韓国でいま、興味深いことが進んでいます。
GDP世界11位の経済大国で、世界屈指のIT先進国の韓国が崩壊するかもしれません。
え、韓国が? 北朝鮮じゃなくて?
ええ、韓国が、です。
ベネズエラやカンボジアのような内部崩壊が、韓国で起きるかもしれないのです。
これまで崩壊した国家の多くは、共産主義や独裁国家の国です。資本主義国で民主国家が崩壊した例はほとんどありません。
もしも実際に崩壊するとすると、大変珍しい例になるでしょう。
韓国が崩壊する理由
韓国が崩壊するのは、ムン・ジェイン政権が北朝鮮と統合を進めようとしているからです。北朝鮮が核兵器を廃棄していれば、この統合は祝福されるかもしれません。しかしおそらく核兵器は廃棄されないでしょう。
にもかかわらず、韓国が米国や日本の忠告を無視して、一方的に北朝鮮との統合(仮にこの国を朝鮮連邦とする)を進める可能性があります。
韓国と米国は同盟を結んでいます。この同盟は北朝鮮から韓国を守るためのものですから、統合されれば、事実上、米韓同盟が終了することになります。
誕生した朝鮮連邦はおそらく西側の国からは認められません。
朝鮮連邦は北朝鮮と同じ扱いを受けるでしょうから、韓国の企業は、ドル決済ができなくなり、この結果、韓国の経済は崩壊します。
しかし、それ以前に、米韓同盟が終了することが間違いないと世界が信じた時点で、韓国に投資した外国の資金が引き上げられ、韓国経済は破綻すると思います。
つまり、
米韓同盟の終了=韓国の崩壊
ということになります。
でも、韓国ではなく、北朝鮮が崩壊するということはないのでしょうか? 国の場合、軍隊を掌握している方が強いのです。韓国軍と北朝鮮軍を比べると、圧倒的に北朝鮮軍の方が強いので、朝鮮連邦は実質、北朝鮮の国になります。それに何より北朝鮮は核を持っているのですから、北朝鮮が中心になるのは自明です。
参考:米韓同盟消滅(新潮新書)
韓国は自国が崩壊してもよいのか
韓国のムン・ジェイン政権は、北朝鮮との統合を目指している政権です。
ここで問題なのは、ムン・ジェイン政権が北朝鮮の思想、主体(チュチェ)思想を信じている人たちで構成されていることです。この人たちをチュサパと言います。
現在の北朝鮮が素晴らしいと信じている人たちですから、逆に言うと、現在の経済発展した韓国の姿自体が間違っていると考えています。
つまり、今の韓国を破壊したいと考えている人たちが政権を取っています。
このように国を破壊する意思を持っている人たちが権力を握ると、簡単に国は崩壊への道を進んでしまいます。
チュチェ思想は共産主義の亜流です。結局、共産主義に心酔すると、現実的な対応ができずに崩壊に道を歩むという共産主義国の過去の崩壊パターンは、変わっていないわけです。
参考:韓国は消滅への道にある 韓国壊乱 文在寅政権に何が起きているのか (PHP新書)
日本にどのようなインパクトがあるか
では、韓国が崩壊して、日本にどんなインパクトがあるでしょう。
韓国はこれまで日本から部品を大量に買っていただいたお客さんですが、韓国よりも中国の影響の方が大きいので、あまり影響は実感できないのではないでしょうか。逆に日本から購入できなくなるものがあると(例えば、シリコンウェハとか)、韓国の産業は甚大な影響を受けるでしょう。
一方、韓国から買わなければいけないものには、たとえばシェアの3/4を占めるDRAMや4割をしめるNANDフラッシュメモリー、100%の有機ELパネルが思い当たりますが、こういうものは制裁の例外とすることになるでしょう。韓国も積極的に売ってくるでしょうから問題はないでしょう。逆にこれぐらいしか影響がないというのが驚きです。
1997年に韓国経済が崩壊したときも、日本にはほとんど影響がなかったことを思い起こすといいかもしれません。経済的な影響は限定的です。
経済以上に、目の前に敵対的国家が誕生するという、地政学上のインパクトの方が大きいのではないでしょうか。これは大変なストレスになりますし、今の5兆円ほどの国防省の予算では足りなくなることは明らかです。すくなくとも倍の10兆円は必要になるのではないでしょうか。海上自衛隊、航空自衛隊、サイバー自衛隊の増強が行われるでしょう。
また韓国から大量の難民が日本に来る可能性があります。国民の5%が来ると仮定すると、250万人になります。金持ちはアメリカやカナダに逃げるでしょうから、日本に来るのはあまりお金のない人たちばかりでしょうね。
こういうことがあったとしても、日本に対する戦争が起きないなら、韓国崩壊の日本への影響は意外に少ないような気がします。したがって、日本人は、非常に興味深く、韓国の行く末を観察することができそうです。
北朝鮮が崩壊する方にかける人たち
もちろん、崩壊するのは韓国ではなく、北朝鮮であると考えている人たちはいます。例えば、冒険投資家で有名なジム・ロジャーズは、近々北朝鮮が崩壊し、韓国企業による北朝鮮への投資ブームが起きると考えています。そのため、例えば大韓航空に投資をしているそうです。(こちら)
私も通常ならば、北朝鮮の方が崩壊すると考えるでしょう。韓国が正常な普通の国家なら、ですが。
ジム・ロジャーズの楽観的な考えが正しければ、それに越したことはないと思います。
韓国経済はどの程度崩壊しやすいか
韓国経済はかなりもろいようです。
外貨準備は40兆円程度あることになっていますが、すぐに使える分は10兆円程度くらいのようです。なのでちょっとした衝撃で、外貨が不足してしまう可能性があります。(こちら)
そもそも韓国はいま、銀行に信用がなく、単独でドル決済ができないようです。ドル決済に必要な信用は日本の銀行がカバーしているそうです。したがって、日本が信用を与えることをやめれば、ただちに経済は破綻します。(こちら)
また家計の借金が150兆円を超え、GDPを越えているので、金利を上げると破綻者が続出し、社会不安になりかねません。したがって、ウォン安が起きても利上げは難しいのです。(こちら)。韓国政府は借金を棒引きにする徳政令を行いましたが、全体の借金の増加の歯止めにはなっていないようです。
ムン・ジェイン政権は経済音痴の人が多いと言います。外国に頼らなくても、チュチェ思想の自主独立路線で大丈夫だと思っているのかもしれません。そうでないと、日本やアメリカが韓国経済の生殺与奪を握っているのに、あれだけ傲慢な態度をとれることが、理解できません。
まとめ
・韓国が無理に北朝鮮との統合を進め、米韓同盟が終了すると、韓国は崩壊する。
・韓国は、自ら望んで崩壊の道を歩んでいる。
・日本への影響は、経済的なインパクトよりも、地政学的なインパクトの方が大きい。
・北朝鮮の方が崩壊すると信じている人もおり、韓国に投資しているが、お勧めできない。
・韓国経済は単独の信用がなく、米国、日本がいないと容易に崩壊する。