ヘタレ投資家ヘタレイヤンの読書録

個人投資家目線の読書録

1%の努力

ひろゆき西村博之) ダイヤモンド社 2020.3.4
読書日:2021.10.25

人間、99%の努力をして成功するよりも、1%の努力で面白くだらだらと暮らせるほうがいいと思う人のために、コツを伝授する本。

ひろゆきの人気のこの本、投資をやっている人が読んだら、既視感ありありなんじゃないだろうか。なんというか、ひろゆきの思考パターンって投資をやりがち人にそっくりだ。

どんなところが似ているかと言うと次のようなところだ。

(1)生活コストを抑える

一般人が投資を始めようとしたら、まず元手は自分で用意するしかない。なので、普段の生活を切り詰めて、元手を蓄えようとする。そのせいか、質素な生活にはまったく抵抗のない人間が出来上がる。

赤羽の団地で育ったひろゆきは、まわりに貧乏人があふれていたので、質素な生活にはまったく抵抗がないそうだ。お金がなくても楽しく暮らすすべを持っているのだ。(昼間からぷらぷらしているおっちゃんがたくさんいたらしい)。

(2)だらだら暮らしたい

本当にだらだらかどうかは微妙だが、投資という行動は基本的に自分はがんばらない。がんばるのは投資先の人である。なので投資したら普通はそれ以上関わらない。あとは待機して、株価が上がったら売り、配当を受け取ることしかしない。

投資家はその間、他にもっといい投資先や方法がないかとかそんなことを考えながら生きていて、けっこういろいろ調べたりはしている。でもきっと他の人からはブラブラしていると思われるような人たちなんじゃないかな。(仕事をしていなければだけど)

ひろゆきは、いつでも好きなときに眠りたいという欲望がものすごく強いんだそうだ。なので、勤めることは諦めて、かわりに5000万円ためて3%の利子で生きていきたいとか夢想していた。その方法としては特許で一発当てたい、などと夢想していたようだ。

(3)ずっとなくならないものに投資する

投資対象としては、長期的に儲けたいのなら、人々がずっと必要としているものに投資するのがよい。その場合、市場占有率が高いほうがいい。有名な投資家バフェットがカミソリのジレットに投資したのはまさにそれが理由だ。カミソリは髭が生える限り必ず必要だから、需要がなくなることがない。また、こういう企業はいざというときも暴落しにくい。

ひろゆき2ちゃんねるを開設したが、匿名で好き勝手なことをいいたいという人々の需要はなくならないと確信していた。だから続けることができた。

(4)いつも余裕を持つ

チャンスはいつ来るかわかないので、余裕が必要だ。投資の場合は、あるとき突然株が暴落してバーゲンセールが始まる時がある。それはいつ来るかわからないので、常に資金に余裕を持たせておかなくてはいけない。

お金だけではなく、心にも余裕が必要だ。バーゲンセールが始まっても怖くて買えない人が多い。こういうときにさっと動ける人は、こういうふうになったらこうなると、つねにシミュレーションをしているような人だ。目の前に事にばかり気を取られていたら、こんなことはできない。余裕と知性が必要だ。

ひろゆきはつねにだらだらとして、片手を空けている心に余裕を持った状態でないとチャンスはつかめない、と言っている。

まあ、ざっとはこんなくらいかな。

一つの思考パターンにはまるなとか、ユニークじゃないと生き残れないとか、そんなこともいろいろ言ってるけど、わしは投資家の思考パターンをひろゆきの言葉に強く感じたな。

投資家的発想以外でそのとおりだと思ったのは、学級委員とかそういう一人だけ違った立場になる機会に積極的に手を挙げたというところ。これはまさしくいいアドバイスで、会社なんかでも、仕事以外でいろんな役割、たとえばSDGsの委員会みたいのができて職場から誰か出さなくてはいけない状況だったら、積極的に手を挙げたほうがいい。こういう他の人がやらないことをいくつか持ってると、なくてはならない人になれる可能性が高まる。

ひろゆきはいまパリに住んでいる。なんでパリに住んでいるかというとパリに住みたいからじゃなくて、やっぱり裁判で負けすぎて日本に居づらくなったからじゃないの? そしてアメリカとかイギリスのような英語圏にいないのは、やっぱり2ちゃんねるの英語版4chanでもいろいろ問題が起きているからじゃないかしら。(FBIに協力していると書いてるし)。

2ちゃんねるで、裁判がたくさん起きたことはひろゆきにとって本当に不本意だったらしく、自分は場所を提供しただけなのに、と怒っている。でも自分で管理人と名乗ってじっさい管理してたんだから単に管理責任を問われただけなんじゃないの、という気がする。

ひろゆきは「出すぎた杭は打たれない」と言ってるけど、ひろゆきの状況をみると、出すぎてやっぱり打たれているように見えるなあ。この状況に耐えられるというのはある意味すごい。でも、ストレスにならないんだね。(ひろゆきの定義からしてストレスになることはしていないはず。楽しんでいるはずだ)。

普通の投資家はたぶん、こういう面倒な事態になるのを嫌うと思うし、そういう意味ではここだけは投資家的とは言えない部分だ。

まあ、本人的には世界の中でこれだけユニークなことをやってるオレって思ってるのかもしれないけど。

でもこのパターンって、悪いことをしてお金を儲けた人が亡命するみたいなパターンだよね。ロシアのオリガルヒ(ソ連崩壊後のどさくさで金持ちになった人たち)とか。みんなロンドンとかパリとかに逃げた。

なんかひろゆきの先行きが少し心配だ。日本の法律だと、損害賠償の裁判で負けても時効は10年だけど、英語圏のどこかの国で裁判になったら、そんなにうまい具合に逃げられないかもしれない。

どうかずっとだらだらと生きて、大きな問題にもならずに過ごしていただきたいものです。まあ、わしには関係ないけどね。

★★★★☆

 

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