岡本純子 東洋経済新報社 2022.7.7
読書日:2022.8.20
雑談力とは聞く力と質問力であり、自分のことを話すことではないと主張する本。
著者によれば人は自分のことを話したがるものだという。というわけで、雑談をするということは、相手の言うことを聞き、話が繋がり深まるように適切に質問を繰り返し、時々自分のことを(相手の興味の範囲だけ)少しだけ混ぜるようにすれば無限に会話を続けることができるのだという。話し上手は聞き上手というが、この本はそれを実践せよと言っているわけだ。
わしは自分のことを話すのが面倒くさいので、なにか雑談をしなくてはいけないということになると、たいていそういう会話をすることになる。
社会人になりたての新人のころ、展示会に来てくれた人にアポをとって、その人や所属している会社や団体のことを聞いてまわるという研修をさせられたが、ほとんどの人は自分のことを喜んでいろいろ話してくれた。そうすることで、実際に大きな仕事につながったこともあるし、面白い経験もいろいろした(例えば、ここの後半部分)。というわけで、いかに人が自分のことを話したがるかというのはそれなりに承知している。
でも、まあ、普段の生活でやっぱり雑談はあまりしたくないな。たまにここに書いたような自分にとって珍しい人に出会うと、喜んで話を聞いてしまうんだが(笑)。
そういうわけで著者の話は理解できるんだが、わしは特に交友関係を広げたいとか、もっと仕事のチャンスを増やしたいとか、ほとんどそういう欲望もないので、この本に書かれてある技術もほとんど使わないかな。
雑談が苦手なシャイな人は自分がどう見えるかという事ばかり考えるナルシスト、というのもとても納得。たいていの人は歳とともに自分の見えかたなんかどうでも良くなって、適当にゆるくなってうまくいくんじゃないかって思うけどね。
わしは自分の興味を人に話すことは諦めている。だってこのブログに書いているようなことはほとんどの人には興味はないことだし、とくに投資について普通の人に話すことは(少なくとも日本では)厳禁だ。投資の話をしていままでいい経験をしたことは、わしには一度もないからね。投資については他の投資家とだけ話しましょう。いや、投資家の友達もいないんですけどね(笑)。
★★★☆☆