町田康 幻冬舎 2019.11.5
読書日:2020.4.20
酒を断った作家がそのことについてぐだぐだといろんなことを述べた本。
わしは前から言っているように依存症に興味がある。主にギャンブル依存症に興味があるのだが、それは自分が株式市場が開くだけけでわくわくするような体質だからだ。そういう意味ではアルコール依存症とか薬物依存症は違う気がする。何しろ身体の中には何の化学物質も入れていないんだからな。
というわけで読む気になったのだが、この作者は大酒のみではあるが、アルコール依存症とは明言してない。が、たぶん近い存在なのだろう。酒飲みをやめた理由は、あるときそう決めたので、自分でもわからないと言っているが、きっとこのままではだめだと自分で判断したからと推察する。でも、なぜ断酒を始めたかもはっきりしないのだから、他のこともはっきりせず、ぐだぐだするばかりである。
断酒についてそんなに書くこともないだろうから、こうしたグダグダした文章になるのは分かる。だがこのグダグダした文章は、たまに少し読む程度には良いんだろうが、一冊まるごとこんな感じではなかなか読むのが厳しい。これは何かの雑誌に連載されていたようだ。まあ、雑誌の連載なら、読めるかもしれないなあ。
これを読みながらなぜか高野秀行のことを考えていた。高野秀行は、まあ、酒は我慢できないみたいだが、アヘンを自分で作って常用していたのにそれを断つこともできるんだからすごいなあ、と思う。
最後には、自意識というか自己認識というか人生観みたいなところで持っていかれて終わりました。断酒が続くことをお祈りいたします。
★★☆☆☆