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87歳、古い団地で愉しむ ひとりの暮らし

多良美智子 すばる舎 2022.3.30
読書日:2023.3.5

87歳の著者が、古い団地でお金もあまり使わない豊かな暮らしを紹介した本。

最近、この手の高齢者が質素だが豊かに満足して暮らす様子を書いた本がベストセラーになっている。というわけで、読んでみようと思い、何冊か予約したうちの一冊目が届いた。

著者の美智子さんは夫婦でずっと団地住まいで、子供が独立してからは夫婦で住み、夫を7年前に亡くしてからはひとりで住んでいる。入居した当時は新築だったが、いまでは築55年の古い団地になっている。

部屋は4階だがもちろんエレベーターはない。1階に空き部屋もあるから移ったらと言われるが、美智子さんはインテリアが趣味で、自分好みに部屋を飾っており、一からやり直すのは億劫なので、いまでも4階に住んでおり、健康のためだと階段を登っている。

美智子さんは自分のやりたいことに正直で、やりたと思ったらぐずぐずせずにすぐに取り掛かるのだそうだ。65歳で調理師免許を取って、店で働いたりしているし、歌の会にも、書道の会にも参加している。ミシンが苦手だが、手縫いでいろいろ作っているようだ。

最近、始めたのはなんとユーチューバーで、孫が撮ってくれた映像をアップしている。はじめは家族で共有するためのものだったが、やがて何100万回も再生されるような人気コンテンツになったそうだ。(もちろん、出版社もこのように彼女がすでに客を掴んでいるから、出版を企画しているのである)。

健康に良いことはすぐに試して見る方で、最近ではお米を食べるのを止めて、オートミールの米化したものを食べているそうだ。朝はプロテイン入りのスムージーだそうで、ものすごく最新の食事だ。

毎朝のラジオ体操を欠かさず、体操のあとは15分のウォーキングを欠かさないという。

夫がなくなったときには、なんと22万円の自宅での家族葬だったそうで、自分も亡くなったら質素に送ってほしいという。

年金だけで生活するようにしてきたが、最近は貯めていてもしょうがないと、貯金を孫や自分のために使っているという。

団地の居心地が良いので、孫が住みたいと言っているが、付かず離れずの関係が良いと、それは断っているそうだ。周りの人とも薄い関係をたくさん築いている。

そうだねえ、わしも結婚前は公団に住んでいて、ものすごく安い家賃で過ごしやすかったので、団地には親近感がある。でもURになってからは、前住んでいたところも家賃は5倍以上になっていて、今ではとても住めないな。特に年金生活になってしまったら無理。でも、郊外の団地にはまだ安く住めるところもある。こういうところは交通も不便だけど、いざとなったらそういうところに住んでみるのも良いかもね。

★★★★☆

 

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