ヘタレ投資家ヘタレイヤンの読書録

個人投資家目線の読書録

シンプルで合理的な人生設計

橘玲 ダイヤモンド社 2023.3.7
読書日:2023.9.28

金融資本(資産)、人的資本(収入)、社会資本(評判、人間関係)の3つの資本を備えた人が幸福だと定義する橘玲が、人生設計を指南する本。

橘玲はこの手の本を20年ぐらい前から数年おきに出していて、感心するのはそのたびに内容がバージョンアップされていることだ。逆に言うと、ずっと変わらない部分については、より普遍的ということになるのかも知れない。

幸福かどうかは主観的なはずなのだが、橘玲は、上記の3つの資本を備えていれば幸福なのだ、と定義してしまう。なかでも、お金があるかどうかでずいぶん違ってくるので、金融資産を作ることに重きを置いている。

金融資産を作る方法は単純で、仕事をして元手を作って投資するという極めて普通のことである。しかも、インデックスファンドがいいという。どんなファイナンシャルアドバイザーも勧める方法で、これを述べるたびに読者からがっかりされるんだそうだ。

そうすると、とりあえず元手となる人的資本をなんとかしなくてはいけないということになるが、これがなかなか難題なのだ。

収入が多ければ何でもいいというわけにはいかないからだ。とてつもなくハードな仕事で心を病んでしまってもしょうがないし、かといってブルシット・ジョブでも満足できないだろう。できれば、収入を上げつつ、周りの評判を獲得して(社会資本)、自尊心を満足させたいところだ。したがって、よりよい人的資本の形成(=成功)とは、「自分の好きなこと、得意なことで効率的にマネタイズすること」ということになる。

でも自分が何が得意なのか、さらには何が好きなのかも分からない、という人はたくさんいるだろう。どうすればいいのか、ということになる。

これには正解はないのだが、橘玲のおすすめは試行錯誤を繰り返して、とても小さくても自分を活かせるニッチな領域を見つける、ということだ。自分が優位なニッチを見つけることができれば生きていけるし、もし環境が変わったら、試行錯誤した経験をもとに少しずつ領域をずらして、ニッチを獲得し続ける。生物の進化と同じだ。

これはほぼ起業しろと言っているのに等しい。たとえ会社員であっても、すべての人はフリーランスと同じマインドが必要と言っていることになる。もしニッチ市場を手に入れられれば、嫌な仕事にもノーと言える。ニッチ市場で効率的に稼げるのなら、時間を作って、家族や友人との絆という社会資本も充実するかもしれない。

橘玲はいろいろな本から得た知識を引用して、キラキラした原稿を作成するけど、言っていることはごく普通のことだ。まあ、そうであるからこそ信用できるんだけど。それにキラキラした引用文献は自分でも読んでみたくなる。

次はどの部分にフォーカスしてくれるのだろうか。

★★★★☆

 

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