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個人投資家目線の読書録

有限の中の無限 素数が作る有限体の不思議

西来路文朗 清水健一 講談社ブルーバックス B-2137 2020.5.20
読書日:2020.7.8

0,1,2と進んで、次が0に戻るような数字の体系のことを有限体というらしい。例えばカレンダーの曜日は7日ごとにぐるぐる回るから有限体と関係がある。時計もそうだ。このときの有限体で一回りする数字の数を「素数」に設定すると、とてもきれいな性質が現れて、びっくりする。

また特定の数字で割った余りについて考える合同式とも関係がある。

興奮するのは、ガロアがこの数字を複素数に相当する表現まで広げて、代数学の方程式の解にまで拡張するところだ。この章はあまりにびっくりしたので、読んでいるうちに電車の乗り換え駅をうっかり乗り過ごすところだった。

代数学に応用できるので、今はやりの楕円関数への展開までが述べられている。

証明についてはいい加減に読み飛ばしていて、数学の風景を楽しむ感じで読んでいます。とはいえ、おかげで、少しずつこの辺の数学的風景が埋まってきました。

素数はあまりにも不思議で、ときどきこういうものを読みたくなります。

 しかし本当にこういう数学の世界を探検している数学者の皆さんは、驚きの連続なんでしょうね。

ぜんぜん関係ないけど、わしの社員番号を素因数分解すると、487というけっこう大きな素数が入っていて、ちょっとうれしいです(笑)。

★★★★☆

 


有限の中の無限 素数がつくる有限体のふしぎ (ブルーバックス)

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