ローワン・ジェイコブセン 文藝春秋 2009年1月27日
読書日:2009年09月11日
「WHAT IS LIFE? 生命とは何か」のレビューで述べた、蜂群崩壊症候群については、この本で知ったのでした。短いレビューが残っていたので、掲載する。
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なんだかいま欧米ではハチ(セイヨウミツバチ)が大量に失踪しているんだそうだ。ハチに受粉をまかせっきりになっているアーモンド農場なんかでは危機的な状況が続いているという。
現在進行中の事件であり、結論はまだ得られていないものの、単一の原因(何かの流行病とか)ではなく、複合的な原因らしい。ひとつは農薬などの汚染であり、ひとつは抗生物質や人工的な餌の大量投与であり、もうひとつはストレスらしい。簡単に言えば、工業的な農業の限界が、もっとも弱いリンクであるミツバチに現れているというのが著者の見立てである。
アメリカは一大農業国家だが、もしかしたらその将来は非常に危ういものかもしれない。アメリカや中国の農業が壊滅すると、日本なんかが一番やばいんだろうな、と思った。
いっぽう、ミツバチを飼うのは楽しそうで、将来田舎に住む機会があったら、やってみたいと思った。
★★★★☆