このまえ20代の社員に、ある光学部品の動作原理がわからないから説明してほしい、と頼まれた。これがちょっとだけ面白かった。
その人はいちおう工学部の出身だったのだが、波面という波の概念すら知らなかったので、納得してもらうのに1時間ほどかかってしまった。
「ホイヘンスの原理って知ってるでしょ?」
というと、
「初めて聞いた」
というレベルだったので、まあ、仕方がない。
いちおう説明が終わって、
「波って不思議だよね。たとえば海の波も、海水はその場から動かず、波だけが動いていくんだから」
というと、
「そんな哲学的なことはどうでもいいです」
という反応。思わず、
「哲学じゃなくて、科学だよ」
と答えたけど、よく考えたら科学も昔は哲学の範疇だったわけだから、哲学と言っても、まあ、間違いではないかな、と考え直した。
話はなぜか量子力学のことになり、
「すべての物質は波でもあるんだよ」
というと、
「この机、とかもですか?」
というので、
「もちろん、波だよ。量子力学はそうだと教えている」
と答えたら、
「あり得ない!」
だそうです(笑)。
どうやら話は「哲学」から「魔法」の領域に入っていったらしいので、これで終わり。
なにしろ、もう残業時間に入っていたから、早く帰らなきゃね。