ヘタレ投資家ヘタレイヤンの読書録

個人投資家目線の読書録

算数の正解とは 「自分の意見で生きていこう」で思い出したこと

ちきりんの「自分の意見で生きていこう」では、正解のある問題の例として、算数の問題をあげて、たとえば「2+2=?」のような問題には正解があると言っています。

正解のある問題に算数の例をあげる場合が多いですよね。でも、わしはそういうのを読むと、複雑な気持ちになります。というのは、計算の結果が正解と確信できない人の例を知っているからです。他でもない、わしがそうでした。子供の頃、わしにとって「2+2=4」というのは長らく仮の正解でした。

どういうことかというと、算数で数字の並びを教えられたとき、わしにある疑問が湧いてきたからです。数字の並びは
1 2 3 4 5 …
ですよね。でも、わしは数字と数字の間が気になったんです。

たとえば、2の左に1があり右に3があります。1はいきなり2になるんでしょうか。そして2はいきなり3になるんでしょうか。

じつは2というのは1つではなくて、「1に近い2」、「3に近い2」というものがあるんじゃないでしょうか。

もしそうなら、2+2と言っても、「1に近い2」と「3に近い2」の場合で違うんじゃないでしょうか。もしかして2が限りなく1に近づくと、それはほぼ1になってしまうんじゃないでしょうか。

そうやって数字と数字の間を考えているうちに、訳が分からなくなったというわけです。

しかしながら、このようにいろいろ考えた結果、テストには甚大な影響を受けました。何しろ、単純な出し算、引き算が複雑になり、間違いだらけになったからです。あるときには、みごとに0点になってしまいました。

びっくりしたのは親です。単純な計算問題で0点を取って帰ってくるんですから。

そのころ、二桁の計算をやっていたので、きっと桁の繰り上がりとかそういうことがわからないのだろうと思ったのでしょう。それを教えようとしたら、息子から返ってきた答えは、「1に近い2」とか「3に近い2」とか「1に限りなく近いほぼ1になる2」とかそういう話だったんですから。たぶんバカなんじゃないかと思われたかもしれません。

お前の言ってることはさっぱり分からんが、ともかく言われたとおりにやれ、ということになり、渋々それに従った結果、テストの点数は普通になりました。しかし、それはわしにとって、ずっと仮の正解だったのです。

エジソンが「なぜ1+1は2になるんですか?」と聞いて、先生から低能と思われて学校をやめたという話があります。本当の話かどうか知りませんが、気持ちはわかる、とわしは思いました。

その後どうなったかというと、学年が進むにつれて、算数は簡単になっていきました。小数点を知り目がウロコになり、マイナスを知り、有理数を知り、無理数を知り、こうして無理数を含めると数字の集合は直線の集合と同じなるということを知って、わしの疑問は完全に解けたわけです。長かったね(笑)。

算数が数学になって関数というものが出てきましたが、これはわしにとってとても良かったです。なぜなら、わしは数字を使った計算が苦痛で仕方がなかったからです。

高校に入って微分積分は難しく、ここで数学が分からなくなり挫折する人が多い、と聞いていました。実際、今のわしの妻は微分積分から数学がわからなくなったと言います。わしも学ぶ前は微分積分は難しいんだろうなあ、となんとなく思っていました。しかし、習ってみると、わしは微分積分を直ちに理解して、これってむちゃくちゃ簡単、と思っていました(笑)。少なくとも2+2よりは(苦笑)。

そこまで考えるのなら、自分で数学の勉強をどんどん進めればいいではないか、と思うかもしれませんが、じつはわしは数学にあまり関心がなく、授業で新しい内容が出てくるまで自分から何も調べようとはしませんでした(笑)。

まあ、それはともかく、算数が正解がある事例の代表として登場するたびに、そうかなあ、小1のころが一番訳がわからなかったけどなあ、と一人思っているわけです。

おしまい。

**** 追記 ****

「1に近い2」とか「3に近い2」とかを考えるとなぜ計算間違いになるのか。

たとえば、「3に近い2」というものを考える。イメージとしては2.9ぐらいの数字を思い浮かべてくれればいいと思う。小学校1年生のころには小数点というものを知らなかったわけで、あくまでもイメージで考えていた。

そうすると、
2+2=(3に近い2)+(3に近い2)=2.9+2.9=5.8
つまり(6に近い5)になる。つまり答えは5(笑)。

同様に、(1に近い2)+(1に近い2)=(2に近い3)になるので、こちらは3になる。(1に近い2)のイメージは小数点では表すのが難しいので割愛。

つまり当時のわしにとって、2+2の答えは3〜5のどれかである。

2+2=3、4、5

3、4、5のうちどれを選ぶかは、独自のルールを作って決めていた。

この場合、運が良ければ正解で、運が悪ければ0点になる(笑)。運が良くても正解の確率は3分の1なので、30点ぐらい取れるかどうかである。

ともかく、当時わしの説明を理解できる人は一人もいなかったということは確かです。自分の考えを他の誰一人として理解できないという経験を初めてしました。もっともこの内容を小学1年生に人に分かるように説明しろというのが無理というものです。

それに、いまこれを読んでも人の中でも、わしの言っていることを理解できている人がいるのかどうかわからないわけですし……。

 

 

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