松本真由美 ワニブックス 2023.12.25
読書日:2024.4.30
元国連職員でロンドン在住の松本真由美が、日本人に知られていない外国のニュースや実際に体験したことをもとに、日本人がありがたがっている他の先進国もじつはダメダメで、日本のシステムがいかによいかを主張する本。
うーん、読んでみて、このフォーマットを開発したことに感心した。つまり、あまり良く知られていない外国のニュースや事情を話して読者の好奇心を満たしつつ、外国をディスって、最後は日本スゴイと持ち上げるという。まあ、最近のTVのバラエティによくある形態なんですけど、このフォーマットでシリーズ43万部突破だそうですから、大したものです。日本スゴイと言いながら、本人はロンドンに住んでいるのがなんとも。
ただし、「イスラエル対ハマス戦争」について、日本人は何も知らないということで、歴史的経緯をわかりやすいようにガザ地区を日本の足立区に例えて語っていますけど、いや、これ、まったく分かりません(苦笑)。かえってわかりにくくなってしまっている。編集者の人はなんとかしようと思わなかったのかしら?
まあ、面白かったと思うトピックスをいくつかあげると次の通り。
(1)LGBTQをやりすぎて悲惨なことに
水泳の競技大会で、トランスジェンダーでもと男性の選手が女性更衣室で男性器丸出しで着替え始めて大騒ぎに。スポーツは自認する性別ではなく、生物的な性別で勝負すべきと主張すると、待ち伏せされて怪我を負わせられる。元男性のトランスジェンダーの暴力がすごすぎる。
(2)ルッキズ
人を見た目で評価するルッキズムが西洋では強くて、広告業界や金融業界では見た目が悪い人、歯並びが悪い人はほとんどいないし、白人ばかり。日本人がイメージする西洋の多様性は、底辺のきつい仕事のところに行かないと見られないという。
(3)AIで失業するケニアの宿題外注業者
イギリス人の子供は宿題を外注するんだそうだ。もちろんコストの安い外国に。コレ自体驚きだけど、これは英語が国際語だからできることで、日本だと日本人に発注することになるだろうから、コスト高で割りに合わないだろうな。で、最近はAIで宿題ができるようになったので、これらの人たちが失業してるんだそうだ。AIで失業する人って話だけど、やっぱり知識産業の末端の人たちが最初に影響を受けるんだね。
(4)漫画太郎の絵本がロンドンの子どもたちでは人気
漫画太郎って絵本を書いていたのか。気になって読んでみたが、なるほど、これはいままでになかったパターンかも。
まあ、こんなところで。
★★★☆☆