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歴史は実験できるのか――自然実験が解き明かす人類史

ジャレド・ダイアモンド, Jared Diamond, ジェイムズ・A・ロビンソン, James A. Robinson 慶應義塾大学出版会 2018年6月6日
読書日:2018年07月15日


これってジャレド・ダイヤモンドが監修していなかったら、絶対に翻訳されなかっただろうな。まったく一般人が読んで楽しめるようにはなってません。

社会科学は自然科学のように環境がコントロールされた実験はできないから、どうするかという話ですが、だからと言って実験をあきらめるわけではなく、偶然にも似たような状況にある複数の例を統計処理を行い、比較することによって、ある程度科学的に確認することができます。これを人工的な実験と異なるという意味で、自然実験と言います。

この本では7つの自然実験の例を示していますが、挙げている事例の全てがこちらの興味を引く対象というわけでもないので、なんだかなあという感じです。しかもこれが自然実験と言えるのか、という事例も入っていますし。

例えば第2章の「アメリカ西武はなぜ移民が増えたのか」という章では、アメリカ西部とその他のフロンティア(アメリカ以外のイギリスの植民地(カナダ、オーストリアニュージーランド)、アルゼンチン、シベリア)と比較して、似たような経過をたどっていることなどを書いてあります。でもこれが本当に実験と言えるのか、かなり疑問。第3章の銀行制度の発展も、同じく実験とは言えないでしょう。

その一方では、それなりに興味深いものも。第5章の奴隷制度がアフリカに残したものや、第7章のフランス革命の拡大と自然実験はそれなりに興味深かったです。

ジャレド・ダイヤモンド自身が報告している同じイスパニョーラ島の東と西にあるドミニカ共和国とハイチの全く異なってしまった発展の違いは、書いてある内容よりもそんなことがあるのかという点でびっくりしました。

東アジアなら、北朝鮮と韓国の違いは自然実験になるかもしれませんが、どんな相違も、政治制度の違いで簡単に決着がついてしまいそうですね(苦笑)

まあ、一般の人が読んで面白いものでもなんでもないので、別に読まなくていいと思います。もうちょっとなんとかならなかったのかな。

★★☆☆☆

 


歴史は実験できるのか――自然実験が解き明かす人類史
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