ヘタレ投資家ヘタレイヤンの読書録

個人投資家目線の読書録

科学

新基礎情報学 機械を越える生命

西垣通 NTT出版 2021.6.21読書日 2021.9.7 生命と機械は別の情報システムであり、コンピュータから人間を越えるスーパーインテリジェンスが誕生する可能性はなく、生命を中心とする新しい情報学が必要と主張する本。 2010年代に入ってからシンギュラ…

世界のリアルは「数字」でつかめ!

バーツラフ・シュミル 訳・栗木さつき、熊谷千寿 NHK出版 2021.3.25読書日:2021.8.30 夢のような未来ではなく、リアルな今を数字で感じとることが大切と主張する本。 シュミルはエネルギー関係が専門らしいが、徹底的なリアリストらしい。ここには、AI…

スピルオーバー ウイルスはなぜ動物からヒトへ飛び移るのか

デビッド・クアメン 訳・甘糟智子 明石書店 2021.03.31読書日:2021.8.4 動物からヒトに病原体が伝染る人獣共通感染症(ズーノーシス)に魅せられたジャーナリストの著者が近年盛んに起こるようになったズーノーシスについて、アウトブレイク(急激な感染)…

数学に魅せられて、科学を見失う 物理学と「美しさ」の罠

ザビーネ・ホッセンフェルダー 訳・吉田三知世 みすず書房 2021.3.16読書日:2021.7.14 新しい基本的なデータが発見されない年月が30年以上に及ぶうちに、理論物理学は道を失い、何でもありの状態に陥り、生み出された多数の理論はもっぱらその美しさで正…

南極探検とペンギン 忘れられた英雄とペンギンたちの知られざる生態

ロイド・スペンサー・デイヴィス 訳・夏目大 青土社 2021.5.10読書日:2021.7.5 ペンギンが専門の生物学者がペンギンの生態と極地探検家の生態を同列で観察し記述するという奇妙な書。 著者はニュージーランド人で、南極探検家の冒険を読んで南極にあこがれ…

世界史は化学でできている 絶対に面白い化学入門

左巻健男 ダイヤモンド社 2021/2/17読書日:2021.5.19 世界史に化学が果たしたエピソードを述べた本。 これはある意味、とても賢い視点だ。なにしろ人間が火を使ったときから、人間の暮らしや歴史と化学はまったく途切れることなくつながっているから、ある…

家は生態系 あなたは20万種の生き物と暮らしている

ロブ・ダン 訳・今西康子 白揚社 2021.2.28読書日:2021.5.18 生態学者がひとの家の生物を調べたら、とんでもない量の新種が発見され、人間が生物に囲まれて生活していることを実感する本。 身の回りにどんな生物がいるかという問題は、生態学者の興味をまっ…

ハチはなぜ大量死したのか

ローワン・ジェイコブセン 文藝春秋 2009年1月27日読書日:2009年09月11日 「WHAT IS LIFE? 生命とは何か」のレビューで述べた、蜂群崩壊症候群については、この本で知ったのでした。短いレビューが残っていたので、掲載する。 ********* なんだかいま欧米…

WHAT IS LIFE? 生命とは何か

ポール・ナース 訳・竹内薫 ダイヤモンド社 2021.3.10読書日:2021.5.7 細胞分裂の周期を制御するcdc2遺伝子を発見し、ノーベル賞を受賞した学者による初めての著書で、生物について分かっていることを優しい言葉で一般人に解説した本。 内容的には、た…

三体問題 天才たちを悩ませた400年の未解決問題

浅田秀樹 講談社ブルーバックスB−2167 2021.3.20読書日:2021.4.30 天体が3つ以上関係する三体問題は原理的には解けないが、特殊な状況では解くことができ、しかも最近ではスーパーコンピュータにより数値計算が可能となり、特異な解も見つかっている…

2030年:すべてが「加速」する時代に備えよ

ピーター・ディアマンディス、スティーブン・コトラー、訳・土方奈美 株式会社ニューズピックス 2020.12.24読書日:2021.2.28 進化するテクノロジーがお互いの進化を加速することで、2030年にはとんでもない時代が訪れる主張する本。 2030年に何が起…

スケール:生命、都市、経済をめぐる普遍的法則

ジェフリー・ウェスト 訳・山形浩生、森本正史 早川書房 2020.10.15読書日:2021.2.18 法則がないように見えることも、スケール則を通してみると数値化できて、科学的に解析可能になると主張する本。 昔、「ゾウの時間、ネズミの時間」という本を読んだこと…

奇跡の脳 脳科学者の脳が壊れたとき

ジル・ボルト テイラー 訳・竹内薫 新潮社 2009年2月読書日:2010年01月26日 脳卒中を起こして、左脳を損傷した脳科学者の体験記。これまで右脳と左脳の機能分担からなんとなく予想されていた、右脳と左脳の世界の捉え方の違いを実地に体験して、それを報告…

フォッサマグナ 日本列島を分断する巨大地溝の正体

藤岡 換太郎 講談社 2018年8月22日読書日:2019年02月28日 フォッサマグナの謎を書いた本。 富山、長野から山梨の日本を代表する山岳地帯、日本アルプス。この中を北から南に貫いている溝がフォッサマグナ、ということは学校で学んだが、これがどうやってで…

エニグマ アラン・チューリング伝

アンドルー・ホッジス 勁草書房 2015年2月25日読書日:2016年02月29日 コンピュータを構想したアラン・チューリングの伝記。 チューリングはコンピュータ業界では有名な人だと思っていたので、この本のあちこちでチューリングが世間的に知られていないことが…

2030年 ジャック・アタリの未来予測 不確実な世の中をサバイブせよ!

ジャック・アタリ 訳・林昌宏 プレジデント社 2017.8.15読書日:2021.1.6 フランスのジャック・アタリが、このまま何もしないと2030年までに起きることを予測し、読者に立ち上がることを求める本。 ジャック・アタリの本は実は初めて読んだ。日本に住ん…

「第二の不可能」を追え! 理論物理学者、あり得ない物質を求めてカムチャッカへ

ポール・J・スタインハート 訳・斉藤隆央 みすず書房 2020.9.1ポール・J・スタインハート 訳・斉藤隆央 みすず書房 2020.9.1 読書日:2020.12.26 あり得ないと言われていた準結晶を理論的に予想していた理論物理学者が天然の準結晶を求めてロシアのカムチャ…

菌世界紀行 誰も知らないきのこを追って

星野保 岩波現代文庫 2020.9.15(オリジナル単行本は2015.12)読書日:2020.12.12 雪腐病菌(ゆきぐされびょうきん)というきのこの研究者が、きのこを追って北極や南極の極地をめぐる体験を述べた本。 申し訳ないがほとんどの人と同様に、きのこを含む菌類…

科学は仮説の集まり 「若い読者に贈る美しい生物学講義」を読んで思い出したこと

「若い読者に贈る美しい生物学講義」の最初に述べられるのは、そもそも科学とはなにか、ということである。そこで言われるのは、科学は仮説の集まりであるということである。 つまり科学とは観察(実験)から帰納的に仮説をたてて、その仮説がどれだけ普遍的…

若い読者に贈る美しい生物学講義--感動する生命のはなし

更科功 ダイヤモンド社 2019.11.27読書日:2020.11.23 生物学者の著者が少しでも一般の人に生物学に興味を持ってもらおうと書いた、生物学の本質について書いた本。 生物学の本というと、いきなり不思議な生物の話や著者の体験談なんかが話されることが多い…

世界一高い木

リチャード・プレストン 日経BP社 2008年7月24日 読書日:2008年09月09日 リチャード・プレストンのホット・ゾーンを読んだとき、出だしの描写でたちまちその世界に引き込まれた。まるで見てきたかのような描写で、その本のテーマが単純明快、ストレートに提…

サルは大西洋を渡った 奇跡的な航海が生んだ進化史

アラン・デケイロス みすず書房 2017年11月11日読書日:2018年09月03日 『陸海空 こんな時間に地球征服するなんて』で、ナスDが活躍した「部族アース」なんかを観てると、アマゾンのジャングルにサルがいっぱいいるので驚く。南米はサルの王国なのだ。 普通…

LOONSHOT<ルーンショット> クレージーを最高のイノベーションにする

サフィ・バーコール 訳・三木俊哉 解説・米倉誠一郎 日経BP 2020.1.27読書日:2020.9.3 一見ばかげたアイディアであるルーンショットは少数の自由なアーティストから生まれるが、それを実用化、製品化するのは規律のある大多数のソルジャーたちによってな…

われわれはなぜ嘘つきで自信過剰でお人好しなのか 進化心理学で読み解く人類の驚くべき戦略

ウィリアム・フォン・ヒッペル 濱野大道 ハーパーコリンズ・ジャパン 2019.10.19読書日:2020.8.14 森からサバンナへの気候変動に直面した人類は、社会的認知能力(社会脳)を向上させ、社会的跳躍(ソーシャル・リープ)を成し遂げ、その影響は現代人にもあ…

時間はどこから来て、なぜ流れるのか? 最新物理学が解く時空・宇宙・意識の「謎」

吉田伸夫 講談社ブルーバックス 2020.1.20読書日:2020.7.30 物理学が分かっている限りの範囲で時間について語る本。 確かに、どこから来て(ビックバンから時間は始まる)、なぜ流れるのか(エントロピーの法則の結果)はきちんと書かれているし、意識もな…

カウフマン、生命と宇宙を語る

スチュアート カウフマン, Stuart A. Kauffman, 河野 至恩 日本経済新聞社 2002年9月読書日:2009年03月18日 非常に興味深いが、ちょっと残念でもある書。残念なのは、私が最も知りたかったことが、カウフマンにも分からなかったこと。せめて取っ掛かりぐら…

数学の大統一に挑む

エドワード・フレンケル 文藝春秋 2015年7月13日読書日:2016年04月25日 23:25 旧ソ連でユダヤ人であるがゆえに大学に進めず、それでもあきらめずに数学を続け、やがてあらゆる形式の数学がどれも同一のものを表しているという数学の大統一論に挑み、ソ連を…

理性の限界――不可能性・不確定性・不完全性 (講談社現代新書)

高橋 昌一郎 講談社 2008年6月17日読書日:2010年07月27日 これを読んでいると、20世紀はいろんな限界が明らかになったんだなあということがよく分かる。しかも、それが理論的に導き出される、というのが興味深い。つまり理性が自分の限界を理性的に導き出…

文系でもよくわかる 世界の仕組みを物理学で知る

松原隆彦 山と渓谷社 2019.3.1読書日:2020.5.10 宇宙物理学者の松原隆彦が物理学の世界を分かりやすく説明する本。だから世界の仕組みと言っても、当然ながら社会や経済の仕組みのことではありません。哲学や倫理学とは多少かかわってくるかもしれない。な…

LIFE3.0 人工知能時代に人間であるということ

マックス・テグマーク 訳・谷口淳 紀伊国屋書店 2020.1.6読書日:2020.5.3 宇宙物理学者のマックス・テグマークが、AIの発達がどの方向に進むかについて、人類が今のうちに考察を行って干渉すべきだと警鐘する本。 テグマークが人間の意識に興味があること…

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