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謎のアジア納豆: そして帰ってきた〈日本納豆〉

高野秀行 新潮社 2016年4月27日
読書日:2016年08月21日

敬愛する高野さんの新作だけど、ネタが切れないことに感心する。そしていつも思いがけない視点を提供してくれる。

今回のアジア納豆もコツンと頭を軽く殴られたように感じた。こんなにアジアに納豆が広がっていたことに、そしてそれが今まで全く知られていなかったことにびっくりだ。

しかし、アジア納豆が広がっているところが中国の雲南からミャンマーの奥地であり、最近ようやく外国人が行けるようになった地域ばかりということで、今まで知られなかったことも納得だ。

そしてそれらの地域が海から遠く離れていて、手軽に海のうま味を得られないところというのも納得。納豆は納豆自体を食するというよりも、あらゆる料理に混ぜられて、料理のうま味に使われているのだ。

もう一つ、納豆菌が稲藁だけでなく、ほとんどの植物の葉についていて、ゆでた大豆にその葉を混ぜ、暖かく保存しておくだけで納豆ができてしまうことにも、目からうろこ状態です。

面白いのは、世界各国、日本各地に足を伸ばす高野さんですが、なんか日本よりも外国に行くときの方が軽快に思えること。この辺は高野さんの面目躍如なところがあります。

この本を読んでいるとしきりに納豆が食べたくなり、いつもよりも余計に納豆のパックに手が伸びました。(笑)

★★★★★


謎のアジア納豆―そして帰ってきた〈日本納豆〉―

 

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