ジェームズ・R・フリン 太田出版 2015年5月28日
読書日:2018年10月06日
人類のIQが毎年伸び続けていて、それは性別や人種に関係なくのびている。これをフリン効果というらしいが、フリンというのはこの本の著者である。これだけ技術社会になっているのだから、人間の学習が幼少のころからそっち方面に向かっているというのは理解できる。
人間のIQは歳を取っても伸ばすことができるところがあって、それは言語能力である。言語能力をさらに伸ばすことで、全体のIQも伸ばすことができる。ところが、それによって分析能力(知覚統合)の項目が下がってしまう。なぜかは分かっていない。もしかしたら脳の言語領域が伸びるにつれて、分析に使用する領域である前頭前野を侵食しているのかもしれない。
そういった負担はあるものの、歳を取ってからも言語能力を鍛えた方が、いいことがありそうだ。
この本はあまり読みやすくない。眠くなるような数字の話が続くので、適当に流し読みして、結論だけ読むのがいいと思う。
人類のIQの伸びていいことがあるかというと、特にそういう感じはしなかった。そういう時代だから、時代に合った項目が学習によって伸びているだけである。違う時代になったら、違う項目が伸びるのだろう。
★★★☆☆