科学
スチュアート・リッチー 訳・矢羽野薫 ダイヤモンド社 2024.1.30読書日:2024.8.16 科学の世界で再現性のない実験が多くなり、科学が危機を迎えていることを訴える本。 Science Fictionsという題がついているが、小説のSFのことではない。科学がフィクショ…
竹内繁樹 講談社 20052.20読書日:2024.4.23 量子コンピュータの計算の仕組みを解説した本。 量子力学関係の話って人間の普通の感覚に反する現象が起きるから、一度分かったつもりになってもすぐにまた分からなくなる。それでまた本を読むことになる。 わし…
ジョージ・ダイソン 監訳・服部桂 訳・橋本大也 早川書房 2023.5.20読書日:2023.10.7 ライプニッツの唱えたデジタルの世界が現在あふれているが、今後はアナログの世界が復権するという主張をする目論見に無理やり自分の体験を組み込んだ本。 デジタルから…
ニック・チェイター 訳・高橋達二、長谷川珈 講談社 2022.7.14読書日:2023.5.8 脳はその場限りの即興で物事を判断し、意味を作り出して意識に送るということを延々と行っており、意識には無意識といった深層構造は存在しないと主張する本。 たぶんここに書…
野村泰紀 講談社ブルーバックス 2022.4.20読書日:2022.11.6 カリフォルニア大学バークレー校教授の野村泰紀が、ビッグバンからマルチバース宇宙までを解説する本。 わしは現代宇宙論についての本をときどき読むことにしている。量子力学に加えて、わけがわ…
グレゴリー・J・クバー 訳・水谷淳 ダイヤモンド社 2022.5.31読書日:2022.10.3 ネコが空中でなんの支点もなしに回転できる理由を多くの科学者が解き明かそうと奮闘した数百年の歴史を振り返る本。 いちおう本を開く前に、自分でネコが空中で回転できること…
チャールズ・C・マン 訳・布施由紀子 紀伊國屋書店 2022.3.24読書日:2022.9.6 科学技術を活用して危機を突破しようと主張する魔術師側の科学者と、地球の資源は有限だから人類の活動を抑制することが大切と主張する預言者側の科学者との闘いを描く本。 「お…
カルロ・ロヴェッリ 訳・富永星 NHK出版 2021.10.30読書日:2022.7.18 イタリアのループ量子力学の研究者、カルロ・ロヴェッリが量子力学の本質について述べた本。 カルロ・ロヴェッリの「時間は存在しない」はわしに大変感銘を与えた。というわけで、こ…
アダム・ベッカー 訳・吉田三知世 筑摩書房 2021.8.30読書日:2022.6.24 量子力学の観測問題と量子もつれに関するこれまでの進展と現状を報告し、物理学における実在について考察した本。 わしは学校で新しいことを習うと、さっそく躓くという経験をする人間…
ヤン・ルカン 訳・小川浩一 監訳・松尾豊 講談社 2021.10.21読書日:2022.6.4 畳み込みのルカンと呼ばれるディープラーニングの第一人者が、ディープラーニングのたどってきた道、その原理、そしてAIの未来について、自分自身の研究の軌跡を振り返りつつ語…
カルロ・ロヴェッリ 訳・富永星 NHK出版 2019.8.30読書日:2022.4.26 イタリアの物理学者カルロ・ロヴェッリが、時間は存在しないというループ量子重力理論の結論を報告する衝撃の書。 読んでいると、頭がくらくらしてきた。ロヴェッリの描く時間の世界は…
いや、めでたいです。 ついこのまえ気がついたんですが、いつの間にか日経サイエンスが電子化されていました。アマゾン他の電子書籍に対応しています。 科学系の雑誌の中で読むに値するのは日経サイエンスぐらいですね。昔はけっこういろんな科学雑誌はあっ…
ピーター・スコット・モーガン 訳・藤田美菜子 東洋経済新報社 2021.7.8読書日:2021.11.20 運動ニューロン疾患(ALS)と診断された著者が、自らをサイボーグ化することによって、究極の自由が得られると主張する本。 ALSにテクノロジーで勝つというの…
今井眞一郎 構成・瀬川茂子 朝日新聞出版 2021.7.30読書日:2021.11.1 日本人の老化研究の第一人者による、自分のキャリア形成と老化・寿命研究の最前線を紹介した本。 以前読んだライフスパンの著者、デビッド・A・シンクレアと同じ元ギャランテ研究室の研…
シモーナ・ギンズバーグ エヴァ・ヤブロンカ 訳・鈴木大地 勁草書房 2021.5.20読書日:2021.10.4 動物の意識は、無制約連合学習という機能が基礎になった、と主張する本。 「動物意識の誕生」という書名からてっきり、人間だけでなく動物にも意識があると主…
西垣通 NTT出版 2021.6.21読書日 2021.9.7 生命と機械は別の情報システムであり、コンピュータから人間を越えるスーパーインテリジェンスが誕生する可能性はなく、生命を中心とする新しい情報学が必要と主張する本。 2010年代に入ってからシンギュラ…
バーツラフ・シュミル 訳・栗木さつき、熊谷千寿 NHK出版 2021.3.25読書日:2021.8.30 夢のような未来ではなく、リアルな今を数字で感じとることが大切と主張する本。 シュミルはエネルギー関係が専門らしいが、徹底的なリアリストらしい。ここには、AI…
デビッド・クアメン 訳・甘糟智子 明石書店 2021.03.31読書日:2021.8.4 動物からヒトに病原体が伝染る人獣共通感染症(ズーノーシス)に魅せられたジャーナリストの著者が近年盛んに起こるようになったズーノーシスについて、アウトブレイク(急激な感染)…
ザビーネ・ホッセンフェルダー 訳・吉田三知世 みすず書房 2021.3.16読書日:2021.7.14 新しい基本的なデータが発見されない年月が30年以上に及ぶうちに、理論物理学は道を失い、何でもありの状態に陥り、生み出された多数の理論はもっぱらその美しさで正…
ロイド・スペンサー・デイヴィス 訳・夏目大 青土社 2021.5.10読書日:2021.7.5 ペンギンが専門の生物学者がペンギンの生態と極地探検家の生態を同列で観察し記述するという奇妙な書。 著者はニュージーランド人で、南極探検家の冒険を読んで南極にあこがれ…
左巻健男 ダイヤモンド社 2021/2/17読書日:2021.5.19 世界史に化学が果たしたエピソードを述べた本。 これはある意味、とても賢い視点だ。なにしろ人間が火を使ったときから、人間の暮らしや歴史と化学はまったく途切れることなくつながっているから、ある…
ロブ・ダン 訳・今西康子 白揚社 2021.2.28読書日:2021.5.18 生態学者がひとの家の生物を調べたら、とんでもない量の新種が発見され、人間が生物に囲まれて生活していることを実感する本。 身の回りにどんな生物がいるかという問題は、生態学者の興味をまっ…
ローワン・ジェイコブセン 文藝春秋 2009年1月27日読書日:2009年09月11日 「WHAT IS LIFE? 生命とは何か」のレビューで述べた、蜂群崩壊症候群については、この本で知ったのでした。短いレビューが残っていたので、掲載する。 ********* なんだかいま欧米…
ポール・ナース 訳・竹内薫 ダイヤモンド社 2021.3.10読書日:2021.5.7 細胞分裂の周期を制御するcdc2遺伝子を発見し、ノーベル賞を受賞した学者による初めての著書で、生物について分かっていることを優しい言葉で一般人に解説した本。 内容的には、た…
浅田秀樹 講談社ブルーバックスB−2167 2021.3.20読書日:2021.4.30 天体が3つ以上関係する三体問題は原理的には解けないが、特殊な状況では解くことができ、しかも最近ではスーパーコンピュータにより数値計算が可能となり、特異な解も見つかっている…
ピーター・ディアマンディス、スティーブン・コトラー、訳・土方奈美 株式会社ニューズピックス 2020.12.24読書日:2021.2.28 進化するテクノロジーがお互いの進化を加速することで、2030年にはとんでもない時代が訪れる主張する本。 2030年に何が起…
ジェフリー・ウェスト 訳・山形浩生、森本正史 早川書房 2020.10.15読書日:2021.2.18 法則がないように見えることも、スケール則を通してみると数値化できて、科学的に解析可能になると主張する本。 昔、「ゾウの時間、ネズミの時間」という本を読んだこと…
ジル・ボルト テイラー 訳・竹内薫 新潮社 2009年2月読書日:2010年01月26日 脳卒中を起こして、左脳を損傷した脳科学者の体験記。これまで右脳と左脳の機能分担からなんとなく予想されていた、右脳と左脳の世界の捉え方の違いを実地に体験して、それを報告…
藤岡 換太郎 講談社 2018年8月22日読書日:2019年02月28日 フォッサマグナの謎を書いた本。 富山、長野から山梨の日本を代表する山岳地帯、日本アルプス。この中を北から南に貫いている溝がフォッサマグナ、ということは学校で学んだが、これがどうやってで…
アンドルー・ホッジス 勁草書房 2015年2月25日読書日:2016年02月29日 コンピュータを構想したアラン・チューリングの伝記。 チューリングはコンピュータ業界では有名な人だと思っていたので、この本のあちこちでチューリングが世間的に知られていないことが…