宮島未奈 新潮社 2024.1.25
読書日:2026.4.1
(ネタバレあり。注意)
常に周りの斜め上をゆく目標を掲げて目標達成に邁進する、アスペルガーチックな成瀬あかりが、今回も周りを巻き込みながら自分の道を行く様子を、周囲の人の視点から描く、大ヒットシリーズ第2段。
まあ、楽しく読ませて頂き、そしてすぐに読み終わってしまったのですが、読みながら気になったのは、このシリーズは主人公の成瀬が社会人になったとしても成り立つのだろうか、という点ですね。
今回は高校3年の終わりから、京大受験、そして京大に受かってから1年生の大晦日までなのですね。
そして今回、成瀬が掲げた目標が、暇な時間に行っている巡回パトロール(アンパンマンか?)、京大受験、合格後バイト先の万引き犯捕獲、琵琶湖大津観光大使としてできるだけ大津市を宣伝すること、紅白歌合戦に出場すること、なわけです。
裏の目標としては、200歳まで生きるという目標は相変わらずあって、不健康なことは絶対にしない、安全第一、ということもあるわけです。
でも、こんな成瀬のキャラが際立って見えるのは、学校というシステムの中にいるからなのですよね。そりゃあ、中学、高校のころに成瀬のような人がいたら、目立つだろうし、へんてこりんな目標に邁進していても、それなりに成果をあげていると、すごいと思うでしょう。しかしこれはある意味、平均に集まろうとして、外れ値にはなりたくないという、学生という集団と比較してということであって、そういう場合にしか成り立たない物語なんじゃないかっていう気がするんですね。
これが学校を卒業してですね、社会人になった途端、なにか他の人と違ったことをしようという人は、実際、膨大な数が出てくるわけです。まあ、たぶん、成瀬の場合は、地元の大津市にこだわるんでしょうけど、たとえば西武百貨店を復活させる事業とかですね、そういう風になるのかもしれませんが、しかし、それがそんなに目立つかなあ、と言う気がするんですね。学生のときになんでそんなことをやってるんだと笑えるみたいなところが、社会人になっても出せるんだろうか、という気がしてくるわけです。
もしそれができたらすごいな、と思うわけなので、注視しようと思っていたんですが、なんと、次の「成瀬は都を駆け抜ける」で完結なんですって。さっき知りました(苦笑)。じゃあ、やっぱり学生時代で物語は終わってしまうのか。
まあ、ここまで読んだので、最後まで読もうと思うのですが、またまた膨大な予約が入っているので、いちおう予約はしましたが、また半年後ぐらいになるんじゃないですかね。(買う気にはならないので)
社会人になっても成瀬みたいな話が成り立つのか気になるから、完結編のあとにも外伝とか後日談とかみたいに、宮島未奈さんにはちょっと試してほしいな。そしてそれでも、成瀬あかりはインパクトを与えられるのか、気になるな。
社会人だと、横道世之介みたいに、本人は普通に生きているだけなんだけど、なぜか周りに影響を与えてしまう、という話じゃないと難しいような気がするんだよね。
★★★★☆

