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中国の嫌がらせと岸田政権


福島原子力発電所の処理水の放出に対して中国が反発し、水産物を全面的に禁輸した。それに加えて中国から日本の原子力と関係のない施設に対して、6000件以上の嫌がらせ電話が届くようになった。

これに対して、わしが思ったことをここに記しておこうと思う。

まず中国側だが、多くの識者が述べているように、これは国内の不満を外に向けるためなのは明らかだろう。経済の成長率は鈍化し、若者の失業率は実質40%に達するのではないかと推定されている状況だ。福島原発の処理水放出が起きたことを奇貨として、国内の不満を外に向けるよう誘導しているのだろう。

こうして日本に対する嫌がらせ電話事件が起きた。

このニュースを見ながら、わしが思ったのは、岸田さんはラッキーだな、ということだった。

処理水の放出は風評被害が出ることが明らかだった。消費者が魚介類を買い控え、岸田政権に対する風当たりは強まることも明らかだった。支持率が下がり気味だった岸田政権にとって、いいことはひとつもないのである。

ところが、ここに嫌がらせ電話である。

これは明らかにやりすぎである。福島原発と全く関係ない一般の人々に迷惑をかけているのだから。日本中の人が、これは一体なんなんだと反発するだろう。こうして日本人の気持ちは、対中国で一致団結する。日本政府を非難することも、中国と同じことをするのか、とやりにくくなるだろう。

国内に問題があるときに、不満を外に向けることができれば良いのは、中国だけでなく日本も同じである。もしも中国がここまでやらなかったら、処理水放出に対する不満は岸田政権が一手に引き受けるざるを得なかった。だが、中国のおかげで、その不満の半分は中国が引き受けてくれることになった。岸田政権に対する風当たりは減ったのである。これは中国にとっても日本にとってもウィン・ウィンなのだ。(ただし、為政者にとってだけだが)。

もしかしたら、岸田さんはほくそ笑んだのではないか。中国ありがとう、と。

日本政府としては粛々と冷静に中国に対応するだけで良いし、水産業者に対する支援を強化すればよいだけである。日本の中国に対する水産物の輸出は年間1600億円。それを全部政府が買ってもいいくらいである。

さらに、国際的な注目を集めることで、中国の原子力発電所福島原発よりも多くのトリチウムを放出している事実も知られていくだろう。これもいいことだ。

それにしても中国である。

国内の不動産問題、地方政府の不良債権に対して本当に何もしないのだろうか。どういう手を打ってくるのか、固唾を飲んで、待っているんですけど(笑)。

まさか、日本への嫌がらせでやり過ごせる、とは思ってないでしょうね?

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