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個人投資家目線の読書録

統計学の極意

デイヴィッド・シュピーゲルハルター 訳・宮本寿代 草思社 2024.2.29
読書日:2024.11.9

必要最小限の数式で統計学の全体を伝えることで米英でベストセラーとなった本。

日本では普通高校で理系と文系のどっちに進むか選択させられる。わしは理系を選んだが、理科が得意とかいうわけでもなく、まあ、できないわけではないというくらいのものだった。だから文系でもよかったのだが、ふと、文系は自分でも勉強できそうだが、理系は学校で習わないと自分から勉強しないような気がした。それは非常にまずい気がしたので、消去法で理系を選んだのだった。それは正解だったのだと思う。そうでないと、わしは大学進学後に量子力学に衝撃を受けることもなかっただろう。量子力学はさっぱり理解できないという意味で衝撃的だった。

このような志で理系に進んだのに、なんということかわしは大学で統計学の講義を取らなかったのだ。このことをいま非常に悔やんでいる。統計学は必修科目だったのだが、じつは講義を毎回受けなくても最後の試験に出席して名前さえ書けば通る状態だったのだ。そんな講義だったので、すっかり軽視してしまい、しかもつまらなさそうだから受けなかったのだが、しかし、受けていれば、きっと量子力学と同じくらい衝撃を受けただろう。まったく理解できないという意味で(笑)。

きっと今からでも遅くはない! というわけで、この本を手に取ったわけだが、いちおう分かりやすく書かれているので、なんとか付いて行けたと思うが、後半で確率が出てきたあたりから、だんだん分からなくなっていっていった。この辺は、何の何に対する確率かという部分が大混乱するのである。人間の言葉は確率を表現するのに不適切なんだと確信できるね。まあ、確率が定式化されたのが数100年前に過ぎないのだから仕方ないのかもしれないけど。

でもここでも、わしはなんとかついて行けたと思う。でも、最後のベイズ統計のところで、20世紀に統計学の大御所たちの間でベイズ統計を認めるかどうかで大議論になって、その議論の内容がいろいろ記載されているんだけど、いったい何が問題になっているのか、さっぱり理解できなかった。だから、結局、わしは統計についてなにも理解できていないことが理解できたのでした。

まあ、慰めとしては、統計学の大御所である著者のシュピーゲルハルターさんも、確率は苦手で自信がない、と告白されていることでしょうか(苦笑)。確率は直観に反することが多くて、人間という生物にはとても難しいと認めざるを得ないのだそうです。

まあ、もう少し統計を理解するべく努力してみようと思います。何度も繰り返してこの本を読めばいいのかもしれないけど、もう図書館に返さなくてはいけないし、別の人の本を読み比べたほうがいいような気がするので、ちょっと調べてみるかな。

細かい内容はともかく、統計学の骨格の構造はなんとなく理解できたと思う。

★★★★☆

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