ヘタレ投資家ヘタレイヤンの読書録

個人投資家目線の読書録

依存症と人類 われわれはアルコール・薬物と共存できるのか

カール・エリック・フィッシャー 監修・松本俊彦 訳・小田嶋由美子 みすず書房 2023.4.10読書日:2023.7.6 本人のアルコール依存症との戦いを交えて、アメリカの依存症対策の歴史を述べた本。 なんかアメリカの政策って極端すぎる気がする。アルコールについ…

人間がいなくなった後の自然

カル・フリン 訳・木高恵子 草思社 2023.5.4読書日:2023.7.2 いろいろな理由で人がいなくなった廃墟を訪ねて、自然が回復していく様子を記した本。 子供の頃、空き地があると、そこに植物がどんどん育っていくのをよく観察してしていた。最初はもちろん雑草…

DIE WITH ZERO 人生が豊かになりすぎる究極のルール

ビル・パーキンス 訳・児島修 ダイヤモンド社 2020.9.29読書日:2023.6.28 人生でいちばん大切なのは経験であり、死ぬときにたくさんの思い出があることが重要で、すべてのお金はこうした経験に変えた方が良いと主張する本。 最初に著者のビルが働き始めた2…

母親になって後悔している

オルナ・ドーナト 訳・鹿田昌美 新潮社 2022.3.25読書日:2023.6.26 自分は母親になるべきではなかったし、別の人生を与えられたら子供は産みたくないと考えており、母親になったことを後悔している女性がいることを述べた本。 わしは母親になったことを後悔…

捨てられる日本 世界3大投資家が見通す戦慄の未来

ジム・ロジャーズ 監修・翻訳 花輪陽子 SBクリエイティブ 2023.2.15読書日:2023.6.21 冒険投資家のジム・ロジャーズが、日本はこのままでは世界から捨てられるとし、日本人は国を当てにしないで生きていかなくてはいけないと主張する本。 ジム・ロジャー…

叛逆航路

アン・レッキー 訳・赤尾秀子 東京創元社 2015.11.20読書日:2023.6.21 (ネタバレ注意) 星間国家ラドチの戦艦<トーレンの正義>は艦にも属躰(アンシラリー)と呼ばれる人間の死体を利用した兵士にも同時に存在するAIであったが、好意を寄せる副官オー…

千葉からほとんど出ない引きこもりの俺が、一度も海外に行ったことがないままルーマニア語の小説家になった話

済東鉄腸 左右社 2023.2.10読書日:2023.6.18 大学を卒業したものの就職しないまま引きこもりになり、膨大な映画を見て英語をマスターして未公開映画を中心に紹介するオンラインメディアを運営し、ルーマニア映画にハマってからはルーマニア語の勉強を始め、…

AI 2041 人工知能が変える20年後の未来

カイフー・リー(李開復)、チェン・チウファン(陳楸帆)、訳・中原尚哉 文藝春秋 2022.12.20読書日:2023.6.21 グーグルでAI研究をしていたカイフー・リーが2041年のAIが世の中に広がった世界を、実際に起こり得る10の未来を予想・解説し、それ…

静かな人の戦略書 騒がしすぎるこの世界で内向型が静かな力を発揮する法

ジル・チャン 訳・神崎朗子 ダイヤモンド社 2022.7.12読書日:2023.6.8 内向的な人には内向的な人なりの戦略があり、内向的な人でもリーダーシップを発揮することは可能だし、内向的な人こそ力を発揮する局面も多いと主張する本。 わしは自分が内向的なのか…

語学の天才まで1億光年

高野秀行 集英社インターナショナル 2022.9.10読書日:2023.6.7 辺境冒険家の高野秀行が、これまで巡ってきた語学遍歴(25ヶ国語以上とか)を披露して、人間の言語はどれも同じだと達観するに至った経緯を書いた本。 この本は図書館に驚くほどたくさんの予…

寿命が尽きるか、金が尽きるか、それが問題だ

こかじさら WAVE出版 2022.11.19読書日:2023.6.2 千葉に帰って90歳代の老父母と老叔父叔母の面倒を見ることになったライターの日々の嘆きを書いた本。 90代でも、みなさん、かなり元気なんですね。もちろん人間としては劣化が著しいのですが、とり…

生殖細胞の遺伝子編集の倫理について考える コードブレーカーを読んで考えたこと

コードブレーカーでは、中国の賀建奎(フー・ジェンクイ)がクリスパー・キャス9の技術を使って受精卵のゲノムを編集して、双子の赤ちゃんを誕生させた事件が登場する。 このときの遺伝子操作の名目は、この赤ちゃんのHIVウイルスへの感染を予防する、と…

コードブレーカー 生命科学革命と人類の未来

ウォルター・アイザックソン 訳・西村美佐子・野中香方子 文藝春秋 2022.11.10読書日:2023.6.1 遺伝子を任意の場所で切断するクリスパ−・キャス9の発見で2020年のノーベル化学賞を受賞した女性科学者ジェニファー・ダウドナを主人公に、遺伝子編集の最…

シン・養生論

五木寛之 幻冬舎新書 2023.3.30読書日:2023.5.19 90歳になった五木寛之が、本当の養生とは自分が実践している養生と、世間の空気と体調の関係、はたまたいま日本で作られつつある新しい老人像について述べた本。 この本を読んで、うーんと唸ってしまった…

SF超入門 「これから何が起きるのか」を知るための教養

冬木糸一 ダイヤモンド社 2023.2.28読書日:2023.5.25 はてなブログの「基本読書」でSF書評専門の冬木糸一が、SFは未来予測のための良質なツールであり、SF初心者のために56の書籍を分野別に紹介した本。 冬木さんの「基本読書」を読むときっと読み…

絵本のなかの動物はなぜ一列に歩いているのか 空間の絵本学

矢野智司、佐々木美砂 勁草書房 2023.2.20読書日:2023.5.23 絵本では動物などの新しいキャラクターが次々に出てきて、登場した動物たちはいろいろな空間的な配置で積み上がり、その積み上がった構造が崩壊するときにカタルシスが発生しているのだと主張し、…

真の「安定」を手に入れる シン・サラリーマン 名著300冊から導き出した人生100年時代の攻略法

サラタメ ダイヤモンド社 2021.12.7読書日:2023.5.21 人生100年時代を生き抜くには、ホワイトな企業でできるサラリーマンとして生活の安定を確保しながら、会社に頼らないための副業も行い、マネーリテラシーもしっかり身につけることが重要と主張する本…

なぜ男性の同性愛は絶滅しないのか 「男同士の絆」を読んで思ったこと

「男同士の絆」を読んで、わしが不思議に思ったのは、イギリスやアメリカでものすごくホモフォビア(同性愛嫌悪)が強いことだった。わしはとくに同性愛に嫌悪感がないので、余計にそう思う。 なぜ同性愛に嫌悪感がないかって? かつてわしの周りには結構ゲ…

男同士の絆 イギリス文学とホモソーシャルな欲望

イヴ・K・セジウィック 訳・上原早苗、亀沢美由紀 名古屋大学出版会 2001.2.20読書日:2023.5.19 ジェンダーを理解するには男同士のホモソーシャルな世界を理解する必要があるとし、イギリス文学を読み解くことでその構造を解明しようと試みた本。 この本は…

意味の変容

森敦 ちくま文庫 1991.3.26(オリジナルは1984年)読書日:2023.5.5 数学的なパラドックスの表現と自分の人生を重ね合わせて、パラドックス(矛盾)を含んでこそ世界全体を表現することができる、と文学的に表現したらしい本。 知り合いでときどき本を貸し借…

巨神のツール 俺の生存戦略 富編

ティム・フェリス 訳・川島睦保 東洋経済新報社 2022.10.20読書日:2023.5.13 巨神のツール、知性編、健康編についで第1巻目の富編。3分冊されて発行されたこのシリーズを逆の順番で読んでいくことになったが、カタログ集のようなものだから特に問題はない。…

心はこうして創られる 「即興する脳」の心理学

ニック・チェイター 訳・高橋達二、長谷川珈 講談社 2022.7.14読書日:2023.5.8 脳はその場限りの即興で物事を判断し、意味を作り出して意識に送るということを延々と行っており、意識には無意識といった深層構造は存在しないと主張する本。 たぶんここに書…

わしが陰謀と思うこと

「陰謀論」を読んだ。陰謀論といえば政治的な話が中心であるが、普通に世間で言われていることでも、これはなにかの陰謀ではないか、と思うことがある。 例えばそれは「幸福」という概念である。 どうも人は幸福にならなければいけないようだ。なにしろ日本…

陰謀論 民主主義を揺るがすメカニズム

秦正樹 中公新書 2022.10.25読書日:2023.5.2 陰謀論は外国だけではなく日本でも問題であり、何らかの信条を持っている人ほど陰謀論に陥りやすいことを、ネトウヨ出身の社会学者がデータにより明らかにした本。 陰謀論が恐るべき破壊力を持つということをま…

ベリングキャット デジタルハンター、国家の嘘を暴く

エリオット・ヒギンズ 訳・安原和見 筑摩書房読書日:2023.4.27 インターネットなどの公開された情報をもとに調査を行うオープンソース調査の手法を開拓したエリオット・ヒギンズが、ベリングキャットを設立し、パソコンとネットを武器にして国家などの巨大…

巨神のツール 俺の生存戦略 健康編

ティム・フェリス 訳・川島睦保 東洋経済新報社 2022.10.20読書日:2023.4.24 ティム・フェリスの「巨神のツール」シリーズの健康編。概ね、食事(ダイエット含む)、運動、瞑想、そしてなんとサイケな体験ができる薬物の話も載ってる。 いや、このサイケな…

習得への情熱 ーチェスから武術へー 上達するための、僕の意識的学習法

ジョッシュ・ウェイツキン 訳・吉田俊太郎 みすず書房 2015.8.18読書日:2023.4.20 「ボビー・フィッシャーを探して」という映画のモデルになったチェスの世界的選手のジョッシュ・ウェイツキンが、20代に太極拳にはまって太極拳の武術、推手でチャンピオ…

WHYから始めよ! インスパイア型リーダーはここが違う

サイモン・シネック 訳・栗木さつき 日本経済新聞社 2012.1.24読書日:2023.4.17 どうやるか(HOW)、何をやるか(WHAT)の前に、自分の存在意義はなにか(WHY)から始めたほうがうまくいくと主張する本。 というのは、うまくいかなかったときにW…

超圧縮 地球生物全史

ヘンリー・ジー 訳・竹内薫 ダイヤモンド社 2022.9.14読書日:2023.4.13 地球が誕生してから6〜8億年後に生命が誕生し、進化を続けてついには人類が大繁栄し、さらに人類の絶滅までも視野に入れる、壮大な地球生物全史をたった300ページに圧縮した本。 …

愛するよりも 愛されたい 令和言葉・奈良弁で訳した万葉集①

佐々木良 万葉社 2022.10.10読書日:2023.4.12 万葉集を奈良弁に翻訳したちょっとキワモノ(?)の翻訳歌集。 なんか興味を惹かれて読もうと思ったのだが、どの図書館にも置いていないのだった。なぜ?と思ったが、どうもこの本はアマゾンでしか発売していな…

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