シバター KADOKAWA 2022.5.26
読書日:2023.10.23
YouTuberのシバターが、これまでの生い立ちと意外に堅実な人生観を披露する本。
なぜこんな本を読んだかと言うと、息子が格闘技ファンで、面白いから読んだほうがいいとわしに回してくれたからだ。というわけで、面白い本はみんなで回しあいましょう。
炎上系と言われがちなシバターであるが、自分から炎上させているわけではないという。炎上しているやつに絡んでいるだけなんだそうだ。炎上させているように見えても、それはかなり演出なんだそうだ。それも相手がちゃんと相手をしてくれるから成り立つ話で、たとえば朝倉未来はうまく相手をしてくれるので、一緒にやると盛り上がったそうだ。中川翔子の前でズボンを脱いだという話も、ベルトを外してジッパーを下げただけで、パンツは見せていないという。全部やらなくても、十分視聴者にアピールできるのだという。
YouTubeの制作でもリスクを減らす努力は欠かせない。法律違反はもちろんやってはいけないし、一時的に注目を得るようなことはしないで、ずっと続けられるようなことをする。たとえば時事ネタなんかがネタが尽きることはないのでよいそうだ。
お金に関しても堅実だ。大金を手にしても、生活レベルとあげると失敗するという。それは次の年に税金を払わなくてはいけないことに気がつかないからだそうだ。
YouTuberとしての目標は現状維持だそうだ。今後これ以上収益がアップすることはないと踏んでいるのだ。なるべく収益化できる時期を伸ばす作戦らしい。
パチンコのチャンネルも持っていて、パチンコをしている動画を流しているのだが、これは営業だそうで、お金をもらってやっているんだそうだ。格闘技だけではなくて、番組内容も複線化しているのだ。リスク管理が素晴らしい。
いまは愛媛に住んでいるらしい。結婚して妻の実家のあるところに引っ越したのだ。地方で生活すれば、好きな釣りもできて、生活レベルも上げずにすむ。
そんなわけで、この本は、リスク管理、セーフティライン遵守、陰キャ、防御型、地に足、現状維持という守り中心の発想の言葉に満ち溢れている。なんか投資家みたい。というかフリーランスで一種の事業家だから、当然のことなのかもしれないが。
格闘家に憧れてRIZINの舞台に立って2勝あげることができた。マンガ家も目指して、これは成功しなかったが、マンガ雑誌の編集も1年やった。これはYouTubeの制作に役立っているそうだ。いちおう、自分の目標は達成して、リスク管理も徹底している。シバター、なかなかいいね。
★★★☆☆