ヘタレ投資家ヘタレイヤンの読書録

個人投資家目線の読書録

熱烈中華食堂 日高屋 ラーメンが教えてくれた人生

神田正 開発社 2009.9.28
読書日:2023.10.9

日高屋を創業した神田正が自分の人生を振り返る本。

わしは日高屋が好きで、愛用している。わしが住んでいるところはラーメンの激戦区であるが(さいきん、激戦区でないところってあるのかしら?)、ラーメンは日高食堂の中華そば(390円、税込み)が一番おいしいんじゃないかと思ってる。もちろんハイデイ日高の株主になって株主優待も使っている。日高屋によれば、おいしいというよりも、飽きない味を目指しているんだそうだ。確かにそんな印象。もっともわしが一番食べているのは、野菜たっぷりタンメンなんですが。

神田正については、これまでもカンブリア宮殿などで知っていた。そのときに感動したのが、神田が店をめぐっていたときの話で、神田が気にしていたのが、従業員が元気で働いているか、なにか困っていないか、ということだったことだ。従業員ファーストなのである。

最近、また感動したニュースが、神田正が従業員に株を譲渡したという話である。これは2018年に次いで2回目だそうだ。こんなに従業員を大切にしている人は知らない。ラーメン屋は人がすべてというのが神田の考えなのだ。

というわけで、改めて本で読んでみたくなり、取り寄せて読んでみたが、最近涙腺が緩んでいるのか、あちこちで目頭が熱くなってしまった。貧乏で中卒から働いたが、転職ばかりしていた創業以前の話もそうだし、創業してからの苦労や、やっぱり従業員への感謝の気持には目がうるうるしてしまう。なんとも、わしは単純な人間なのである(笑)。

しかし本田技研で働いていて、しかも優秀と認められて将来は安泰だったのに、飽きたから辞めたというのは知らなかったなあ。どこで働いても、ともかく手を抜かずに一生懸命にやるから気に入られて、だけど辞めちゃうんだそうだ。辞めるというと、相手にびっくりされるという。そりゃそうだ。

ラーメン屋というのは個人がやるもので、従業員も何年かすると辞めて独立するという風潮の中で、弟たちは辞めずに残ってくれて、辞めさせないために京浜東北線の全駅前に店を作るという構想を作ったというのも面白い。最初から大きくしようとしたというよりも、夢を与えることで、一緒に働き続けたかったわけだ。会社組織をきちんと作ったのもそのためだ。

なにより上場したのが従業員にとって一番良かったんじゃないかな。上場企業で働いていることで誇りがもてるし。この業界ではじめて週休二日制を確立したというのも素晴らしい。歳をとった従業員のために焼き鳥屋を始めたというのもいいね。ともかく、従業員にはやめずにずっと働いてほしいという気持ちがあふれている。

というわけで、ハイデイ日高はわしがとても好きな会社で、日高屋も大好きなのだが、なぜか家族は日高屋には行ってくれないのだ。餃子の王将はオーケーなのにである。つまり餃子の王将は中華レストランとして認知されているのだが、日高屋は場末の町中華や屋台というイメージなのだ。そりゃそうだ。創業者自ら、屋台の雰囲気を出そうとしているといっているのだから。従業員もよく訓練されていて、いい店なのに。

この良さがわからないとはなんとも残念だなあ、と思いながら、わしは優待券で通ってるのです。ちょっと糖分を控えないといけない身なので、なかなか最近は行けてないんですけどね。でもずっと続いてほしいですね。大丈夫と思いますけど。

★★★★☆

 

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