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国民の眠りを覚ます「参政党」

吉野敏明 神谷宗幣 青林堂 2022.2.5
読書日:2025.8.1

参政党創立メンバーの吉野敏明と神谷宗幣がコロナ対策、マスメディア、オーガニック農業、教育、日本の歴史などについて語った本。

2025年7月の参院選で、一番衝撃的だったのは参政党の躍進でしょう。わしも衝撃を受けて、参政党のことを調べようと思いました。

ネットには参政党に関するいろいろかぐわしい情報が溢れていますが(笑)、どうもネットだけではいまいち躍進した理由に納得できないので、図書館に本がないかと思ったら、いちおうこの1冊だけあったので借りてみました。

参政党の本もしくは神谷宗幣さんの本はほぼ図書館にないのですが、この本だけは近隣の市区の図書館にもれなくあったので、もしかしたら、この本は吉野さんあたりが自腹を出して、すべての公立図書館に寄付したんじゃないかと勘ぐっています。

で、吉野さんは歯科医だそうで医者ではないのですが、自由診療で治療とかしているようです(やっていいのか?)。コロナの治療についてもいろいろ意見があるようですが、コロナに関して吉野さんの述べていることは、はっきり言ってむちゃくちゃ。

吉野さんによれば、コロナは量子力学で治せるそうです。これは具体的にはメタトロンと呼ばれる旧ソ連の波動測定器の一種を使うことを言っているらしいけど、なんとも意味不明です。まあ、彼が述べていることは、あまり考えてもしょうがないことばかりですね。

それに対して、うんうんうなずいている神谷さんもどうかと思うのですが、コロナワクチン反対!と言えればそれでいいようです。まあ、参政党のかぐわしい部分の一端を示していると言えましょう。つまり、科学的ではないということです。そして欧米の製薬会社にたいへん不信感を持っているようです。

メディアについては、メディアは偏向報道を繰り返して、日本人を洗脳しようとしていると言います。コロナワクチンを日本人が進んで接種するのも洗脳されているからだといいます。そして日本の歴史をきちんと学べばこのようにはならない、と主張しています。そして日本の言論は、戦後の占領時代に破壊され、GHQの多大な影響を受けているそうです。

現在の日本の農業の背景には化学肥料、農薬、小麦を売りたい国際的なビッグファーマの思惑があると主張します。健康に悪い農業を進める外国のビッグファーマのいうがままにならず、日本の農業を取り戻さなければいけない、といいます。そして食の安全を守るために、完全なオーガニックにしなければいけないという話がされます。

日本の教育については、本当の歴史を教えなければいけないとされ、欧米の背後にいる「あの勢力」について話されます。この「あの勢力」というのは、「欧米のグローバル金融資本」のような存在らしく、世界の歴史に介入する勢力らしいです。そして「あの勢力」が日本の歴史も操作したと主張します。日本が戦争をすることになったのも「あの勢力」の思惑なんだそうです。しかし、日本には10万年の歴史(!)があるので、そう簡単に日本は潰れないのだそうです(笑)。

というわけで、どの議論にも、陰謀論的な発想が入っているのは確かです。

そういう意味で、参政党がディープ・ステイトを唱えるアメリカのQアノンやヨーロッパのポピュリズム系極右政党と比較されがちなのは理解できます。

しかし、参政党の主張は、どれにも陰謀論的な匂いがするとはいえ、右とも左とも言い難いものがあるように思います。そして、有権者陰謀論的な部分に反応したとは、わしにはとても思えません。

参政党の公約はどちらかというと右も左も関係なく、有権者がどこかで引っかかってくれないかな、というような発想で作っているように見えます。

そういう意味で、「あの勢力」の陰謀論も、受けないとわかればあっさり取り下げるのではないかという気がします。そういう意味で、陰謀論的な部分が参政党の本質なのかどうかは、もう少し様子を見る必要があると思いました。

まあ、この一冊で、参政党のことを理解するのは不可能だと思いますので、引き続き関心をもっていきたいと思います。

★★★☆☆

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