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中古典のすすめ

斎藤美奈子 紀伊国屋書店 2020.9.10
読書日:2021.2.8

かつてベストセラーだったもので古典に入りそうな本を紹介する本。

斎藤美奈子によると、古典になる本はまず発売された当時、評判にならないといけないという。どんなに傑作でも人の目にとまらなかった本は消えていく。なので、結局ベストセラーのうちから古典になる本が出てくる。

というわけで、1960年代から80年代にかけてのベストセラーから、たぶんあまり考えもなしにチョイスして、いま読んで傑作と言えるか、いまでも通用するかという観点から、読み直したもの。

全部で48冊ありますが、えー、個人的には読んだことがないものばかりです(苦笑)。数えたら、読んだ本は8冊だけありました。読んだものも中身は忘れている場合がほとんどですね。こんな内容だったっけ?と首を傾げてばかりでした。

そもそもあまりベストセラーを読まない体質です。まあ、それはこの読書録の見てもわかると思います。読んだ本の中には、図書館で予約して何か月も待ってやっと来たと思ったら、誰も読んだ形跡がないというものも多数含まれています。

この本のなかから、読んでみようかな、という本をあげてみましょう。

・窓際のトットちゃん
 読んだことないですね。でも、読んだ気になっております。あちこちで紹介されていますからね。まあ、一度ちゃんと読んでみてもいいかも。

・サンダカン八番娼館
 こんな本があるとは初めて知りました。しかし、えげつない取材過程も含めて興味がわきました。従軍慰安婦問題のからみで読んでみてもいいかも。

兎の眼
 これも題名と大体の内容は知っていますが、読んだことないですね。

原発ジプシー
 これは知らなかったのですが、原発関連の古典みたいなので、読んでみてもいいかも。

桃尻娘
 映画をTVで観たことがあるような気がする。でも微妙な作品だなあ。

・キッチン
 読んだことないなあ。内容も知らない。今回初めてどんな内容なのか知りました。

・極東セレナーデ
 存在自体をはじめて知りました。

良いおっぱい悪いおっぱい
 この本がというよりも、家族の内実を現在にいたるまでずっと書き続けているという、こういうビジネスモデルの先駆けとしてとても興味を持ちました。すでに関連本が10冊以上出ていて、作者も60歳になってもまだ自分と家族の話を続けているということらしいです。うーん、素晴らしい。

さて、紹介されている過去のベストセラーですが、小説はそんなに多くない印象。こうやって見ると、小説で古典として生き残るのは、そうとう難しいですね。ノンフィクションなら、時代の証言という価値もある気がしますが、小説の場合は人間の感性自体が時代とともに大幅に変化するので、心理描写の部分で耐えられなかったりしますからねえ。

小説はノベルとも言いますが、これは「新しい」という意味ですから、新しいことに価値があるわけで、小説が古典になるのは厳しいですね。

★★★☆☆

 


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