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読書という荒野

見城 徹 幻冬舎 2018年6月6日
読書日:2018年09月09日

戦争体験を別にすれば、読書体験こそがもっとも人間の幅を広げるのに有効と主張する本。自分に影響を与えた読書を振り返りつつ、熱く語る。

少年青年時代に読んでいた本を聞くと、わしと重なるところが結構あって、びっくりした。だが、同じ本を読んでいても、著者と真逆といっていいほどの逆の影響を受けている。例えば、著者は真の読書人は左翼に傾倒するという。だが、わしは逆に左翼を嫌悪する方向に行ったので、まったく逆である。わしは左翼の理想主義に眉唾を感じたのだから。

逆に、リバタリアン系の本を全く紹介していないのはどうしてなのだろう。例えばアイン・ランドの本はわしがこれだけ影響を受けているというのに。(日本で出版されたのは確かに21世紀に入ってからだが)。

でも、たぶん、もっとも大きな違いは、わしが影響を受けたSF系の本が全くないことだろう。そして社会科学系、科学系の本も全くない。つまり、氏が影響をうけたのは、ほぼ全てが文学しかないのである。

だが、一番興味深いのは、編集者になるまでの読書体験はとても参考になるのに、編集者になってからの話が急に薄っぺらになってしまうこと。「編集者という病」をすでに読んでいるせいもあるのかもしれないが、編集者になってからの読書は、著者にとっては付け足し的なものなのかもしれない。学生運動を全うできなかったという負い目を払しょくするための…。

★★★★☆

 


読書という荒野 (NewsPicks Book)

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