勝間和代 宝島社 2021.7.27
読書日:2022.2.6
勝間和代が健康でゆとりある老後をロジカルに考えて実践している内容をまとめたもの。
このところの長寿関係の読書をしており、その延長で本書を選んでみた。長寿関連はとりあえずこれで終了かな。
ここ数年、勝間和代は自分の汚物部屋を一掃したりするなど、自分のライフスタイルをリデザインしているようだ。そんな彼女が、50代にはいり、自分の老後を真剣に考えて、どんなふうに過ごしたいかを書いてある。
さて、勝間さんによると、老後のリスクは3つあるという。
・健康のリスク
・マネーのリスク
・孤独のリスク
だそうで、これにはたいていのひとは賛成するだろう。
健康に関しては、食事と運動と睡眠。マネーについては年金に頼らない収入を得ること。孤独については、仕事を続けることが最良の社会との関わりだそうで、最終的には孤独に慣れることか必要とのこと。
以上が解決策で、まあ、とても普通のことが書いてある。いちおう、自分の経験を交えて身近に感じられるようには書いてあるが、普通である。
そういうこともあって、わしが一番面白かったところは、彼女が自分の仕事について語ったところだな。会社勤めと違って、自分の仕事はずっと続けられるという流れで語っている。
彼女は自分の仕事をどう定義しているかというと、「コンテンツ制作」なんだそうだ。まあ、そうでしょう。
そして自分にはこれという専門分野がないんだそうだ。そう言われればそうだ。彼女の本の雑多なテーマでそれが分かる。内容といえばほぼ参考文献の要約と整理、プラス若干の個人体験というところだろうか。
彼女の特技は、普通の人にもやもやしていて説明しづらいことをわかり易い言葉で言語化すること、なんだそうだ。これもそうだろう。本の形態にはなっているが、彼女の本はまるでパワーポイントのスライドを読んでいる感じだ。
こういうこと読んでいると、彼女がかつてちきりんと対話していた内容を思い出す。(二人の関係は同じコンサルタント会社マッキンゼーの同僚だったこと)。
その対話では、ちきりんがなにか疑問を出すと、たちどころに勝間和代が理路整然とそれに関する説明を口にするのだ。そういうところにちきりんが感嘆して、以下のような会話をしていた。
ちきりん:あなた、そんなに明解に回答するけど、このテーマになんの関心もないでしょ?
勝間:ないですね。
ちきりん:ないけど、回答はできるんだ。(笑)
なんとまあ、勝間さんは自分が関心がないテーマについても、整理されて頭の中にしまい込まれているらしいです。きっと読んだことが自動的に整理されるんじゃないかしら。そして鉄板の思考フレームワークをいくつか持っていて、それに当てはめて回答してるんだろうな。
そうなると、彼女はなにか「このテーマ」というのを見つけると、たちどころにその全体像のフレームがあたまに思い浮かぶんだろう。
わしはまとめるのがうまいだけの人を評価することはあまりないけど、それを突き詰めるとこんな仕事ができるんだなあ、という意味で感心しました。
勝間和代さんは三省堂の明解国語辞典のように、明解だけどちょっと変な人、なのでしょう。
★★★☆☆