哲学
田坂広志 光文社 2022.10.19読書日:2024.12.27 宇宙のすべての情報は量子真空の「ゼロ・ポイント・フィールド」にホログラム的に記録され、人は死んでも情報として生きているから、死は存在しない、と主張する本。 (ホリエモンの本がすぐに読み終わったの…
戸谷洋志 講談社 2024.8.20読書日:2024.12.16 新自由主義の「自己責任論」を全面的に採用することは論理的に問題があるだけでなく、有害でもあり、人は一人で生きていけない以上、他の人に頼る局面が必ずあり、人に頼ることを前提とする「弱い責任論」で補…
白取春彦 三笠書房 2024.9.10読書日:2024.12.1 古今東西の哲学者たちの発想を100個集めたもの。 日本の秀才たちの人って本当に優秀だと思う。海外の思想なんかの難しい話をものすごくうまくまとめてくれるのだ。でも逆に自分のオリジナルのことを言って…
加藤節 岩波書店 2018.5.22読書日:2024.10.6 ジョン・ロックは私有財産を主張して資本主義の流れを決定づけた印象があるが、本人は敬虔なキリスト教徒で、すべては神の意思を人間の法に適応しようとした結果であり、ロックは宗教哲学者であると主張する本。…
橘玲 文藝春秋 2024.3.20読書日:2024.9.17 シリコンバレーなどにいるテクノオタクたちの多くは、自由をもっとも価値が高いと考えるリバタリアンで、あり得ないほどの財力とテクノロジーの力を使って、世の中を変えようとしていることを報告した本。 リバタ…
福田歓一 岩波書店 2012.6.15読書日:2024.7.31 哲学者ジャンージャック=ルソーの生涯、文筆活動、思想の全体像を述べた入門書。 わしはルソー嫌いを公言していて、それは高校のころに初めてルソーを読んだときからであるから筋金入りなのである(笑)。 ど…
小熊英二 講談社 2019.8.1読書日:2023.12.19 デモなどの社会運動が好みという社会科学者の小熊英二が、ギリシャ時代からの哲学を振り返り、運動をして本当に社会が変わるのか、ということを述べた本。 日本の学者ってものすごく頭が良いと思う。教養や学術…
岸見一郎 講談社 2020.3.1読書日:2023.12.12 人は何もしなくても生きているだけで価値があり、今をありのままで生きることで幸福になれると主張する本。 生きているだけで価値があるとはどういうことだろうか。そんなこと説明できるんだろうか。 まずは赤ち…
「言語哲学がはじまる」を読んでいろいろ思うところがあったので、それを書いておこうと思う。 わしは哲学者でもないし、脳科学者でも機械学習のエンジニアでもないけど、両者はかぶるところもあるし、ちょっと違うところもあるようにも思った。それでその辺…
野矢茂樹 岩波新書 2023.10.20読書日:2023.11.20 19世紀末から20世紀にかけて、フレーゲ、ラッセル、ヴィトゲンシュタインらがたどった言語哲学の潮流について、著者の考えを述べた本。 言語とは不思議である。人は初めて聞いた(読んだ)文でもその内…
新谷大輔 講談社現代新書 2019.9.1読書日:2023.10.11 近代の歴史を、ロック的なもの(自由)とルソー的なもの(平等)で読み解けば理解ができ、どちらにもとらわれない資本主義の次の時代も見えてくると主張する本。 本の中でも述べられているが、この2つ…
ビル・パーキンス 訳・児島修 ダイヤモンド社 2020.9.29読書日:2023.6.28 人生でいちばん大切なのは経験であり、死ぬときにたくさんの思い出があることが重要で、すべてのお金はこうした経験に変えた方が良いと主張する本。 最初に著者のビルが働き始めた2…
バートランド・ラッセル 訳・堀秀彦、柿村峻 平凡社 2009.8.10読書日:2023.4.7 人類の生産性はすでに十分高いから、一日の労働時間は4時間で十分で、余った時間を有効に使えば豊かで幸福な人生を送れると主張する本。 まあ、実質1日2時間ほどしか働いて…
柄谷行人 岩波書店 2022.10.5読書日:2023.3.8 人類の歴史はその交換様式で区別でき、そのスタイルは4つしかなく、いまは商品や権力に関連した交換様式が強いが、将来は個人に関係した交換様式の世界になると主張する本。 最初はそれがどうしたという感じで…
飲茶 ダイヤモンド社 2019.6.19読書日:2022.7.6 小説仕立てで、正義とはなにか、善い人生とはなにかについて哲学の全体像を語ってくれる本。 うーん、これはとてもわかりやすい。どんな哲学の本を読むよりも、この本を読む方が哲学の全体像を把握できるんじ…
上田啓太 河出書房新社 2022.4.30読書日:2022.6.30 仕事を辞めて、友人宅の物置に転がり込んだまま、2000日をそこで過ごした著者が、自分がやったことや至った心境などについて語った本。 著者の上田さんは大学三年のときに今後の進路を悩んだ末に、大…
横尾忠則 文藝春秋 2022.3.25読書日:2022.6.30 画家の横尾忠則が死者の集う「原郷の森」にアブダクト(拉致)され、そこで過去の画家、文学者など歴史上の彼が話したい人と自由に議論した内容を記録した本。 横尾忠則のことはあまり良く知らないが、わしは…
アダム・ベッカー 訳・吉田三知世 筑摩書房 2021.8.30読書日:2022.6.24 量子力学の観測問題と量子もつれに関するこれまでの進展と現状を報告し、物理学における実在について考察した本。 わしは学校で新しいことを習うと、さっそく躓くという経験をする人間…
スティーヴン・ケイヴ 訳・柴田裕之 日経BP 2021.12.13読書日:2022.6.9 人間の文化は「不死」への探求の結果生じたと主張し、不死にいたる4つのシナリオを検討し、そのどれもが満足できるものではなく、今を生きることに集中する第5のシナリオを勧める…
カルロ・ロヴェッリ 訳・富永星 NHK出版 2019.8.30読書日:2022.4.26 イタリアの物理学者カルロ・ロヴェッリが、時間は存在しないというループ量子重力理論の結論を報告する衝撃の書。 読んでいると、頭がくらくらしてきた。ロヴェッリの描く時間の世界は…
情報文化研究所(山崎咲紀子/宮代こずゑ/菊池由希子) 監修・高橋昌一郎 フォレスト出版 2021.4.26読書日:2022.4.12 いろいろな認知バイアスを論理学、認知科学、社会心理学から20ずつ全部で60を集めて解説した本。 事典ということになっているが、最…
ノリーナ・ハーツ 訳・藤原朝子 ダイヤモンド社 2021.7.13読書日:2022.3.1 人類史上例のない規模で「孤独」が広がっており、人々の健康に影響を与えるだけでなく、なにより民主主義の根幹を揺るがしており、コミュニティを生み出すインフラへの投資を行わな…
ルトガー・ブレグマン 訳・野中香方子(きょうこ) 文藝春秋 2021.7.30読書日:2022.1.20 オランダの革新的なジャーナリズムプラットフォーム「デ・コレスポンデント」の創設者のひとりである歴史家、ジャーナリストのブレグマンが、人類は基本的に善である…
富野由悠季 徳間書店 2010.2.28(kindle版は2014.10.1)読書日:2022.1.3 ガンダムの監督、富野由悠季が雑誌のアニメージュで連載している人生相談を単行本化したもの。 お正月、暇なもので、dマガジンでふだん読まない雑誌をいろいろ読んでいたら、アニメ…
ジョセフ・ヒース アンドルー・ポター 訳・栗原百代 早川書房2021.10.10(オリジナルは2014年、原著は2004年発行)読書日2022.1.2 1950年代に誕生したカウンターカルチャーは、政治的な反体制に結びつかず、単に文化的な差異として吸収され、その差異が…
中野善壽(なかのよしひさ) ディスカヴァー・トゥエンティワン 2020.4.20読書日:2021.12.10 元・寺田倉庫CEOで新しい倉庫業スタイルを築き、天王洲アイルを一変させた功労者である中野善壽の人生観、ビジネス感を短い言葉で述べた本。 アジアの富裕層向…
マルクス・ガブリエル インタビュー・大野和基 訳・高田亜樹 PHP新書 2021.3.30読書日:2021.12.9 哲学者マルクス・ガブリエルがコロナ後に資本主義は倫理資本主義に向かうと主張する本。 資本主義は倫理を取り入れなければならないということをいろんな…
斎藤幸平 集英社新書 2020.9.22読書日:2021.12.02 地球規模の環境破壊、温暖化は資本主義の失敗であり、これを解決するにはコモンズの考えに根ざした新しいコミュニズムが必要と主張する本。 マルクスの資本論は第1巻が発刊されたあと、続巻がなかなか発刊…
ショシャナ・ズボフ 訳・野中香方子(きょうこ) 東洋経済新報社 2021.7.8読書日:2021.11.28 現代の巨大IT企業(主にグーグル、フェイスブック)は人間の情報をすべて集めてそこから利益をとるだけでなく、精神すらもコントロールしようとする邪悪な存在…
佐藤航陽(かつあき)ディスカヴァー・トゥエンティワン 2015.8.30読書日:2021.11.21 メタップスの創業者の佐藤航陽が、未来は一定のパターンで変化すると主張し、意思決定するにはこのパターンにあっているかどうかで思考し、その意思決定を実行に移すとき…