先週の7月26日(火)〜27日(水)放送のNHK総合、クローズアップ現代で、日本がお買い得になったという「バーゲン・ジャパン(1)、(2)」が放送された。(1)では不動産がお買い得、(2)では労働力がお買い得、という内容だった。
世間では日本がここまで安くなってしまったという嘆き節が聞こえるが、わしはこれを見て、日本経済復活を確信しました。実に素晴らしい。
順番に見ていこう。
(1)の不動産では、外国人が日本の不動産を買いまくっているという話だ。外国から見ると日本の不動産はとても安くお買い得に見えるらしい。東京だけではなく、ニセコの話が大きく取り上げられていた。でも何が問題なのかよくわからない。外国人に不動産を買ってもらっても、まったく問題はない。他のものなら、例えば貴重な文化財だとかが安く買われて外国に持って行っていかれてしまうと非常に問題だが、不動産なら持っていきようがないから、どうぞお買い上げください、としか言いようがない。この日本への投資は大歓迎だ。
しかし、まあ、そんなことよりも、(2)の労働力のほうが素晴らしい。まだ日本の労働力のほうが中国よりも3割ほど高いが、日本の国民の優秀さを加味すると割安だという。それで中国とか他のアジアの企業が日本に投資をしているのだという。マスクを作るような工場でも、日本で作ると品質が上がって不良品が減るので、中国で作るよりも結果的に有利なのだという。
さらには技術者だ。ハイアールの例が出ていたが、日本人技術者が、特に若手の優秀な技術者がとても安く使えて、その開発した技術で世界で勝負できると喜んでいる。ハイアールは日本の若手技術者にどんどん投資をすると言っている。日本の若手技術者も、ここに来れば給料はさほど変わらないが、新しい挑戦ができると喜んで転職してくるという。こうなってくると、技術者の取り合いが起きる気配だ。
もしかしたら、既存の日本の企業でも、これまでは従業員の給料を抑えることで利益を稼いできたが、今後はもっとうまく使って付加価値をつけないとだめだというふうに変わっていくかもしれない。
まあ、そういうこともあり得るだろう。しかし既存の企業がどうだというよりも、ともかくも、日本でビジネスを行うことが有利だと知れ渡ることが大事だ、と思った。とくに日本人自身に。
もしも世界的に見て優秀な労働力が安く使えるということで、日本で事業を行うと有利だということが常識になると、きっとビジネスを起こすときの心理的なバリアが低くなるだろう。もしかしたら、さほど付加価値が高くない商品でもやってみようと思うかもしれない。
わしは日本人のやってみようというアニマルスピリットに追い風が吹くことを期待しているのだ。有利な条件があればそれだけアニマルスピリットに火がつきやすいだろう。その有利な条件が円安であり、優秀で割安な労働力なのだ。
かつて日本が戦争の廃墟から復活するのに、1ドル360円という日本に有利な円安の為替設定が効果的だったことは間違いない。ともかく輸出すればお金が入るということで、いろいろなものが製造され、洪水のように輸出された。最初は品質も付加価値も二の次だった。しかしやがてそれではうまく行かなくなり、品質も付加価値も向上していくことになった。
だから、まずは打って出ようという気概があって、そういう人がたくさんいて、競争が起こった結果、品質、付加価値が上がっていくという順番ではないか。円安は明らかに、打って出ようという人を増やすだろう。まずはそこから始まって、次は付加価値に向かうだろう。たぶんこの順番であり、世間で言うように、まず付加価値を上げなければ、というのは順番が違うと思う。
さて、今後の復活は、製造業だけではないだろう。きっと金融、ソフト、科学技術、文化などのいろんな分野が売りになる。総合力というか、広い意味で無形のデザインが輸出の中心になるんじゃないかな。デザインはデジタルとも相性がいいよね。
日本経済は今後、力強さを増していくに違いない。なにしろいまやビジネスに有利な国ですからのう。きっと数年後に、日経平均もバブルの高値3万9千円を超えるでしょう。日本は戦後40年かかってバブルで頂点を極め、30年かかって底に達して、今後復活するのです。もちろん所得も上昇していくでしょう。
このブログを読んでいる人は、わしがいつも未来に超楽観的であることはご存知だと思います。いつも未来は明るいと言っているのですが、わしは最近ますます日本のポテンシャルに楽観的です。
本当に日本って世界に類例のない国ですよね。長年、日本はガラパゴスと揶揄されてきましたが、今後はガラパゴスが有利なんじゃないですかねえ。
というわけで、わしは円安に賛成。単純にビジネスを始めるのに有利な環境だから。ぜひ日銀には円安政策を今後も継続していただきたい。
バーゲン・ジャパン 世界に買われる“安い日本"(1)不動産
https://www.nhk.or.jp/gendai/articles/4690/
バーゲン・ジャパン 世界に買われる“安い日本”(2)労働力
https://www.nhk.or.jp/gendai/articles/4691/