ヘタレ投資家ヘタレイヤンの読書録

個人投資家目線の読書録

DIE WITH ZERO 人生が豊かになりすぎる究極のルール

ビル・パーキンス 訳・児島修 ダイヤモンド社 2020.9.29
読書日:2023.6.28

人生でいちばん大切なのは経験であり、死ぬときにたくさんの思い出があることが重要で、すべてのお金はこうした経験に変えた方が良いと主張する本。

最初に著者のビルが働き始めた20代の頃の経験が出てくる。まだ安い給料で働いていた頃、ルームシェアをしていたジェイソンがある時、休暇を取ってヨーロッパへ行く決心をする。お金はなかったので、1万ドルの借金までした。著者には信じられないことだった。もし旅行をするのなら、お金を貯めてから行くべきだと思ったからだ。

しかし、旅行から帰ってきたジェイソンの話を聞いて羨ましくなる。彼はヨーロッパ中を貧乏旅行しながらいろんな体験をしたことを話してくれた。それにはギリシャの海辺で初めて外でセックスしたことや、フランスのパリの公園でフランスパンとチーズの簡単な食事をしているとき生きていると実感したことなどだった。

ところが、30歳になったときジェイソンはたくさんのお金を稼ぐようになり、そしてもうあんな貧乏旅行はできない、と言ったのだそうだ。あれは20代だからできたことなのだ。

問題はここだ。お金を稼ぐときとそれを使うときのタイミングのズレの問題だ。

ほとんどの人はなにかしたいことがあっても、お金を稼いでからそれを行おうとする。ところが、そうやってお金を稼いでいるうちに、それを経験に変えるタイミングをなくしてしまうのだ。そして歳をとって、何もできなくなってから、やっておけばよかったと後悔することになる。だいたいやろうとする時期は遅すぎるという結果になる。

なので、なにかやろうと思ったらなるべく早いほうがいい、と著者は主張する。お金を子供に残そうと思っても、自分が死んでから遺産としてあげるよりも、子供がいちばんお金に困っているとき(若くて、結婚したてや子供が生まれたころ)に遺産をあげた方が、よほどありがたいはずだという。

ともかく、歳を取って引退してから始めようとは思わないこと。しかも、歳を取ってから必要なお金は、たいてい思っていたよりもずっと少ないのだという。なぜなら歳をとってしまうと消費意欲は著しく少なくなるからだ。しかも財産をもっているとその運用利益も入ってくるので、なかなか財産は減らないのだという。

死にかけてから急いで「死ぬまでにやることリスト」を作っても、もう遅いのだ。死ぬまでに必要な最低限のお金を作ったら、残りはすぐに使ってしまったほうがいいのだと著者は主張するのである。

うーん、全く同感だ。わしもそうありたい。

わしもやりたいことをしよう。どうも最近、趣味のはずの投資を真面目にやっていなかったようだ。さっそく投資を再開して、ガンガン投資をして稼がなくっちゃ・・・あれ?(笑)

(追伸)
振り返ってみると、けっこう、わしは自分のやりたいことをやってきたんじゃないかって気がする。

20代の頃は、高いバイクを買って日本中を旅したし、30代の頃はミュージカルにはまって1年に100〜200万円を使っていたな。なにしろ世界中に観に行ってたからなあ。まあ、この場合も、限界はお金ではなくて、時間だったんだけど。

というわけで、平日もフレックスを使って早く帰って遊びに行っていたし、有休も使いまくりだった。

しかし結婚してからはそんなふうにお金をつかうこともなくなった。だって子供のほうが楽しかったから(笑)。膨大な時間を子供と遊ぶのに使った。

でもまあ、わしの上司だったIさんには負けるかな。彼は夏休みになると、家族をほったらかしにして、世界のあちこちに遊びに行っていたのだ。とは言っても、豪華な旅行ではなくて、世界の辺境の貧乏旅行だ。2000年代には、中国の奥地にふらりと旅行に行って、現地の怪しげなお菓子をお土産にくれたこともある。そのころは50代だったんじゃないの? うーん、すごすぎる。

わしもあの頃の、開放的だった中国へ行ってみたかったな。子供が生まれたので、世話をしなくてはいけなかったから、無理だったんだけど。(それはとても楽しかったので後悔していないけど)。そしていまの中国へは恐すぎて、とても行けません。人生のタイミングだけでなく、外国旅行にも国際情勢というタイミングがあるのです。

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