ジョゼフ・グエン 訳・矢島麻里子 ディスカバリー・トゥエンティーワン 2024.1.26
読書日:2025.5.21
ネガティブな感情の原因は自分の思考であり、考えることをやめて思考を捨て、フローな精神状態を保てればポジティブになれ、うまくいくと主張する本。
まあ、この本の内容は本当に冒頭の紹介文で終わりなんですが(笑)、たぶんアドラー心理学をかじった人にとっては自明のことでしょう。
生きていくということは、幸福でも不幸でもなく、ポジティブでもネガティブでもなく、ただ生きているということであり、感情というものは自分が必要に応じて作り出している、というのが、(わしの理解する)アドラー心理学です。
ネガティブな感情というのが自分で生み出しているのだということが理解できさえすれば、ほぼこの問題は解決できたようなものなのでしょう。
そして大切なのは、ネガティブな考えが悪いからといって、ポジティブに考えることが解決策ではないということです。
本当にポジティブでうまく行っているときは、いま自分はポジティブだ、などとは考えていないのです。考えることもなく自然と考えが自分の奥底から考えが生まれ、体がスムーズに動いていく、そういう状態がいい状態なのだといいます。
つまりこれは、いわゆる、フロー状態ということです。
フロー状態を生み出せれば、それが最高の状態なのであり、心が整っているという状態なのです。
その状態を生み出すには瞑想とか、ストレスを生み出すようなものを自分から遠ざけるとか、いろいろあります。でも、結局、ネガティブは感情なのであり、それは自分で生み出している、ということを理解するのが大切なんだろうなあ、と思うわけです。
そして、人は常に何も考えないということは不可能ですので、そういう状態になったときに気がつくのが大切なんだろうな、と思うわけです。
この本では、ときどき、「宇宙意識」とか「宇宙エネルギー」とかいうあっち系の単語が飛び交いますが(笑)、まあ、言っていることは正しいと思います。
考えすぎずに、ただ生きたいですね。
★★★★☆