坊主 ダイヤモンド社 2024.2.27
読書日:2024.7.25
X(旧ツイッター)で大喜利を主催している坊主さんが、大喜利の優秀者の作品をもとに、面白い発想が生まれる極意を伝える本。
なんか最近、この系統の本を読むことが多い。その内容はトークだったり、脚本だったりするんだけど、なぜか時期が重なってしまう。本を読んでいるとこういうふうに同じ時期に同じようなテーマに手を出すことが多い。たぶん、心が求めているんだろう。
というわけで大喜利なんだけど、そもそも人は、「何か面白い話をして」と言われても何も思いつかないという。そりゃそうだ。ところが、何か制約条件を与えられると頭が回りだして、いろいろ思いつく。それが「お題」なのだと言う。
わしはもうこの辺で、なるほどなあと思ってしまった。確かにそうだ。大喜利に限らずどんなテーマのアイディアでも、まず課題や問題の設定が素晴らしければ、それだけで素晴らしいものができる可能性が高い。
実際、お題を考えることは結構大変らしい。そしてお題を思いつく人は雑談の帝王になれるんだそうだ。適切なお題を設定することで、周りの人がどんどん話題を広げてくれて、その場が盛り上がる。
例えば、「世界の3大〇〇」というのは便利なお題なんだそうだ。相手が音楽な好きな人と言ったら、「日本の3大名曲といえば、『世界にたった一つだけの花』『上を向いて歩こう』。あとひとつは?」などというお題を出して、相手に考えてもらう。
相手が「部下のメールの返信が遅いんだよね」と不満を言ったら、「メールの遅い人のあるあるってあるかな?」とお題を出してみる。人はいろんなことに不満があるから、不満の数だけお題が作れる。そうして不満を笑いに変えていければ、世の中明るくなるかもしれない。
そういえば、わしも雑談のときには質問ばかりしていて、自分のことはあんまり話さないなあ。まあ、雑談もちょっと苦手なんだけど。
**** メモ ****
大喜利のキホン:よい回答を作るには焦らなくても良いそうだ。プロじゃないんだから、時間をかけても良いのだ。紙とペンを用意してじっくり取り組もう。
(ステップ1)素材を集める工程。思いついたことを書き出してみる。しかし突飛なことを考えればいいというわけではない。お題をフラットに読んで、お題の「制約条件」をきちんと把握する。制約条件に沿った回答でないと、皆にうまいと思ってもらえない。その上で、様々な方法でいろんな素材を出す。それには、別人になったつもりになったり(擬人化)、自分のだめな部分に当てはめたり(自虐化)、誰もが体験することだったり(あるある)、意地悪モードで考えたり(うすうす)、とりとめもなく連想して広がっていくこと(妄想)、などを素材として集める。
(ステップ2)素材をどう表現するかを考える。ミスリードさせたり(フリとオチ)、怖いと笑いは紙一重な回答したり(緊張感)、逆の立場から答えたり(逆張り)、あえて仰々しくしたり(過剰)、似ているもので表現したり(比喩)、韻を踏んだり、五七五で答えたり(リズム)、進次郎的に当たり前のことを堂々と言ったり(パロディ)、して作品としてまとめる。
★★★☆☆