、…
ニコラス・ジャクソン 訳・平田光美、平田完一郎 ダイヤモンド社 2021.11.2読書日:2022.3.20 金融業が国の経済の中心になると、国民になんの利益ももたらさず、かえってその国の経済を衰退させ、国民を貧困に陥れると主張する本。 この本で書かれているのは…
ロシアのウクライナへの侵攻は、予想以上に西側諸国の結束が高く、ついにロシアの銀行をSWIFTから締め出すことに成功しました。しかし、これがどのくらいの効果があるのでしょうか。そして何より気になる、中国に台湾への侵攻を思い止まらせる効果があるので…
兵頭二十八 草思社 2012.3.26読書日:2022.1.10 押井守が愛読している人らしいので、とりあえず良さげなものを選んでみた。2012年の出版と10年前であり情報は古いが、しかしそこに書かれていることが正しかったかどうかを判断するにはちょうどいいかも…
ブレイディみかこ 新潮社 2019.6.20読書日:2022.1.7 中学生になった息子を中心に、イギリスの地方都市ブライトンの労働者階級の日常を描いたエッセイ。 これは面白かった。イギリス労働者階級の日常なんてなかなかリアルに表現されることはないのだが、実際…
山田敏弘 新潮社 2021.9.15読書日:2022.1.4 日本で病院の外で亡くなった異状死、約17万件のうち死体解剖が行われるのは11.5%に過ぎず、ほとんどの異状死は原因の究明がなされないまま放置されている上に、独立した死因究明組織はなく、警察が主導権…
橘玲 小学館新書 2021.8.3読書日:2021.12.26 リベラルが目指す社会はメリトクラシー(能力主義)の社会であり、能力がない人は収入も結婚もできず、悲惨なディストピアを生きなければならず、その根本の解決策はないと主張する本。 サンデルの「実力も運の…
遠藤誉 ビジネス社 2021.4.1読書日:2021.12.22 遠藤誉が、鄧小平がいかに陰謀にまみれた政治家であり、多数のライバルを陥れてその成果を横取りしたかを記し、習近平の父親、習仲勲(しゅうちゅうくん)もその犠牲になり、習近平はいまトップとなって鄧小平…
ジャック・アタリ 訳・林昌宏 プレジデント社 2021.9.16読書日:2021.12.16 ジャック・アタリが、過去にメディアに起こったことは未来でも同じことが起こるに違いないから、このままテクノロジーが進むと恐るべき未来が訪れる可能性があるとし、いますぐ行動…
マルクス・ガブリエル インタビュー・大野和基 訳・高田亜樹 PHP新書 2021.3.30読書日:2021.12.9 哲学者マルクス・ガブリエルがコロナ後に資本主義は倫理資本主義に向かうと主張する本。 資本主義は倫理を取り入れなければならないということをいろんな…
ショシャナ・ズボフ 訳・野中香方子(きょうこ) 東洋経済新報社 2021.7.8読書日:2021.11.28 現代の巨大IT企業(主にグーグル、フェイスブック)は人間の情報をすべて集めてそこから利益をとるだけでなく、精神すらもコントロールしようとする邪悪な存在…
野口悠紀雄 日本経済新聞社 2021.6.18読書日:2021.8.13 日本のデジタル化が進まないのは、日本の組織構造にあり、意識を変えない限り不可能と主張する本。 野口悠紀雄はわしの敬愛する経済学者で、仕事の生産性をあげようという意欲に溢れた人でもある。彼…
虎尾達哉 中公新書 2021.3.25読書日:2021.7.11 日本の官僚は勤勉で長時間労働も厭わない印象があるが、古代の日本ではそうではなかったと立証する本。 日本では律令国家になってからの式部省(いまの人事)の文書が多数残されていて、そこには官人(律令時…
ジェイムズ・クラブツリー 訳・笠井亮平 白水社 2020.9.10読書日:2020.5.29 いまのインドの発展段階はアメリカの金ぴか時代(19世紀後半)の段階にあり、経済発展により大富豪が誕生する一方、政治との癒着により腐敗が蔓延しており、インドが次の発展段…
オードリー・タン プレジデント社 2020.11.29読書日:2021.5.9 まだ30代という若さで台湾のデジタル担当政務委員に就任し、台湾のコロナ・パンデミックを抑え込んだ立役者であるオードリー・タンが、プレジデント社のインタビューに応え、民主主義とAIの…
井上智洋 光文社新書 2018年4月17日読書日:2018年07月30日 ベーシックインカムについて、総括的に学べる良書。単にベーシックインカムについて説明しているだけでなく、貨幣制度に与える影響、政治的な位置関係について説明しており、この点が新しい。 貨幣…