佐々木良 万葉社 2022.10.10
読書日:2023.4.12
万葉集を奈良弁に翻訳したちょっとキワモノ(?)の翻訳歌集。
なんか興味を惹かれて読もうと思ったのだが、どの図書館にも置いていないのだった。なぜ?と思ったが、どうもこの本はアマゾンでしか発売していないらしい。きっと図書館とアマゾンは取引関係がないのだろう。でも既に6刷のベストセラーなんだから、なんとかしてくれないのかしら。
しょうがないので非常に珍しいことだが、アマゾンで注文した。しかもキンドルバージョンがないので、電子本派のわしだが、紙の本を買った。そういうわけで、読み終わったこの本を図書館に寄付してみようかと思うが、図書館は受け取ってくれるかしら? アマゾンを憎んでいるのなら受け取ってくれなかったりして。
どうでもいいけど、この本を読んで、大伴家持(おおとものやかもち)がむちゃくちゃモテるのだということがよく分かった。いろんな女子から恋歌を送られているのだ。しかし本人は初恋の女性と結婚しているらしい。へー。
どの訳も面白いけど、適当に2,3あげてみよう。
*******
(訳)
また会えるやんな?
次 会ったときには
手錠かけるからね♡
逃がさへんからね♡
覚悟しといてね♡
(元歌)
また逢はむ よしもあらぬか 白栲(しろたえ)の 我が衣手(ころもで)に いはひ留めむ
(意味)
大伴家持に片思いの粟田女娘子(あわたのめをとめ)が送った歌
*******
(訳)
愛の弓で
君のハート狙ってるでぇ
くんのかい? こんのかい?
こんのかい? くんのかい?
くんの? こんの?
(元歌)
梓弓(あずさゆみ) 引きみ緩へみ
来ずは来ず 来ば来そをなぞ 来ずは来ばそ
(意味)
相手が来たらハートを射抜くけど、来そうで来ない、やきもきしている男の歌。
*****(2023.10.1追記)
p.s. この本の作者が「激レアさんを連れてきた」に2023.9.25の回に出てた。題して「ギリギリの生活から抜け出すためギャル雑誌を読み漁った結果人生大逆転した人」。この人、崖っぷちのライターで、コロナでもらった給付金の10万円で出版社を設立して、この本を作ったんだって。でも売れないと思ったから、自分の結婚式の引出物に配ったら評判になったんだとか。ちなみに結婚した相手は現代奈良弁をチェックしてくれた女性で、初めて会ったときに、このひと好き、となって、その場で結婚を申し込んだら、なんと即答でOKをもらったんだとか(笑)。https://www.telasa.jp/videos/204026
ところで、買った本を図書館に寄付した件は、無事に受け取ってもらえて、結構な数の予約が現在付いています。
★★★☆☆