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真の「安定」を手に入れる シン・サラリーマン 名著300冊から導き出した人生100年時代の攻略法

サラタメ ダイヤモンド社 2021.12.7
読書日:2023.5.21

人生100年時代を生き抜くには、ホワイトな企業でできるサラリーマンとして生活の安定を確保しながら、会社に頼らないための副業も行い、マネーリテラシーもしっかり身につけることが重要と主張する本。

いやー、似たような内容を伝える本は多いけれど、本当にこれは決定版かも。なによりそんなに才能のない普通のサラリーマンにも無理なく実行できる内容になっており、たとえば副業にしても、始めるしきい値は相当低く感じる。この本は少なくとも今後5年間は有効だろうし、もしかしたら10年後にも古びてないかもしれない。ベストセラーになるはずである。

なにはともあれ、サラリーマンとしてしっかり成果を出すリーマン力を身につけるのが基本の考え方なので、その内容がこの本の半分以上を占める。

しかし、それは別に出世するためではない。そもそもこの本では、会社の寿命はそんなに長くないと達観していて、ひとつの会社にこだわるのではなく、どこに行ってもやっていける基本的な能力を身につけることを念頭に置いているのだ。

安定して生活できて、しかも副業をできるだけの時間を確保できるように、残業もなく、効率的にストレスなく仕事を処理できることが内容の中心なのだ。もしも残業だらけのブラック企業なら転職も辞さないという方向だ。

転職の軸も、基本的には個人の思いに沿えばよいのだが、副業を行うのが前提なので、著者はライフワークバランスを軸にするように勧める。

副業に関しては、ネットを使うことを前提として、自分にできることをさがして、できれば個人よりも企業を対象にビジネスを行い(個人はお金をあまり持っておらず、競争が熾烈だから)、最初はお金をかけずにいろいろやってみて、ずっとやっていけそうな仕事を見つけたら、小さな成果をこつこつと増やして、一人前になっていくようなそうとう地道な、農業的な方法を勧めている。これならじぶんでもなんとかなりそう、と言えるようなものだ。著者もいろいろやって、結局ユーチューバーで当てるまでに2年を費やしたという。

仕事がうまくいくようになったら、外注を積極的に活用することを勧めている。そうすることで、仕事の範囲を自分一人で行うよりも何倍にも広げることができるからだ。

しかし、そうとう副業で稼げるようになって資産を貯めるまでは、お金に働いてもらう投資はお勧めしないんだそうだ。投資は、結局、体力勝負となってお金をたくさん持っている方が勝つからだという。うーん、正しい投資をすれば、持っているお金の量は関係ないと思うけどねえ。少なくとも5000万円以上持ってから始めましょうということだった。

そして、お勧めの資産運用は、インデックス投資。日本を除く世界株への投資だそうだ。いや、まったくそのとおりでございます。これ以外にありえないよね。(わしはしないけど(笑))。

日本を除くのは、すでに日本ではリーマンとして副業として投資をしているのだから、日本を含めると分散投資にならないからだそうだ。

この本の内容は、ほとんどの日本のサラリーマン、つまりほとんどの日本人に、とても使える。とりあえず自分が困っている部分を見るだけでも非常によろしいのではないでしょうか。

著者は、この本をまとめるには今しかない、と感じて書いたんだそうだ。というのは、著者の仕事の範囲はいまどんどん広がっていて、もう何年かするとサラリーマンとしての感性を無くしてしまいそうだからという。

うーん、今後、サラタメさんがどんなふうになっていくのかも興味があるな。

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