ヘタレ投資家ヘタレイヤンの読書録

個人投資家目線の読書録

高次元空間を見る方法 次元が増えるとどんな不思議が起こるのか

小笠英志 講談社 2019.9.20
読書日:2022.12.30

3次元以上の高次元空間をイメージする方法を教える本。

物理の超弦理論なんかでは、10次元とか11次元とかの高次元の空間を取り扱うが、研究している人はよくそんな空間をイメージできるなあ、と感心する。そんなわけで、実際に数学者がどんなふうに高次元空間をイメージしているのかという興味でこの本を手にとってみた。

そもそも高次元ではどんなことが起こるのだろうか。本書では、例として、3次元ではほどけない結び目が4次元ではほどけることを示してくれる。

3次元のなかに1次元のロープのようなものがあって、途中に結び目を作り、端をつないで、輪っか状になっている。

ふつうの3次元では、輪っかをどこも切らずに結び目をほどくことができない。ところが空間を4次元に拡張すると、輪っかを切らずに、4次元空間内をなめらかに移動させるだけで結び目がほどくことができる。この説明は明解に書かれてあって、知らなかったのでちょっとびっくりした。

なるほど、高次元空間では普通ではありえないことが起きるらしい。ただこの説明の図は3次元空間をいくつもつないだ、かなりまどろっこしいものになっている。もしも4次元を直接知覚できたら便利だろう。

そんなわけで、この本の目的は、4次元空間を直接イメージする(直覚する)方法を伝授することである。多少の訓練をすれば、誰でもそれをイメージできるようになり、人によっては「衝撃的な体験」になるというのである。

これって、もしかしたら、拡張感覚を体験できるLSDのような幻覚剤よりもすごいことなんじゃないかしら。(笑)

4次元空間を認識できる対象としては、3次元の結び目を、4次元で直覚できることを目指す。3次元空間のなかでは1次元のロープによる結び目があるのだから、4次元空間では2次元の平面による結び目が作れるのだそうだ。なるほど。

方法としては、先ほどの1次元の結び目を回転させて作る。

立体のx≧0、y=0の平面に1次元の結び目を置き、それをzw平面に対して回転させることをイメージするというのである。

しかし、ある軸の周りを回転するというのならわかるが、平面に対して回転させるというのがどうもよくわからない。この辺は「直感力を働かせて気合で想像してください」という。そして「見えましたか?」と読者に聞いてくるのだが。

……。

…………。

見えるかっ! そもそも気合で想像って、なに?(苦笑)

初心者はこの辺が直覚できることが大切なんだそうです。このままでは、わしは初心者にすらなれないらしい。

zw平面に対して回転させるというのは、z軸とw軸の2軸の回転ということかしら? そうだとすると2軸を回転させるぐにゃぐにゃした図形を思い描けばいいのかしら。

ちなみに見えたという方の動画が以下のところに載っています。この動画の意味って、もしかしたら、身体を横と縦の両方で回転しているところがミソなんでしょうか? 2軸の回転ということで。うーん。

 

www.youtube.com

 

★★★★☆

にほんブログ村 投資ブログへ
にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ