ヘタレ投資家ヘタレイヤンの読書録

個人投資家目線の読書録

わたしの好きな季語

川上弘美 NHK出版 2020.11.20
読書日:2022.7.20

俳句もたしなむ小説家の川上弘美が自分の好きな季語をネタにしたコラム集。「すてきにハンドメイド」という婦人誌に連載したもの。

小説をほとんど読まないから川上弘美もこれが初めての本。ちなみに小泉今日子の映画「センセイの鞄」は観たことがある。

川上弘美は俳句が好きだったわけではなくて歳時記が好きだったんだそうだ。子供の頃から面白い言葉を集めるのが趣味だったそうで、歳時記を見つけたときは面白い言葉の宝庫だと思ったそうだ。

そうなんだ。やっぱり文学者ってこんなふうに言葉に敏感なんだね。わしは言葉の収集をしようなんて思ったことがないなあ。そのせいか、いまも言葉を知らず、本を読んでるとすぐに知らない単語に出くわして面倒くさいなあと思いながら調べてる。いまはスマホがあるからいつでも調べられるし、キンドルなら辞書も付いてるから非常に便利。

川上弘美の生まれは東京の郊外で、東京の郊外がいかに自然にあふれていたかがいろいろ書かれている。なんと天の川が普通に見られたんだそうだ。(天の川)

川上弘美は人と会うのが苦手で、しかも人が大勢いるところも苦手なんだそうだ。それで、子供たちを連れてテーマパークとかに行くこともなく、墓参りばかりしていたんだそうだ。(お弁当を持って)。すると子供たちは墓参りがレジャーだと思ったらしく、帰ろうとするとぐずったんだそうだ。笑える。子どもたちにはどこにも連れて行かずに悪かったと謝ってる。(墓参)

人と囲む鍋料理というのも苦手だそうで、そのことを告白したら、私もです、というレターがたくさん来て、自分だけじゃなかったと思ったそうだ。(春菊)

子供のころ、お雛様よりも弟の鯉のぼりの方が好きで、朝、鯉のぼりをつけて夕方に取り込む仕事を買って出て、弟がやりたがると「まだ小さいからだめ」と言ってやらせなかったという。しかしそれで満足して、自分の子供には鯉のぼりはしなかったという。ここでも息子に謝っている(笑)。(鯉幟)

まあ、こんなふうに、川上弘美が何が好きで何が苦手かがなんとなく分かるような本です。ああ、べつにわしは季語にさほど反応しませんでした。やっぱり文学者じゃないよね、わし。

★★★☆☆

 

にほんブログ村 投資ブログへ
にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ