ときどき目を疑うような記事を読むけど、これは久々に衝撃的だった。
社会学者の舞田敏彦氏によれば、日本人の15歳から24歳の25人にひとりは1日1食も取らないゼロ食だというのである。つまり食事をしない。土日ではない。平日の話である。
(https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2023/02/post-100869.php)
ダイエットとかで食べない人もいるだろうけど、これが異常であることは過去の数字と比べてみるとすぐに分かる。
2011年、1.6%
2016年、0.6%
2021年、4.0%
2011年も東日本大震災で社会が大混乱した年だということを考えると、2016年の0.6%が普通なんじゃないだろうか。4%はいくらなんでも多すぎる。
これは明らかに、自分から食べないのではなくて、食べられないのだ。
高校生から大学生あたりの学生に相当する15歳〜24歳が食事を取れないというのは胸が痛む。
15歳〜24歳だけではなくて、25歳〜34歳、35歳〜44歳、45歳〜54歳のゼロ食率もそれぞれ2.7%もある。これも異常だ。
2021年はコロナ禍という状況だったので特別と思いたいが、全体としてもゼロ食率がじわじわと、0.6%→0.7%→1.8%、と増えているのが気にかかる。
いくら貧困といっても、食べることすらできないとしたら、非常にまずい状況だ。ここはやはり何らかの公的支援が必要な段階ではないだろうか。自分からはなかなか言い出さない可能性が高いので、アウトリーチ(行政側から探索すること)が必要だろう。
舞田氏の元データは総務省の「社会生活基本調査」である。すると国も状況は分かっているということになる。
わしも1次データを見てみようと思って総務省にアクセスしてみたが、「社会生活基本調査」は範囲が広すぎて、どこをどう読み取ればいいのかよく分からなかった。
統計データを読み取って自分に必要なデータにまとめるのも、なかなか大変だ。やっぱり専門家の助けが必要ということだろう。