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個人投資家目線の読書録

母がゼロになるまで 介護ではなく手助けをした2年間の話

リー・アンダーツ 河出書房新社 2023.9.30
読書日:2024.1.8

発達障害でまともに生活できない母を、死ぬまでの2年間手助けしたことをつづった本。

痴呆になると生活能力はなくなり介護が必要になるけど、発達障害の場合はなんか微妙だ。いろんなケースがあるだろうけど、これが生活能力のないというレベルだと、老後は確かに大変なことになるのは目に見えている。

著者の母親の場合は、大変なことになって初めて自分の母親が発達障害ということに気がついたくらいの微妙な感じだ。とりあえず母親は離婚してシングルマザーになっても、娘を高校までは養っているのだから、それなりにやっていけてたはずなのだ。年金ももらっているようだから、ちゃんと稼いで納めていたはずだ。でも、老後になると、坂道を転げ落ちるように生活レベルが悪化するのである。

まず、自炊ができないので食事はすべて外食か惣菜、弁当ということになる。というか、著者は母親の手料理を食べたことがなかったらしい。

片付けとかができないので、部屋はゴミ屋敷になる。自分はゴミに中に確保した狭い空間に段ボール箱を置いて、一日中そこに座っているのだそうだ。ちなみに寝るのもそこに座ったままなんだそうだ。

自分で風呂をわかすことができないので、風呂にも入らなくなる。それこそ、何ヶ月も入らないのだ。風呂に入りたいという欲求はあるのだが、自分で準備をするのが嫌なのだ。髪の毛はみごとに固まったままだったそうだ。

それどころかトイレにも行かないのだ。トイレに行くのも面倒くさいらしい。それでビニール袋なんかにする。のちに入院することになるのだが、その理由は極度の便秘だったそうで、つまりトイレへ行くよりも我慢する方を選んだらしい。

お金はあればあるだけ使ってしまうという性格らしく、年金は振り込まれるとあっという間になくなってしまう。なので、知り合いじゅうから借金をしている。人間関係を少し構築すると、すぐに借金を申し込むのだそうだ。そのための努力はかなりすごい。著者からも数百円をなんとか得ようと努力する。著者はキャッシュカードを取り上げて、自炊する分のお金を渡すようにした。そして年金の中から少しずつ借金をかえそうとするのだが、当然追いつかない。おかげで親戚中から借金をしているので、一族の墓に入ることは断られているそうだ。

退院したあと、見守りも兼ねて食事は一日二食の宅配にすることにした。でも、それを始めてたった二週間で亡くなってしまったという。死因は、驚いたことに凍死だったそうだ。それも室内で。つまり、自分の体温を維持できないほどの身体のエネルギーがなくなっていたのである。餓死ではなくて、凍死ってこともあるんだなあ。知らなかった。

というようなわけなのだけど、こういう自分の面倒をみられない人って結構いるよね。ネットで調べたら、大人の発達障害の割合は8.8%だとか。このうちどのくらい生活するのに支障があるレベルなのかしら。

ちなみに、著者は、一時期、本気で母親と縁を切りたかったらしいけど、夫婦は法律的に縁を切れるけど、子供は法律的に縁を切る方法がないんだって。そうなんだ。

なんかいろいろ難しいなあ。

★★★☆☆

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