ヘタレ投資家ヘタレイヤンの読書録

個人投資家目線の読書録

社会学

誰も断らない こちら神奈川県座間市生活援護課

篠原匡 朝日新聞出版 2022.6.30読書日:2022.9.24 座間市では少しでも座間と関係ある人ならば相談されるとそれを断らず、外部のNPOとのネットワークを活用して支援するだけでなく、さらにいま相談がなくても支援が必要な人をあらかじめ探るアウトリーチを…

ふんどしニッポン 下着をめぐる魂の風俗史

井上章一 朝日新聞出版 2022.5.30読書日:2022.9.10 明治になって洋装が普及したものの下着はふんどしのままであり、戦後も1960年ぐらいまではふんどしが残っており、ふんどしはどうしてこんなに長く残ったのかを考察する本。 女性の下着のズロースが普…

不条理な会社人生から自由になる方法 まだ間に合う! 働き方2.0 vs 4.0

橘玲 PHP文庫 2022.4.1 (2019年に発売された本の文庫化)読書日:2022.9.8 日本社会の実体は前近代的な身分制社会で、イエ単位の戸籍制度、正社員と非正規社員の身分差別、ジェンダー差別などがあるが、今後はこのような差別的な身分制度は解体され…

裏道を行け ディストピア世界をHACK(ハック)する

橘玲 講談社新書 2021.12.20読書日:2022.8.25 世界をハックできたものが成功し富を獲得するが、世界の方も人をハックしようとしていて、ハックされたくないという人は経済的独立を得つつ、物を所有しないミニマリストとして生きるのが主流になると主張する…

デジタル・ファシズム 日本の資産と主権が消える

堤未果 NHK出版新書 2021.8.30読書日:2022.8.19 日本の大切なデジタル情報資産が外国に無償で提供され、このままいけば国家主権さえも外国のものになってしまうと主張する本。 わしはテクノロジーOKの人間であるから、GAFAMが邪悪だという議論に…

グレート・ナラティブ 「グレート・リセット」後の物語

クラウス・シュワブ ティエリ・マルレ 訳・北川蒼 日経ナショナルジオグラフィック 2022.7.4読書日:2022.8.13 ダボス会議で有名な世界経済フォーラムの創設者のクラウス・シュワブが、アフターコロナ後の世界で世界を動かすであろうナラティブを語った本。 …

韓国民主政治の自壊

鈴置高史 新潮社 2022.6.17読書日:2022.7.30 韓国の民主主義は大統領が司法を押さえてベネズエラ的な独裁的な方向に進んでおり、自壊していっていると主張する本。 高名な韓国観察者である鈴置高史さんの最新刊ですが、なんか韓国はもういいかなって気がす…

不自然な死因 イギリス法医学者が見てきた死と人生

Dr.リチャード・シェパード 訳・長澤あかね 解説・養老孟司 大和書房 2022.4.20読書日:2022.7.29 子供の頃に法医学の教科書に心を奪われて法病理学者になることを決意した著者が、イギリスの法医学の変遷から自身が関わった正しい拘束に関する社会運動、育…

脳は世界をどう見ているのか 知能の謎を解く「1000の脳」理論

ジェフ・ホーキンス 訳・太田直子 早川書房 2022.4.25読書日:2022.7.10 脳の知能はどのように実現されているのか、その原理を発見したと確信する著者がその原理を説明するとともに、汎用AIの実現性と、AIはさほど恐れるほどのものではないという楽観的…

ブロークン・ブリテンに聞け

ブレイディみかこ 講談社 2020.10.26読書日:2022.5.22 2018年から2020年まで群像に連載した、ブレイディみかこのイギリス社会の断片を記した時事エッセイ集。 連載の期間、イギリスはブレグジットあり、あいかわらずの王室問題あり、パンデミックあ…

自分の意見で生きていこう 「正解のない問題」に答えを出せる4つのステップ

ちきりん ダイヤモンド社 2022.1.11読書日:2022.5.22 自分の意見を伝えることをライフワークにしているちきりんが、正解のない世の中では自分の意見を作って行かなければ自分の人生を生きられないと主張し、その極意を伝える本。 ちきりん、たぶん本名は元…

上流思考 「問題が起こる前」に解決する新しい問題解決の思考法

ダン・ヒース 訳・櫻井祐子 ダイヤモンド社 2021.12.14読書日:2022.5.1 問題が起こってから対応する下流思考ではなく、問題の根本から問題が起こらないように予防する上流思考が社会問題を解決するときに求められると主張する本。 トヨタ生産方式のカイゼン…

フリーポート(保税倉庫)という例外 「世界を貧困に導くウォール街を超える悪魔」で思い出したこと

「世界を貧困に導くウォール街を超える悪魔」を読んでわかったのは、結局のところ、例外の場所や制度を利用して、税金を納めることなしに利益を搾り取って行く金融産業の姿だった。 これを読んでわしが思い出したのが、フリーポート(保税倉庫)と呼ばれる、…

世界を貧困に導くウォール街を超える悪魔

ニコラス・ジャクソン 訳・平田光美、平田完一郎 ダイヤモンド社 2021.11.2読書日:2022.3.20 金融業が国の経済の中心になると、国民になんの利益ももたらさず、かえってその国の経済を衰退させ、国民を貧困に陥れると主張する本。 この本で書かれているのは…

THE LONELY CENTURY なぜ私たちは「孤独」なのか

ノリーナ・ハーツ 訳・藤原朝子 ダイヤモンド社 2021.7.13読書日:2022.3.1 人類史上例のない規模で「孤独」が広がっており、人々の健康に影響を与えるだけでなく、なにより民主主義の根幹を揺るがしており、コミュニティを生み出すインフラへの投資を行わな…

食品の裏側

安部司 東洋経済新報社 2005.11.10読書日:2022.2.23 添加物を販売する商社に勤めていた著者が、作った製品を自分の子供が食べているのを見て衝撃を受け、会社を辞めて、日本の食品業界で起きている真実を報告する本。 この本は2005年の発売なのに、まだ…

健康もマネーも人生100年シフト! 勝間式ロジカル不老長寿

勝間和代 宝島社 2021.7.27読書日:2022.2.6 勝間和代が健康でゆとりある老後をロジカルに考えて実践している内容をまとめたもの。 このところの長寿関係の読書をしており、その延長で本書を選んでみた。長寿関連はとりあえずこれで終了かな。 ここ数年、勝…

Humankind 希望の歴史 人類が善き未来をつくるための18章

ルトガー・ブレグマン 訳・野中香方子(きょうこ) 文藝春秋 2021.7.30読書日:2022.1.20 オランダの革新的なジャーナリズムプラットフォーム「デ・コレスポンデント」の創設者のひとりである歴史家、ジャーナリストのブレグマンが、人類は基本的に善である…

ぼくはイエローでホワイトでちょっとブルー

ブレイディみかこ 新潮社 2019.6.20読書日:2022.1.7 中学生になった息子を中心に、イギリスの地方都市ブライトンの労働者階級の日常を描いたエッセイ。 これは面白かった。イギリス労働者階級の日常なんてなかなかリアルに表現されることはないのだが、実際…

反逆の神話[新版] 「反体制」はカネになる

ジョセフ・ヒース アンドルー・ポター 訳・栗原百代 早川書房2021.10.10(オリジナルは2014年、原著は2004年発行)読書日2022.1.2 1950年代に誕生したカウンターカルチャーは、政治的な反体制に結びつかず、単に文化的な差異として吸収され、その差異が…

無理ゲー社会

橘玲 小学館新書 2021.8.3読書日:2021.12.26 リベラルが目指す社会はメリトクラシー(能力主義)の社会であり、能力がない人は収入も結婚もできず、悲惨なディストピアを生きなければならず、その根本の解決策はないと主張する本。 サンデルの「実力も運の…

メディアの未来 歴史を学ぶことで、新聞、雑誌、ラジオ、テレビ、SNSの将来は導き出せる

ジャック・アタリ 訳・林昌宏 プレジデント社 2021.9.16読書日:2021.12.16 ジャック・アタリが、過去にメディアに起こったことは未来でも同じことが起こるに違いないから、このままテクノロジーが進むと恐るべき未来が訪れる可能性があるとし、いますぐ行動…

つながり過ぎた世界の先に

マルクス・ガブリエル インタビュー・大野和基 訳・高田亜樹 PHP新書 2021.3.30読書日:2021.12.9 哲学者マルクス・ガブリエルがコロナ後に資本主義は倫理資本主義に向かうと主張する本。 資本主義は倫理を取り入れなければならないということをいろんな…

ブルシット・ジョブ クソどうでもいい仕事の理論

デヴィッド・グレーバー 訳・酒井隆史、芳賀達彦、森田和樹 岩波書店 2020.7.29読書日:2021.12.5 アナキストの文化人類学者で「負債論」のグレーバーが、クソどうでもいいブルシット・ジョブが増えていると主張し、その社会的・歴史的背景、仕事の意味、そ…

人新世の「資本論」

斎藤幸平 集英社新書 2020.9.22読書日:2021.12.02 地球規模の環境破壊、温暖化は資本主義の失敗であり、これを解決するにはコモンズの考えに根ざした新しいコミュニズムが必要と主張する本。 マルクスの資本論は第1巻が発刊されたあと、続巻がなかなか発刊…

監視資本主義 人類の未来を賭けた闘い

ショシャナ・ズボフ 訳・野中香方子(きょうこ) 東洋経済新報社 2021.7.8読書日:2021.11.28 現代の巨大IT企業(主にグーグル、フェイスブック)は人間の情報をすべて集めてそこから利益をとるだけでなく、精神すらもコントロールしようとする邪悪な存在…

本物のエリートに会ったことがありますか? 「実力も運のうち」で思い出したこと

小ネタです。 前回の考察で、 エリートたちに、だから? といえる社会を作ろう。などと書いたが、自分でも違和感があった。だってエリートに会ったことないんだもの(笑)。 まあ、エリートと言っても範囲は広くて、人によっては、大学を卒業して上場企業に…

経済的平等の先にあるもの 「実力も運のうち」を読んで考えたこと

わしの平等に関する考え方はここに書いた。端的に言うと、ベーシックインカムで十分にお金を配ってしまい、また住宅すら配ってしまい、誰もがお金持ちに「へー、だから?」と言えるようにするというものだ。 だがしかし、これは経済的な話なのであって、いろ…

実力も運のうち 能力主義は正義か?

マイケル・サンデル 訳・鬼澤忍 早川書房 2021.4.21読書日:2021.11.8 能力主義(メリトクラシー)の負の局面が最大限に達して、いまや民主主義すらも危機にさらされており、寛容な公共社会につながる新たな共通善の構築が必要と主張する本。 日本語タイトル…

目的に合わない進化 進化と心身のミスマッチはなぜ起こる

アダム・ハート 訳・柴田譲治 原書房 2021.3.22読書日:2021.10.16 ヒトが作り上げた社会や文化のイノベーションが早すぎて、ゆっくりと進む進化は追いつけず、ミスマッチが起きていることを書いた本。 いくつかのトピックスについて、人間の進化が社会変化…

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