ティム・フェリス 訳・川島睦保 東洋経済新報社 2022.10.20
読書日:2023.4.24
ティム・フェリスの「巨神のツール」シリーズの健康編。概ね、食事(ダイエット含む)、運動、瞑想、そしてなんとサイケな体験ができる薬物の話も載ってる。
いや、このサイケな薬物の体験はきっと日本では不可能でしょう。他の項目ではあげられている参考書は翻訳されているものもあるけれど、この薬物に関してはほとんど日本語になってる本がありません。いかに日本ではタブーかということでしょうか。
もちろん依存症になってはまずいですが、ティムによれば、マイクロドーズ(本当にマイクロg単位)の量を入れるだけで効果があるのだという。こうした精神薬物をいれると精神が解放されて、まるで脳がリセットされたような気がするのだそうだ。
リセットねえ。まあ、たまに脳みそをリセットしたくなるときもあるから、いいかもしれない。
そしてティムによれば、こうやってリセットされたときこそ、なにか新しいものを自分の中に取り入れるいいチャンスなんだという。このときに取り入れたものは、定着しやすいんだそうだ。
食事について言えば、糖質を抑えてケトン体質にすること一択のような印象だ。ケトン体質にすると、運動の能力も上がるという。なぜなら必要な酸素の量が減るので、持久力がアップするんだとか。
糖質をおさえるとカロリーが足りないので脂質で補う。何もしないと筋肉が減少するので、積極的に取る。コーヒーにココナッツオイルを入れるのがお勧めらしい。まあ、この辺はよく聞くので、わしはさっそくココナッツオイルを買ってきた。昔も試したことがあって、いまいちだと思っていたが、今回はおいしく感じた。続けてみようかと思う。
そうそう、週に1日はなにも制限しない食事を取ることが長続きするコツだそうです。週に1回だけだと優待を使い切れないなあ(苦笑)。
運動に関しては、世界を放浪するティムだから、持って歩ける機材で自重トレーニングをするのがお勧めらしい。いろいろな機材やトレーニング方法が紹介されている。
トレーニング方法として、パベル・サッソーリンの言っていた方法が気に入った。これは運動をするときに、限界までやるのではなく、限界の半分くらいの量で、時間をおいて何度もやるというものだ。例えば懸垂が10回できる人なら、5回を1日3回時間を置いてやったほうがいいという。なるほどねえ。パベル・サッソーリンの思想は、筋力と持久力を上げるもので、筋肉量を増やすウェイトトレーニングではないそうだ。
これを参考にして、一日のうちの数分の短い単位で軽い自重トレーニングを何回もするようにしてみた。わしも懸垂の回数が伸びなくて挫折していたが、懸垂の回数を減らして1日何度もやることを実行中だ。きっと数ヶ月後には効果があるんじゃないかな。ついでにスクワットや腕立て伏せも、軽く1日に何度もやるようにしてみている。なかなかいい感じ。
ひとりでやるトレーニングではなくて、二人でやるアクロヨガの話もある。性的な意味以外で身体を接触させること自体がなかなかよろしいらしい。
いま流行りのサウナについても熱く語っている。サウナ、わしはちっともそのメリットを感じないんだけど(整った経験はありません)、どうなんですかね。逆に、冷たい水に浸かることを勧めている場合もある。からだが活性化するんだそうだ。へー。
瞑想もいいかもしれない。
実はわしには困った事があって、なんでもない瞬間に突然、昔のどうでもいい失敗とかが心に浮かび上がってきて、心がかき乱されることがあるのだ。たまにならいいが、それが結構な割合である。PTSDとまでいかないが、マイクロPTSD程度ぐらいはある。こんなことをよく覚えているなというくらいだ。もうどうでもよい昔の話だし、対処のしようもないからまったく無駄なんだが、ひとつひとつそれに冷静に対応して、解きほぐして、こころを今に持ってこれればいいなあ。瞑想でこういう訓練ができる気がしてきた。
ともかく心を整える訓練をしたいなあ、と思う今日このごろなのです。
★★★★☆