永守重信 サンマーク出版 2021.11.25
読書日:2022.8.17
日本電産創業者の永守重信が自身の経営に対する信念を述べた本。
永守重信の本は何年かごと、最近では毎年のように出版されていて、これまで何冊か読んだことがあるが、ほぼどれも同じである(笑)。
曰く、子供の頃は貧乏、創業して3人の従業員しかいなかったころから1兆円企業になると公言、もっとも良い採用方法は早食いであり学歴は関係ない、一番以外は全部ビリ、買収した企業の首切りはしない、「すぐやる、必ずやる、出来るまでやる」を徹底、などである。これに最近の話題を適宜組み合わせると新刊の完成である。最近の話題は大学の運営とか、EVの話だろうか。
でも、わしは物覚えが悪いから、同じ話でもへーと思えることろがあるし、読んでいて面白いし、元気がもらえるのが何よりだ。
この本を読んで、へーと思ったところを書こう。
永守さんは貧乏だったので高校時代からいろいろなバイトをしたのだが、高校になってから自宅で塾を開いたのだそうだ。最初は8人だったが評判になり、最終的には80人になった。そこでお金を儲けて始めたのが、株式投資だったんだそうだ。上の学校に進んでからも、就職してからも株式投資は続けていて、その資産総額は億の桁に達していたんだそうだ。
なんと永守さんは、元祖億り人だったのだ。しかも1960年代の億だから、いまの価値だと10億円くらいだったかもしれない。
就職してから誰にもまったく忖度なしに仕事をして好きなことをしてきたのは、このような財産があったからだという。
うーん、そりゃそうだね。わしもあまり忖度しないほうだけど、若いときにこれだけ資産があれば、まったく忖度なんて必要ない。
FIRE(経済的に自立して早く仕事を辞める)というのは、前半の経済的に自立するという所に意味があるのであって、仕事を辞めるとか辞めないとかはどうでもいいことである。経済的に自立したときの自由を味わうことが重要なのだ。
というわけで、辞めるにしても、辞めたあとに何をするのかを考えることを忘れずに。
★★★★☆