ヘタレ投資家ヘタレイヤンの読書録

個人投資家目線の読書録

恋ははかない、あるいは、プールの底のステーキ

川上弘美 講談社 2023.8.22
読書日:2024.2.4

アメリカからの帰国子女の作家、八色朝見が、アメリカ時代の友人たちとゆるく長い付き合いを続けながら、老境にいたる心境を綴ったもの。

小説としては、初・川上弘美である。エッセイは「私の好きな季語」というのを読んだことがある。「センセイの鞄」は小泉今日子の映画で見ただけである。で、小説家の川上弘美はよく知らなかったのでウィキペディアで調べてみると、なんともともとSF系の人で、現実と幻想が交じるタイプなんだそうだ。いまでは純文学はSFっぽくないといけないかのようだから、SF出身というのは、まあいいのかもしれない。あまりにSFやファンタジーの発想が純文学に浸透しすぎていて、ちょっとなんだかなあ、という気がしないでもないが。

この小説でも、2歳年上のアンという女性が、パラレルワールドに飛ぶという話が出てくる。気がつくと少しだけ違う世界に飛んでいるんだそうだ。これまでの人生で3度、飛んだそうだ。

SFって日本ではあんまり売れていないみたいだけど、今後はこうして純文学として生き残っていくのかしら? なんかちょっと嫌だなあ。だって純文学に出てくるSF的なものって、やっぱりSFじゃないんだよね、当然だけど。単にふしぎ風の感覚を醸し出しているだけみたいな。

子供時代のカリフォルニアの思い出から始まって、数ヶ月に1回会うか会わないかの還暦までの関係をゆるゆると書いて、お互いに深く踏み込むこともないし、結婚や離婚を経験して、というようなことが書いてあって、面白いか面白くないかというと、とても面白いんだけど(いや本当に)。でも、純文学はいいから、ちゃんとしたSFを書いてほしいなあ。

それにしても、わしは本当に文学にうとすぎるなあ(笑)。いや、まあ、SFですらそんなに読んでいないんですけどね。

★★★★☆

 

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