エドワード・フレンケル 文藝春秋 2015年7月13日
読書日:2016年04月25日 23:25
旧ソ連でユダヤ人であるがゆえに大学に進めず、それでもあきらめずに数学を続け、やがてあらゆる形式の数学がどれも同一のものを表しているという数学の大統一論に挑み、ソ連を脱出してアメリカで研究を続けるという、数学の最先端と自伝が一体になった本。
数学の本で久々に面白かったです。ユダヤ人差別の旧ソ連で、諦めずに数学の道をまい進した著者も偉いが、何百年にわたって数学を発展させてきた数学者の皆さんも偉いと思いました。
しかしそれにしても数学というのは不思議です。なぜこんなに物理と親和性のある構造になっているんだろうかと不思議でなりません。わしの考えでは、私たちが数学の世界を考えられるのも、具体的な肉体とか肉体を構成している時空とかの構造を通してなので、物理の限界がそのまま数学の限界になっているのではないかということでした。
そして、改めて素数の不思議には目を見張らされましたね。本当に素数って何でしょう。素数が分かれば、きっとすべてが繋がるんじゃないかなあと思いました。
★★★★★