この内容は書かないでおこうかと思っていたのですが、クーリエ・ジャポンの今月の本棚で読んだ本の感想を書こうと思っていたら、講談社のシステム障害で読めなくなって、なんか頭にきて(笑)、こっちを書くことにしました。
トランプさんは自分のことをタリフマンと呼ぶくらい関税にこだわってますが、おかげでこちらも関税について少し勉強することになりました。
普通、関税をかけるとその分そのまま物価が上昇すると言われていますが、それは間違いです。消費量がむちゃくちゃ大きい国に限定ですが、そのような国が関税をかけると、ふつう関税の上がり方よりも低い物価の上がり方になります。それはこういう理屈です。
大国が関税をかける → 大国の輸入が減る → 大国以外の世界で製品があふれ値段が下がる → 輸入物価もその分下がる
というわけで関税よりも低い物価上昇率になるのです。しかしむちゃくちゃ高関税をかけると、やっぱりそういう影響はなくなるので限度があります。アメリカの場合の最適な関税率は20%と言われています。20%程度にすれば、物価の上昇を抑えつつ、関税収入も得られます。(最適関税理論については例えばここ)
そういうわけで、関税が最終的に何%になるのかが注目ポイントでした。
最初の頃(2025年3月頃)、50%とかものすごい税率をかけたので、これではアメリカのインフレは必至と見られましたが、交渉の結果、現在ほとんどの国に対する税率は15%程度になっているでしょう? これはほぼ最適な関税率です。
わしは感嘆してしまいました。これはトランプの直感なのでしょうか、それとも側近たちが常識を持っていてトランプにそれを納得させることに成功したのでしょうか。
まだ中国との交渉が残っているのでなんとも言えないところがあるのですが、たとえば中国との関税が30%以下なら(現在30%)、中国側もなんとか対応して(実質的に値下げして)、アメリカの輸入量は少し減るくらいで変わらないのではないでしょうか。中国のアメリカへの輸出依存度が15%以下で影響は限られるので、中国も納得するのでは。
関税により値段もそれほど上がらず、輸入量もあまり減らないとすると、アメリカに製造業が帰ってくることほそれほどではなく、したがって労働者の立場も改善されず、一方、トランプ政権は関税で得た莫大な資金を使って減税を行い富裕層だけが潤う、という展開も考えられるわけです。労働者たちへの裏切りとも言える状況ですが、それでも労働者たちがトランプを支持するのかと言うと、きっと彼らがそのことに気がつくのはトランプが去ったあとでしょう。
というわけで、関税には興味がなかったのですが、トランプ政権になって初めて最適関税理論というものがあることを知りました。それについては良かった。ずいぶん昔からある古典的な理論のようですが、世の中知らないことだらけです。
とまあ、いつものように、適当なことを述べてみました(笑)。

